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第46話 領主さんの朝 参観日のマリアさん

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 「おおおおおおおおおおおおおおおっ起きなさいよーーーーーーーー!」

 領主さんの寝起きにベットから床に叩き落とす。そんな風に領主さんを起こすのは乳姉弟のマリアさんしかいない。この方本当にふざけないで欲しい。何故手打ちにしないのかしら領主さん?

 領主さんの中ではマリアさんはかなり大切な人なのかもしれない。でも腹立てたって良いと思いますよ?なんで夜明け前から朝駆けしてるんですよ?


「お前訪問時間は迷惑のならないようにと言われたこと無かった?」

「そんな事どうでも良いわよオットー!今日は授業参観にするわよ!」


 なんだそれ?という顔の領主さん。私にはその単語の意味は分かる。義務教育というモノによって、たまに行われる行事(イベント)の事だ。

 どうやら領主さんの普段の執務ぶりや様子を見物したいらしい。何故だろう?

「それがライトノベルにも載ってる授業参観だからよ!」

 ライトノベル?なんか始まった。ライトノベルで朝でもないうちから付き合わされる領主さんの身にもなってあげて欲しいものだ。

「で?何をどうしたいんだ?」

もぞもぞと仕方無しに着替えを始める領主さんををマリアさんがチェックしてメモしている。

「着替え方に優雅さも力強さも感じない。減点1」

 なんでそんな所もチェックするの?割とほっといて欲しい箇所じゃない?着替えの力強さって何よ?

 って領主さんが聞いたら絶叫とか叫びとか男のセクシーさなのだと。うん。ごめんね。聞いてる私は意味も言ってる事も分からない。


「歯磨きが男らしくなさすぎる。減点1」

「朝食の食べ方に覇気がない。減点1」


 普段勢いだけで物を言ってるマリアさんが今日に限ってまるで試験官か採点官かのように冷静にチェックしている。

 更にはおいなのそのPTAのオバチャンが掛けてるような三角の眼鏡は?

 

「チェック者の決まりよ!」

「何のチェックなんだよ?」

「授業参観のよ!」

「俺何の授業してんの?」

「まあまあいらっしゃいマリアちゃん。久しぶりね」

「あ。お母上様、おはようございます!」

「わーい。マリアお姉ちゃんだ。お兄ちゃんと遊んでるの?」

「あらイーナちゃん。今日は授業参観よ」

「じゅぎょう さんかんとは なんですか?」

 「授業参観ってのはね」


 何故かマリアさんは俺の家族から人気が高い。特にフリコさんはマリア姉様などと呼び、来るたびに童話を面白おかしく読んでくれるので楽しみなのだそうだ。最近はその童話を丸のまま覚える形で文字の覚えも良いらしい。フリコ君は賢くて可愛い。今回はあまり関係無いけど。


 「まあマリアお姉さま。今日は一緒に居てくださいますので?」

 領主さんの婚約者、ママーナさんも実はマリアさんなんかと仲が良い。比較的に一緒に居ると三姉妹っぽくて楽しげだ。しかしだね?こんなムチャクチャなのになんでみんなマリアさんと仲良しなの?私の感性がおかしいの?どうなの?


「あら。今日は私この後お仕事だから朝だけしか居られないのよ!皆さんゴキゲンヨウ!」

 ちゃっかり朝ごはんのパンを山ほど食べてからそう言ってマリアさんは物凄い勢いで駆け出し、仕事に向かっていった。


 まあ残念。またねマリアお姉ちゃん。今度伺いますわ。ぼくもいくね。と、家族が一斉に名残を惜しんでいる。

ここで領主さんが逆襲の一手を思い付いたようだ。

「メイド長、今日の執務は全てキャンセルだ。マリアの仕事場って何処だったかな?」

「はい~。領立図書館の司書でございます~」

「うむ。宜しい。では家族全員で視察を兼ねて会いに行こうじゃないか」

「おや。それは良いアイデアです~」

 メイド長はいそいそと全員のお出かけ準備にかかり、執事さんは使者を用意している。

 マリアさんが領主さんをを朝駆けで襲撃するなら、領主さんはお前に昼射ちを開始する。

 案外仲良しさんなんだなとは思わされたが、その後ふと図書館というキーワードが頭に入り込んだ。

 図書館の存在は知っていたが、マリアさんという賑やかな人が働いている。そこに驚きを隠せなかった。外の掃除でもしているのか?いや、メイド長さんは『司書』だと答えていた。アレが司書?そんなの世にも奇妙な物語の始まりじゃないか?

 これには思わず興味が沸いてしまう。

 そもそも私というダンジョンマスターに労働シフトなんてモノは無い。保育園公民館等の運営はカタログで出した者達に任されているのだ。

 てなわけで興味が沸いたら即実行だ!

 イービルアイを撤収させて偶然を装いながら図書館に向かう領主さんに鉢合わせる。

 そして領主さん共々図書館を見学し、マリアさんの働きぶりを観てみよう!

 そうと決まればいつまでもナイトドレスなんか着ている場合ではない。

 読んでいた本に栞を挟み、指を鳴らして服を着替える。今日はラフな感じと知的な感覚を持たせてと。

 選んだ服はワインレッドのロングスカートに白いブラウス。アウターにはスカートと同じ色の小さめなリバージャケット。黒い革製のショルダーポシェットにベレー帽。うん!完璧だ。

 これで領主さんに会いに行ってみよう。思わず胸が踊るわ。

 読んでくれてありがとうございます

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