表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/121

第67話 図書館猫リブロス

 見つけてくれてありがとうございます

 ワシは猫。猫に名前なぞ有る訳なかろう。ワシはあの太めな雌ニンゲンから魚を頂戴しようとし、格闘の末に敗れた。誠に口惜しい。しかしこれも定め。ワシはあの太めな雌ニンゲンに従う事にした。

 太めな雌ニンゲンはワシにトショカンとか言う家まで与えワシを養う事にしたようだ。

 まあ長年孤高の野良猫であった訳じゃが仕方ない。美味い物もくれるようだしここに住んでやろうではないか。


 ほほう。頭に1本角が生えたこの魔物がワシの世話役担当なのか。 

 じゃがこやつ。

 太めな雌ニンゲンよ。信じて良いのか?こやつはお主よりそうとう手練れじゃぞ。ニンゲンなどより高い魔力。隠しておるが見える角と短い尻尾。こやつはおそらく魔族とか言う奴じゃな。

「やあ図書館猫のリブロスくん。おトイレは必ずここでするんだよ。そこいらでやってはダメだからね」

 こやつ、何故かワシにも分かるように言葉に魔力を乗せ言霊(ことだま)にしておる!ワシは返事をするしか有るまいな。

「にゃー」

「そうかい。宜しくね。ここでキミはネズミを捕らえて見せびらかして欲しいんだ。そうしたら美味しいご飯が貰えるからね」

「にゃー」

「でもまあ、そう簡単に納得してくれても困るな。なんたってお互い言葉なんか分からない筈なんだもの。だから3日一緒に居させてね」

「にゃー」

「フフ。いやがらないでくれよ。悪いことはしないからさ」


 この様子を見ていた太めな雌ニンゲンとこの家の主の白髪の雄ニンゲン、その(つがい)ではない白髪の雌ニンゲンがワシらをきょとんとした目で見ておる。ワシと雌の魔族の間では話が通じておるが、ニンゲンには分からんのだ。

「あの。通じてるんですか?」

 とうとう白髪の雌ニンゲンが聞いてよこした。ワシには何を言っておるのか分からん。

「通じてるわけ無いじゃないか。それでも語りかけ、伝える。コミュニケーションの第一歩さ。人間の赤ちゃんもそうやって育てるだろう?」

「ああ。なるほどですねえ」

 白髪の雌ニンゲンは納得したようだ。そして魔族の雌はワシとの意志疎通に使った魔力と魔法を伝えたく無いようじゃな。

 まあ秘密にしておいてやるさ。

 なにせワシはニンゲン共と会話なぞ出来んのだからな。

「リブロスくんへのしつけは3日位かかるかな。図書館にはりついて教えなくてはならないからご厄介になるね」

 トショカンのニンゲン共は『まあダンジョンにもなっているし』とか言いながらそれぞれ餌探しにもならない作業を始めた。ニンゲンのやる事は分からん。餌探しにもならない事に齷齪(あくせく)するのだから。

「さてと。これでもう良いよ。美味しいご飯を食べる為にネズミでも狩りに行くかい?」

「お主……魔族か?」

「そうだよ。怖いかい?」

「ああ。あの屈強な太めの雌ニンゲンより余程な」

人間(ヒューム)もキミも、私は誰も怖がらせたくないんだけどな」

「それをどこまで信じて良いのかも分からんのよな」

「まあそう言わないでくれないか。もう美味しいご飯は用意してあるからさ」

 まあ魔力が高く角と尻尾の生えてるのにニンゲンに擬態する化物には逆らえまい。面倒でもネズミを狩り取ってやろうかの。

 

 ワシらの嗅覚にかかればネズミなぞすぐに見つかるし、その本能故にネズミが逃げ出そうとしては追いかけを繰り返してしまうもんだ。

 ネズミどもなぞ捕らえるなどお茶の子さいさいじゃ。ほれニンゲン共、ワシが直々に持ってきてやったぞ。どうじゃ?ほれ美味い餌を寄越すのじゃ。

 あ、何これ柔らかくて美味しい!おい、ワシの集会所の仲間も連れて来て良いのかの?これはみんなにも喰わせてやらねばなるまいさ。

「そうだリブロスくん。他にも図書館と周囲の為に猫ちゃんを紹介してはくれないか?」

 などと雌魔族も言ってきおった。ならば遠慮なぞ要らんな。次々仲間を集めて捕らえて来てやろうではないか。

「フフ。それはありがたい。出来れば図書館の壁の内側で始末してくれるかい?ご飯なら私からも支援しよう」

「それは気前が良い。だがニンゲン共に媚びなんぞ売らんぞ」

「構わないさ。人間(ヒューム)にはきみ達の全てが可愛く見えて仕方ないのさ」

「何を言っておるのか分からんが美味い餌の為だ。どれ。行ってネズミどもを狩り倒してやるかな」

 ワシは仲間を誘いに早速猫専用出入口から外に出た。どうやら雌魔族の言うことは間違いないようで、白髪の雄も雌ニンゲン共はワシの後ろ姿を柔らかい雰囲気(オーラ)を放ちながら見送っておった。さてと仲間を集めて楽しい狩りの時間だ。美味い餌出せよ。

「やあ、頼もしいね」

 雌の魔族が話しかけて来る。

「お主、ワシらと話せる事を何故他のニンゲンに知らせない?」

「知らせたら動物係にさせられてしまうよ。それは生憎私の本意ではないからね」

「ワシもじゃな。話し相手にはもう少し弱いニンゲンの方がありがたいのう。お前さんはかなりの手練れなのだろう?」

「そんなこと無いよ。他の人間(ヒューム)より少しばかり魔力が強いただの魔族さ」

 ニッコリ笑う雌の魔族だが、魔力を抑え込んでいるようだがその恐るべき魔力が猫の目に見えないとでも?

 読んでくれてありがとうございます

 もし良かったらブックマーク、評価、いいね、感想、レビューなど頂けましたら嬉しいです

 

 只今連載中

 犢端高校勇者部活動記録   https://ncode.syosetu.com/n0115ie/


 爆笑!元朝秘史

https://ncode.syosetu.com/n3161if/


完結作品

 素人集団!!国家連邦政府宇宙軍第6艦隊奮闘記

https://ncode.syosetu.com/n7603hp/


 ココチュのフェイクニュース

https://ncode.syosetu.com/n7689id/


各種短編

 伯爵閣下がホラ話で領地を盛り上げてみるようですので発表します

https://ncode.syosetu.com/n0773gs/

 

 精霊だらけインタビュー

https://ncode.syosetu.com/n9175hv


 SS 家元になろうよ

https://ncode.syosetu.com/n4840hw/


 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


Twitterやってます。@kokochu539です。

大したことはしていませんが、フォロバは確実です。お気軽にどうぞ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ