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第84話 お嬢様方の秘密学校

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 練兵場の階層を領主さんの妹イーナさんと婚約者さんのママーナ・モンダナエ子爵令嬢さんが見学に来た。二人の行動力はスバ抜けている。近習一人連れずにやって来た。もっともそれが出来る程に領内の治安は良い。

 二人はニコニコしながらやって来て、ひとしきり練兵場と馬房、パドックを見てはしゃいでいる。

 実のところそれらはカタログに備わっている。平原にそれらを置いておけば良いのだから話が早い。特殊機能として流鏑馬が出来るようにもしてある。

 これは両サイドに用意してある。多分右手でも左手でも弓をつがえるようにしたいだろうと思ったからだ。

 この世界の一般的な騎兵兵科にも合わせ、重騎兵の練兵場、槍や弓兵の鍛練も出来る、ダンジョンが出せる練兵機能をフルに使った自慢の階層(フロア)だ。

 二人も大喜びだ。

「早速仲間集めなきゃ」

 イーナさんは楽しそうに出ていった。

「馬を集めなくてはなりませんわね」

「馬なら私の方で用意しますよ」

 割とママーナさんとは話しやすい。イーナさんとセットでいると無茶苦茶な性格をしているが、単体だとお嬢様としての装いを前面に出してくれる。普通だ。ものすごく普通だ。

「ところで練兵場で何をなさるおつもりで?」

「勿論、練兵ですわ。ただ、出来るだけオットー様にはご内密に願いますわね」

 まあ、確かにいきなり軍隊を用意するわけだ。驚かせてしまうだろうな。

「まあ、驚かせる訳にもいかないですものね」

 私の言い様にママーナさんが切り返した。

「単なるサプライズですわ」

 ニッコリしながら答えるこの女の子(子爵令嬢)、やはりクセモノだ。

 そしてイーナさんの人気ぶりは凄まじいものだ。練兵場でのほほんと、ママーナさんと家政精霊(シルキー)にお茶会セットを用意してお茶に興じていて約一刻(2時間)、あっという間に30人程の子供を連れて帰ってきた。

「ママーナお姉さま、ダンジョンお姉さん、連れて来たよ」

 ニコニコしながら報告に来た。どうも最近やって来た難民の子供たちだ。イーナさんはその庶民的な可愛らしさで誰とでも仲良しさんになれる方だとは知っていたが、こんなにも簡単に練兵希望者を集めて来るとは思いもよらなかった。

 ちなみに上は13歳の女の子、下は8歳の男の子。要するに性別も年齢もバラバラだ。

「まあ、早速私達の軍団の中核になる子を揃えてくれましたのね?」

 軍団?私達?まさかコイツら領主さんに楯突く仲間を集めているわけでは無かろうな!?

「あ。何か心配してるね。これはお兄ちゃんの為の『屯田兵部隊』だよ」

「リブラ伯爵領、領主軍を普段は町民、いざという時には声かけ一つでオットー様の手足となる(つわもの)達ですのよ」

 なるほど二人は自分の為ではなく領主さんの為の軍団を創設する気でいたのだ。それの真贋は鑑定魔法でも分かるし、集まった子供達も大きく頷いているから分かる。皆領主さんの力になりたいのだ。

 それが今までなら大概のヒトは農家として自立し、出来るだけ沢山収穫する事しか無かった。しかし、ここに領主さんの剣となり盾となる道が新しく誕生したのだ。

 これが人気講座にならない訳がない。

 農家や商人、職人の次男三男とか難民の一部、更にはどこで噂を聞き付けたのか、自警団所属の大人までもが集まり出した。

 これは理由なんか簡単だ。目と鼻の先に国境が有るというリブラ伯爵領の民にとって、頼れる筈なのにどこか頼りない。そしてどこかおちゃらけてて憎めない。庶民の暮らしを考えて税金を抑えがちな領主さんに大恩を感じているのだ。全ての民が何とか領主さんの役に立ちたい。

 その一心なのだ。


 その訓練風景は何故かのんびりだ。多くが子供の集まりであるため、飽きさせない、嫌にさせない、退屈させない。の3ない運動でやっている。

 見ているとまずは整列からの基本中の基本!行進から始まり『前倣え』や『右向け右』等の号令とやり方。

 その後小隊規模に別れて乗馬や弓の練習。実のところ剣術は大してやっていなく、槍術をメインに練習している。

 この二人、恐らく目指す所は概ね同じ。そしてそれはなるほど。秘密にしておかなくてはならないだろう。

 弓は銃が登場するまで、最も多くの戦死者を出した兵器だ。

 多分ゆくゆくは騎兵を恐ろしい程用意する気でいる。そして槍は一部騎兵に持たせる気だ。ママーナさんという弓騎兵が得意な女の子が、弓騎兵をここで排出し、それを守る盾でありの要とするのだろう。

 この可愛らしい女の子達に籠城とか防御という発想なんか多分無い。

 どこかに討って出ようと考えているのだ。

 その意向は私にも密かに有る。

 ここから馬車で3日の王都などからも来場者(ゲスト)が来るようになったこのダンジョンではあるが、反対側からの集客は全く見込めない。

 その為には最低でもあのアホらしい戦争には終わって貰わなくてはならないのだ。


 この子達はそれを狙っている。

 読んでくれてありがとうございます

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 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


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