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第十三章:初めての手紙交換 第十四章:沙織の過去
秘密の手紙コンカフェに、新しい客が訪れた。川村沙織。彼女は静かにカウンターに腰を下ろし、みずほの優しい声に促されてペンを握った。
「初めての手紙を書くのは緊張するけれど、誰かに自分の気持ちを伝えたい…」
沙織は震える手で紙に想いを綴り始めた。そこには、失恋の痛みと未来への漠然とした不安が混ざり合った素直な言葉が並んでいた。
何通かの手紙を交換するうちに、沙織の過去が少しずつ姿を現した。彼女は長く付き合っていた恋人に裏切られ、その傷は深く心に刻まれていた。
「もう誰も信じられない」と呟く沙織に、真理やみずほ、悠一、斉藤たちはそれぞれの経験から静かに寄り添い、彼女の心を支えた。