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第59話 見守りパトロールのアリタとオサダ

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 深夜の来客なんて割とろくな奴ではない。この間は強盗の襲撃。そして今夜は見守り隊のアリタとオサダだ。ホントろくな奴が来ないよな。まあ、ダンジョンポイントにはなるというその一点だけは歓迎してやるべきか。

 

 私は指を鳴らして瞬間移動(テレポート)の魔法であの二人の後ろから声をかけた。

「あらこんばんは。夜の訪問は失礼とは教わらなかったのかしら?」

 アリタとオサダはそれぞれ男性。アリタはスーツ姿で七三分け。オサダは革ジャンとジーパンというライトな出で立ちだ。

 二人はドキッとした感じに振り返り、返してくれた。

「いやはや1本取られましたね。しかし私達の存在をここに来ている方々に知られる訳にも行かないですから。ご容赦くださいよ」

 アリタはニッコリしながら答えた。


 見守り隊の正式名称は『宇宙文明発達観察パトロール』という。

 これは外宇宙に移住出来る文明になるまでそっと見守り、その文明の自力による発展を待ち、見守る超宇宙規模の組織である。

 この組織には魔族である我々は『半分この地の生命体、半分宇宙人』という位置付けなのだそうだ。

 これは仕方ないだろう。なにせ私にかかれば超電磁砲(レールガン)だろうと原子爆弾(アトミックボム)でも呼び出せるし、魔族図書館等を経由してアリタやオサダの住む惑星にも行けるのだから。

 ちなみにこの世界では現在大地が円形なのか平面なのかの意見が対立しており、先刻使った『惑星』という単語も禁句だ。


「もちろんお許ししますとも。今日はどんなご用事で?」

「ま。見回りさ。たまに来るけど嫌がらないでくれな」

 ライトな感じのオサダが言う。

「まあ。好きに見回ってくださいよ。このダンジョンは図書館族魔王監修の優良ダンジョンさ」

「でしょうね。まあ、一通り拝見致しますよ」

 アリタが丁寧にこちらに声をかける。まあ、行こうと思えばダンジョンコアルームに突如現れる事も出来るパトロール隊が、わざわざ正門から入ってきたのだ。

 私も即時意見を聞く為に付いて回った。

「あら、まだ有りますね。これ等は絶対ダンジョンから出さないでください」

 かつて出した重機関銃や突撃銃(アサルトライフル)、イベリットガスのボンベを指差して言って寄越した。

「ええ。それはまあ出せませんね」


 このダンジョンの外に広がる世界は、未だに毒ガス攻撃どころか火薬も無いのだ。その世界にこんなものを送り出しては単に戦争は残虐化し、一方的な化物を産み出すだろう。

 良くある魔王を勇者が倒す物語はそんな暴走魔族をパトロール隊が倒した話の事なのだ。


「図書館族の魔王さん、ここの文明人にとってかなり有益な方ですよね。まあ、15782番目のダンジョンマスター族の貴方もそうですが。そう言えばお名前を貰ったそうですね。おめでとうございます」

「ああ。ダンジョンマスターのダンジョンさんだ。よろしく」

 見回る中に保育所や公民館に付属して付いている雨樋やその配管を提供しないように言われた。意外だとは思ったが、塩ビパイプなんか確かにこの世界には無いからな。

 そんなことを気付かされた。


「これは……絶対……出しちゃダメ」

 見られた。おもいっきり見られた!

 私が先日作った失敗作のジェットコースターだ。

 こいつはジェットコースター。(階級)(クラス)殺戮マシーンとなっている。

「見ないで~」

 思わず両手で顔を隠してそう言ってしまった。

「ダンジョンさんのダンジョンには珍しいですね。冒険者の処刑台ですか?」

「いやぁ、最後の最期にコレに乗せられる冒険者も気の毒だなぁ」

 アリタとオサダが私の失敗作の傷口に塩を塗り込む。

「ジェットコースターの失敗作なんですぅ」

 遂に顔を隠したまま膝を付き項垂れた。

「ダンジョンさん。私達はあなたの失敗作を貶すつもりは有りません。動力を魔力とクランクチェーンに切り替えて作り上げた力作ですよ」

 アリタが動力だけ(・・)を誉めた。

「スケルトンすら乗らないライドでしたよ」

「あーね。そりゃ乗らないよ。スケルトンは戦うなら元々ヴァルハラの戦士だもの。バラバラになるまで戦うよ。でもこのジェットコースターに乗せられて死ぬのなんか悲しくて嫌でしょうね」

「出しませんから!」

 恥ずかしくて顔を背けて答えた。

 

 何故かアリタとオサダは顔を見合わせて私に話しかけた。

「そう思っています。ダンジョンマスター族らしくはないけどね」

「ダンジョン全体も楽しそうだよね。良いと思うよ。カノジョ連れて遊びに来たいさ」

「そ……そうかぁ?」

 アリタとオサダはニコニコしながら私のダンジョンを誉めてくれている。

「フ……まあアレだ。コアルームでお茶でもどうだ?」

 アリタとオサダはそれに乗ってくれた。とにかくこのジェットコースター(殺戮マシーン)から早く離れたかったのだ。

 読んでくれてありがとうございます

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