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生きる抜殻

作者: イプシロン


  いつかの暑い夏に啼き誇った

  一匹の見も知らぬ蝉よ

  今も網戸に抜殻を遺すお前よ


  白く柔らかい体を伸ばし

  雄々しく空へと羽ばたき

  短い命を燃やしたお前よ


  その抜殻はまだなおも

  時雨に打たれたまま黙し

  琥珀色の殻陀(からだ)は朝日に

  宝石のように輝く


  わたしは生きたい

  抜殻になってもなお、お前のように



  English version


     Living Husk


  Once in the heat of a summer bright,

  A lone cicada sang with might,

  Leaving its shell on the window tight.


  Soft and white, it stretched, took flight,

  Bravely soaring to the height,

  Burning its life in fleeting light.


  That empty husk still lingers on,

  Silent in the rain till dawn,

  Amber flesh, in sunlight drawn,

  Glows like gems when night is gone.


  I long to live, to shine, to be—

  A husk, yet still alive, like thee.

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