表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/120

第51話 恐怖体験の結果と処遇

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 私がかつて捕らえ、領主さんに付き出した盗賊。

 頭目は懸賞金がかけられた犯罪者である為領主さんに引き渡した。領主さんが代理で懸賞金を受け取り、それを私に送ってくれた。

 私はお金は要らないと説明しても『お金ばかりは有って困るものでも無いさ。小銅貨一枚を笑う者はやがてはそれに泣かされるものさ。受け取っておきなよ』

 などと言うのだ。欲目の無い領主さんだことと、ちょっと笑った。


 で、ここに三人の盗賊子分が居る。盗賊子分はどのみち引渡しても良くて奴隷送り、悪ければ処刑という話だ。持ち帰って奴隷にしても良いよと言われたので、コイツらを私は奴隷商人に奴隷紋を刻印させて実験(・・)に使うことにした。

 

 いや、酷い事はしないさ。せっかく留めた生命だ。無駄に人体実験とか殺傷とかなんかしないさ。

 恐怖体験が如何なるようにダンジョンポイントになるかを見てみたいと思っただけだ。


 当初は面白いようにポイントが入って来た。幻影(イリュージョン)の魔法で極寒とか灼熱を経験させたり、蟲や獸に身体が引きちぎられる体験をさせたり、延々と人間(ヒューム)同士を闘わせるという悪夢を見せたり。まあ、散々やってやった。

 ところが面白いようにポイントが入ったのは一週間程度で、その後はポイントが入りにくい。

恐ろしい目や恐怖にはどん底となる程与えて居るのにだ。

 そんな三人の盗賊子分を水晶で観察していた私にいつもの来客がやって来た。

「やあ元気だったかい?何やら面白い事をしているね」

 これだ。図書館(コイツ)は子供たちの前ではヒューマニズム満載に教授を行うが、本源的には魔族だ。人間(ヒューム)が多少な事をされてても全く意に介さない。ここら辺は魔族というドライな奴らに沿っている。

 ……まあ、私もそうなのだがな。


「ああ。人間(ヒューム)に恐怖体験を与え続けたらどうもダメになったらしい」

 遠見の魔法で盗賊子分の様子を観察した図書館が言った。

「ああ、これはやり過ぎだね。もう心が諦めの境地に至ってるよ」

「諦めかぁ。思いの外早かったな」

人間(ヒューム)なんてそんなもんさ。普段のダンジョンなら恐怖の他にお宝や素材集めのお楽しみも有るからね。飴と鞭は使い分けないと」

「飴と鞭か。かといってアイツらに何かご褒美をくれてやる気は無いんだよね。アイツら図書館を凌辱して売り飛ばす気で居たんだもの」

「それはそれは。盗賊くん怖い怖い。あ。ところで私の名前はセレクトだ。よろしくな」

 何となくその言い回しにだけはカチンと来た。名前を貰い存在進化したのが自分だけでは無いところが微妙に悔しい。

「ああそうだったな図書館。で?アイツらをどうしたら良いものかな」

 図書館は私が敢えて名前を呼ばなかった事に別段意に介すところも無いという顔をして答えた。

「強制労働をさせるのが良いかもね。人間(ヒューム)の刑罰には色々有る中、案外労働刑とか社会奉仕を科す事は多いよ」

 なるほどと辺りを見渡し労働刑になりそうな事を考えた。


「まず子供たちのお世話係なんかダメだな。何をしでかすか分かったもんじゃない」

「そ……そうだね。私からも御免被りたいな」

 何故か図書館はニコニコしている。

「テーマパークで出す食糧も作って欲しくないな。それに大まかな作業にはスケルトン達が居るし」

「そうだね。毒物でも混ぜられたら嫌だものね」


 もう少し考え込んで提案した。

「隷属の首輪でも付けてお前のフィールドワークを手伝わせるか?」

「ええー。私を奴隷商人に売り飛ばしに来た奴らを使役するのかい?怖い怖い。それより君は道にご執心じゃないか。道普請に使い倒したら良いよ」


 なるほどなと思った。街の人にはお給料を支払って雇い入れ、盗賊子分は奴隷として食糧だけを支給してやれば良い。しかも見せしめにはもってこいだ。

「それは良いな。お前頭良いな」

「まあ盗賊は石を投げられたり罵倒されたり大変かも知れないけどね。そこは気にすることは無いだろ?」

「ああ。どうせ倒れても気にしないさ」

 野戦病院のドクターに聞かれたら捻り殺されそうな会話。まあ所詮これが本来の魔族というモノだ。慈悲心とかヒューマニズムなんて物は持ち合わせは無い。

 ただ、後から吸収することは出来る。ダンジョンに集まる子供たち。その子供たちと、それをを養う保護者なんかにはどうか幸福で居て欲しい。


 幸福の為に手厚く支援しまくれば良いという訳でも無い。人間(ヒューム)には何とかしなくてはという向上心が必要なのだ。

 かといって逆に盗賊どもに恐怖を与え続けたらダメになった。

 難しい生き物だなぁとつくづく思わされる。だが、そんな難しい生き物からダンジョンポイントが手に入るのなら、上手く付き合って行くのが良いとは思うのだ。

 読んでくれてありがとうございます

 もし良かったらブックマーク、評価、いいね、感想、レビューなど頂けましたら嬉しいです

 

 只今連載中

 犢端高校勇者部活動記録   https://ncode.syosetu.com/n0115ie/


 爆笑!元朝秘史

https://ncode.syosetu.com/n3161if/


完結作品

 素人集団!!国家連邦政府宇宙軍第6艦隊奮闘記

https://ncode.syosetu.com/n7603hp/


 ココチュのフェイクニュース

https://ncode.syosetu.com/n7689id/


各種短編

 伯爵閣下がホラ話で領地を盛り上げてみるようですので発表します

https://ncode.syosetu.com/n0773gs/

 

 精霊だらけインタビュー

https://ncode.syosetu.com/n9175hv


 SS 家元になろうよ

https://ncode.syosetu.com/n4840hw/


 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


Twitterやってます。@kokochu539です。

大したことはしていませんが、フォロバは確実です。お気軽にどうぞ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ