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第三十八章:過去と向き合う瞬間
「秘密の手紙コンカフェ」は、夕暮れの柔らかな光に包まれていた。
みずほはカウンターの向こうから、静かに店内を見渡している。
その日、斉藤直人はまた一枚の手紙を残して帰った。
「みずほへ」と書かれたその便箋には、かつて言えなかった言葉が詰まっていた。
『みずほ、あの頃は自分の気持ちに向き合えなかった。
今なら少しだけ、君に正直になれる気がする。ありがとう。』
みずほはその手紙を握りしめ、目を閉じる。
過去の自分と、今の自分が交差する瞬間だった。
「伝えたい気持ちは、たとえ遅くても必ず届くんだね。」
彼女はそう呟きながら、カウンターの奥から静かに微笑んだ。




