表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/120

第71話 式典

 見つけてくれてありがとうございます


 領主さんが割と酷いメイド長へのご褒美を提供している隣の部屋では、大急ぎで飾り付けを行っていた。

 それには数少ないメイドさんや執事さん。更に街で雇い入れた日雇いさん達。更には領主さんの家族も総出で行っていた。

 

 邸宅ではなく要塞みたいな武骨な城塞の一室。そこは窓も少なく昼間でも少々暗い。灯りを取るのも重要なお仕事となる。

 

 さて領主さんはメイド長さんにご褒美をたんまりあげた後、ばつの悪そうな顔をしながらその装飾した部屋に入った。どうもそこはかつての領主謁見の間なのらしい。大して潤ってるようでもない領内なのに、珍しく松明と蝋燭で贅沢に灯している。

 領主さんが入った頃には、先程騎士に任命された元脱走兵にして盗賊さんと、何故か司書のマリアさんも居る。そして証人替わりに各ギルドと長や領主さんの家族、更に年若い謎の人物等も居る。

 そしてその部屋に私も招き入れられた。

「ではカネガよ。改めて騎士に任命する。正式な辞令を受け取れ」

 今日から騎士さんはかしこまって辞令を受け取った。

「次はマリア。実はお前の図書館が他領でも評判でな。この程ホッジス侯爵家のご令嬢が研修に来たいそうなんだ。そこでお前がポカリとかやったらお手打ち等も心配しなければならないんだよね」

「私はオットーしか殴らないわよ!」

「それもそれで酷いな」

 ここで聴衆にも笑が起こった。案外マリアさんのポカリは知られて居るようだ。

「では功績を変えよう。マリア、お前は図書館を他領にまで知らしめ、しかもその運営に於ける第一人者だ。その功績を称え、ここに士爵位を授けます。今後とも図書館の発展及び子供たちへの読み聞かせを励んでくれ」

 この声かけはマリアさんを大いに喜ばせたらしい。

 マリアさんは領主さんに飛びかかり、何故か領主さんをポカポカ叩き始めた。どうもこの人は嬉しいの感情を出す手段がこれなのらしい。ちょっと頭のネジがイカれているようだ。

「痛いよマリア。てなわけで侯爵令嬢の研修頼んだよ。それから貴族となるんだ。家名を名乗る事になるのだがお家でじっくり考えてくれな。お前の母親も名乗る事になるのだから」

「ビブロテカーリオよ!」

「え?」

「家名はビブロテカーリオよ!」

「即答?親に相談とかは?」

「要らん!」

 ビブロテカーリオとは異国の言葉で『司書』という意味だ。本人が知っているかどうかは知らないけど。

「良いお名前ですね」

 私から思わず声をかけてしまった。

「ほら見なさい!ダンジョンさんもそう言ってるわ!」

「分かった分かった。ではマリア・ビブロテカーリオ士爵、今後とも楽しく行こう」

 領主さんは朝駆けを何度されてもマリアさんの事は許しているようだ。

 マリアさんも領主さんもニコニコしている。いつも流血する程殴られていても、二人の心の絆は有るのだろう。

  

「さて、俺がリブラ伯爵領を統治して三年目。今回初めて領内爵位を授けるのだが、ここで今一人爵位を授けたい。ダンジョンさん、前へ」

 突如私が呼ばれた。周囲の人が道を開けてくれたので、前に出されるように出向いた。

「さてダンジョンさん。貴方は高額納税者筆頭にしてこの地域の健康保全や移動手段に貢献している。なのに遠慮がちに住民の末席にとか何とか言っていた。俺としてはダンジョンさんとと知り合ったあの日から俺が庇護すべき領民だ。ならば俺から出せる最高の形で住民として迎えよう。準男爵に任命する。今後とも楽しく行こう」


 『楽しく行こう』これが恐らく領主さんの信条(モットー)なのだろう。

「はい。楽しく」

 ここで領主さんが私に近付き耳打ちした。

「ここいらで自らが魔族である事を明かしてはどうだい?」

「そ……それは」

「大丈夫だ。領民すべからく貴方のお世話になっているのだ。今更な話だ。嫌なら俺から発表しちゃおうかなぁ」

 いたずらっ子みたいな笑顔を向ける。それにだけは乗れない。

「しかしながら領主さん。私が魔族と知ってて仰っているのですか?」

 私は指を鳴らして角を隠す魔法を解いた。

「改めて皆さん。魔族ダンジョンマスター族。15892番目のダンジョンマスター。領主さんよりいただいた名前はダンジョンです。どうぞよろしく」

 驚きとどよめきが起こったが、反面納得の声も上がった。

「なんかこう、ランドの作りっておかしかったけど、なるほど納得した」

「あー。やっぱり。あれ魔法だと思ってた」

「ハゲだけどハゲに効く何か無いかのう?」

「これからもお世話になりますね」

「もっと悪い所だと思ってた。ダンジョンって」

 概ね良好だ。

「この後は各任命者の就任パーティーになるな。ダンジョンさんも出席してくれるかい?」

「ええ。構いません」

 遂に私は自らを魔族と正体を明かした。今後どうなるのかは分からないが、悪いようにはならない気はしている。

 読んでくれてありがとうございます

 もし良かったらブックマーク、評価、いいね、感想、レビューなど頂けましたら嬉しいです

 

 只今連載中

 犢端高校勇者部活動記録   https://ncode.syosetu.com/n0115ie/


 爆笑!元朝秘史

https://ncode.syosetu.com/n3161if/


完結作品

 素人集団!!国家連邦政府宇宙軍第6艦隊奮闘記

https://ncode.syosetu.com/n7603hp/


 ココチュのフェイクニュース

https://ncode.syosetu.com/n7689id/


各種短編

 伯爵閣下がホラ話で領地を盛り上げてみるようですので発表します

https://ncode.syosetu.com/n0773gs/

 

 精霊だらけインタビュー

https://ncode.syosetu.com/n9175hv


 SS 家元になろうよ

https://ncode.syosetu.com/n4840hw/


 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


Twitterやってます。@kokochu539です。

大したことはしていませんが、フォロバは確実です。お気軽にどうぞ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ