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第三十九章:未来へ歩き出す二人 第四十章:静かな約束
真理は手紙コンカフェの窓辺に座り、柔らかな午後の光を浴びていた。
悠一が向かいの席に腰を下ろし、静かに微笑む。
「最近の君の手紙、すごく前向きだね。」
真理は少し照れくさそうに笑いながら答えた。
「あなたのおかげ。手紙で話すうちに、自分の気持ちに正直になれたの。」
二人の目が合い、言葉にならない温かさが流れた。
「過去の傷があったからこそ、今がある。
それを君が教えてくれたんだ。」
悠一の言葉に、真理は強く頷いた。
「これからは、二人で歩いていけたらいいな。」
「うん、僕もそう思ってる。」
手紙が結んだ絆は、やがて二人の新しい物語の扉を開いた。
玲奈と佐野は、少しずつ直接話す時間が増えていた。
カフェのテーブルで、紙とペンがなくても想いを伝えられるようになってきた。
ある日、佐野が玲奈に言った。
「手紙も好きだけど…今は、君の声で聞く方がもっと好きだ。」
玲奈は照れくさそうに笑いながら、そっと返す。
「じゃあ、これからもちゃんと話すね。たまに、手紙も添えて。」
ふたりは自然に視線を合わせ、静かにうなずきあった。
それは言葉のいらない、小さな“未来”への約束だった。




