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第4話 第52開拓地 1

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 図書館は集落の様子に興醒めしたようだが、それでも私と共に出向きたいと思ったようだ。魔法で服装を動きやすい感じに仕上げた。

 私もチノパンとベレー帽、そして厚めのジャケットで身を装いダンジョンを出た。朝日が眩しくて気持ちが良い。

「ダンジョンくん、これ。これを持って行こう」

図書館は何故か大きめなバスケットを持ってきていた。

「昼食だよ。ダンジョンを出た君はお腹が減る筈だ。それに人間(ヒューム)に混ざるならそれらしく振る舞うべきさ。向こうで美味しそうに食べるとしようよ」

「いつの間に弁当を用意したんだい?」

「ああ、分身(アバター)の魔法で分身を作り、そいつに図書館の外で用意して貰ったのさ」


 なるほどと得心しながら私達は道なき道を歩き始めた。

 超移動(テレポート)の魔法は行った事の無い場所では使えない。浮遊(レビテーション)の魔法で空中を行く手も有るが、どれだけ道が険しいのかはマップだけでは分からない。直接歩き、実地で検分する事にしたのである。

 意外なのはムチムチで頭でっかちな印象の図書館が魔法も使っている気配も無いのに歩みが力強い事だった。

 

 さて52開拓地。本当に寒村だ。立ち入る前に魔法で角を隠し、村民の服装を小綺麗にした服装に装いを変えておいた。

 集落の周りは柵すらなく、小汚ない服装の住民が畑仕事をし、小汚ない服装の子供が何人か走り回っている。

「おや。もしかしたら領主様のお使いの方ですかな?」

 何かの理由で右足が膝から失くなっている爺さんが私達に話しかけた。

「領主?いや?私達は旅人です」

 私の答えに図書館も合わせた。

「そうなのさ。旅の学者なんだ。その地にはその地なりの需要が有るものだよ。それを色々調べているのさ」

 右足を失くした爺さんは少し悩んだ後「リーダーを呼んで来ます」と、告げてリーダー……多分村長みたいな人物を呼んできた。

 その人はその地に住む最長老の爺さんだった。


「始まって3ヶ月のこの開拓地なれば必要な物は全てとなりますでしょうか」

 長老は簡単に答えた。なるほど周囲の農耕具も井戸の桶も家々も新しい。

「え?3ヶ月でこの偏った年齢層なのですか?」

 私は思わず聞き返した。

「はい。儂らはここに住んで3ヶ月ですじゃ」

 驚いたのは私だけではない。図書館も目を見開いていた。

「私達は遠くからこの村を見つけ、老人と子供しか居ないこれを『若者が捨てた寒村』だと予測したんだ。事情を聞いてもよろしいのかな?」


 寒村と思われても仕方ないと思ったようで、長老は答えた。

 曰く自分たちはこの領主の治める地の外に有る隣国同士が戦争をしているなかを逃げてきた難民であり、その難民にここの領主は土地をくれたのだそうだ。

「なるほど。皆さんの子や孫にして壮丁と呼ばれる年齢は(いくさ)に行っているわけかな?」

 図書館も合点が行ったように問いかけた。

「それだけなら良かったのですがね」


 長老やら手が開き始めた老人達も集まり、元居た国の事を話し始めた。

 それは悲惨そのものだった。

 勝てば相手国から金鉱山を丸々手に入れられるその戦争は、宗教まで絡み複雑化していた。

 勝つ為には農村から兵士を徴発し、それがやがて男女の別が無くなり、50歳だった徴兵解除年齢は引き上げられ、15歳だった徴兵開始年齢は歳を追うごとに繰り上げられた。

 とある老人は誰かが産んだ赤子を、11歳の男の子と9歳の女の子だけが最期の村人として面倒を見ながら暮らしてる村に帰還したそうだ。

 どうやって面倒をみていたのかも分からない。本人達もどのような家族構成なのかも、血の繋がりすら分からない。

 その老人はその子達を連れて、軍内でも有名な逃亡先であるこの地を目指して逃げてきたそうだ。

 その子達もこの開拓地に居て、下の子は歩き始めたという。領主はこの開拓地を作るのに自らやって来て畑を開墾し、自分の金で家々を用意したのだという。


「これがその時の乳飲み子ですじゃ。この子は名前すら無かったそうで、領主様がこの子に『ベレンガリア』という仰々しい名前をくださいました。歩き始めた事を我が事のように喜んでおられました」

「うん。何とも仁厚(じんこう)な領主様だね。しかしその分余計な敵も作りそうだね」

「はい。戦争中の二か国からは国民を返せという問い合わせが。領主様はとうとう三度目の使者の首を叩き斬り、送り返したそうです」

「うわ!外交の使者を斬るとはなかなかだね」

 長老ははてと首を傾げた。この反応は完全に外交の使者は斬らないのがルールの一つである事を知らない顔だ。

「フフ。なかなか面白そうなご領主さんですね。それよりもうなかなかの時間ですからお昼にしませんか?皆さんの分も有りますよ」

 図書館が用意したバスケットを開け、私から開拓地の人々に振る舞い始めた。これも予め決められていた話だ。

 この開拓地との繋がりはダンジョン運営の最重要拠点だ。ここで恩と媚を売るのは私の役目なのだそうだ。

 読んでくれてありがとうございます

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