第6話 保育所開園と図書館
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テーマパークの事やお客様第一を学んでおきながら、私がまず始めたのはただの保育園だ。本来建物をダンジョンの外に置くところを、どうしたことか中に建て、その子供たちを遊ばせ楽しませ、それでダンジョンポイントを得ようというのだ。
自分が学んだ事に対してやってる事の小ささにはほとほと呆れるが、なにぶん駆け出しなのだ。仕方有るまい。
馬車も御者付きで呼び出す事が出来る。単なる平ボディに幌をかけた簡素な作りの馬車ではあるが、これは御者が特徴だ。万一盗賊や魔獣に襲われても撃退出来る戦闘力を備えている。
しかも馬車本体は一見6人乗りなのだが、大きさが乗り込み人数に合わせてこっそり変化するダンジョンカタログ仕様。何人乗っても大丈夫だ。ふ。百人?そんな甘い事を言うもんじゃないさ。なあ物置よ
かくして子供18人、大人3人を乗せた馬車が到着した。
ダンジョンの門も出来るだけただの屋敷の門風に作り替えたので何ら怪しまれる事もなく入ってくれた。この段階で21ポイント。このダンジョンが初めて自分でダンジョンポイントを得た。正直とても嬉しい。
12歳の子達にこの子供騙しな建物や園庭が通用するとは思えなかったが、それはあまりにも大きな誤算だった。昨日気にしていた緊急避難用の滑り台で延々と遊び続けた。
目の前のその他の遊具もアスレチックも気にも止めず、その遊びは遂に大人達まで含めて午前中いっぱい続いた。
当初から別段行動を制限するつもりは無かったが、子供達も大人もひたすら避難用滑り台で遊び、お腹が空いただろうお昼まで続いた。飽きなかったのだろうか?答えはその楽しそうな顔と身体いっぱいにかいた汗なのだろう。
「皆さん、お昼ご飯を食べたらお風呂に入りませんか?汗もかいたでしょうから」
お風呂ー?
子供達の反応はマチマチだ。やれこれも楽しいだの裸で入るのは恥ずかしいだの。保育士の女性達も共に入ると言われた時、適度に年齢が有る男の子は恥ずかしがった。
慌てて男性を一人カタログから呼び出して男女別にして、やっと事なきを得た。
混浴にドキドキした男の子達から3ポイント得たのだから悪くは無かったかも知れないが、保育士はどう見ても男の子達の母親以上のお年頃だ。何を恥ずかしがるものだろうか。しかし、適齢な女性が居ない彼らの開拓地では、色々と性のお悩みも相談出来る相手も限られるだろう。
子供も大人もきちんと男女別にお風呂に入り、身体を念入りに洗って出てきた頃には真新しい服が用意されている。
キャーキャー言いながら真新しい服に身を包んだ子供達の可愛らしさに思わず顔が崩れてしまう。この辺りでも新しいダンジョンポイントが手に入っているのは本当に有難い。
小さな子供達がお昼寝、ちょっと大人な子供達は何冊か絵本を読み聞かせしながら文字を覚える為の手解き。これは保育士と図書館が乗り気になってくれたので助かった。
また家政精霊は元々着ていた服を洗濯し、繕い物もして貰っている。
現状この家政精霊が、この保育所とアスレチックの階層の階層ボスなのらしい。メイド服と愛らしい顔つき。しかも戦闘力ゼロというこの精霊が階層ボスとはちゃんちゃら可笑しいのだが、これが私が選んだダンジョンの在り方なのだ。気に病む事なんか無い。
子供達がまた遊び出す頃、図書館が私の所にやって来ていくつか話してくれた。
「ダンジョンくん。君にはもっと色んな品物を出して貰わなくてはいけないね」
「ほう?例えば?」
「病院って出せないかな?実は右足を失くした爺さんは義足が合わなくて脚が化膿し始めてる。一緒に来た婆さんは高血圧が著しいね。それに……」
図書館の観察ぶりは凄まじかった。
子供達の中には脚気やくる病等のビタミン不足による病気が少々と、一人肺結核とおぼしき子供も居るという。
人間の病は私には専門外だ。それは図書館も同じなのだろうが。
「なるほど。ポイントが貯まったら考えなくてはな。ところで図書館は若いと聞いていたが随分博識なんだな」
図書館はアハハと笑いながら答えた。
「若い若いとは言うものの、500歳は越えているんだよ」
「え」
図書館はそう言えば『一番若い図書館魔族』とは言っていたが、年齢なんか聞いていなかった。
「ダンジョンマスター族は羨ましい。私が調べた中では既にダンジョンくんには6人の後輩がいるよ。ちなみに内一人は王城の付近に生を受け、冒険者により瞬殺されたそうだよ。図書館族は図書館の思い出が形になった魔族。なかなか増えないんだ。早く後輩が出来て魔王から解放されたいよ」
私は驚いた。若いからと割とぞんざいに扱っていたが、まさかそんな歳とは思わなかったのだ。
「それは年上の方に大変失礼を」
「やめてくれよダンジョンくん。私は今まで通りで構わないから。それにきみは楽しい。そんなきみが私に垣根を作らないで欲しいんだ」
割と真顔でそのように言い出す図書館族の魔王は、私を研究対象として以上に、友誼を結びたいという顔だった。
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