日向ぼっこ
僕は小瑠璃ちゃんの一番のお友達。
小瑠璃ちゃんの6歳のお誕生日にこの家にやって来た。
毎日一緒にお外で遊んで、泥んこになって叱られる。
追いかけっこする時は、いつもお庭の大きな木の下を一緒になってぐるぐる回る。
疲れて倒れ込んで、お日様の降り注ぐ木陰で日向ぼっこをするんだ。
小瑠璃ちゃんも僕も、とっても楽しくて笑い合う。
小瑠璃ちゃんが12歳になったら、お外で遊ぶのは禁止された。
シュクジョ?は泥んこになったり、走ったりしないんだって。
小瑠璃ちゃんは僕に言う。
貴方とずっと一緒に遊んでいたいけど、それは叶わないって。
なんでだろう?僕はずっと小瑠璃ちゃんと一緒なのに。
寂しそうな小瑠璃ちゃんが可哀想だったから、僕はごろんと窓の側で横になった。
ほらほら、ここなら日向ぼっこはできるよ。
これは禁止されていないでしょ?
小瑠璃ちゃんは泣きそうな顔をして、僕の横に座った。
月日が経って、小瑠璃ちゃんはコンヤクシャ?ていうのが出来た。
その人と会う日は、おめかしをして出掛けて行く。
僕はいっつもお留守番。
でも、小瑠璃ちゃんに笑顔が戻って来たから僕も嬉しい。
いつもの窓辺で僕はごろんと横になる。
また月日が経って、小瑠璃ちゃんはケッコン?ていうのをするらしい。
僕にはよく分からないけど、小瑠璃ちゃんは今までで一番幸せそうだ。
綺麗なドレスを着た小瑠璃ちゃんは、世界で一番綺麗だった。
そっか、もう僕と日向ぼっこしなくて大丈夫なんだね。
涙を舐めるのは僕じゃなくていいんだね。
寂しいけど、僕の一番は小瑠璃ちゃんだから。
小瑠璃ちゃんが笑顔で幸せなら、僕も幸せだよ。
僕は、いつもの窓辺でごろりと横になる。
あれ、なんだか眠くなって来た。
小瑠璃ちゃん、僕結構長く眠るみたい。
また遊ぼうね。
ーー「あれ、まる?どうしたの?まる?」
最愛の美しい白い毛並みを持つ猫は、小瑠璃が何度呼んでも目を覚さない。
胸元に手を置くと、その心拍は止まっていた。
「そんな……!まる……!」
いつもの窓辺で横たわる猫は、幸せそうに微睡んで、眠りについていた。




