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第四十一章:変わりゆく景色 第四十二章:ひとつの選択
真理と悠一は、公園を一緒に歩いていた。
季節は春。桜のつぼみが膨らみ始めていた。
「ねえ、悠一くん。最初の手紙、覚えてる?」
「もちろん。『まだ誰かを好きになれるか分からない』って書いてた。」
真理は少し笑って言った。
「今ならわかる。あれは“始まりたい”って気持ちだったんだって。」
悠一はそっと手を差し出し、真理の手を握る。
「その気持ちを、俺がずっと受け取ってたよ。」
過去は変えられない。
でも、未来は一緒に変えていける。
ふたりは、そう信じて歩き続けていた。
みずほは斉藤直人から新しい手紙を受け取った。
そこにはこう書かれていた。
「昔の気持ちを、今の言葉で伝えさせてほしい。
一度、君とちゃんと向き合いたい。」
みずほは手紙を読み終えると、ゆっくり目を閉じた。
迷いはもうなかった。
数日後、彼女は斉藤を店の外で待っていた。
「……あの頃、言えなかった気持ち、聞かせて。」
斉藤は驚いたように微笑んで頷いた。
「ありがとう。会ってくれて。」
ふたりは、新たなページをめくる準備を始めていた。




