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第37話 領主さんに紹介

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 私が推進した孤児院をメインにした53開拓地は、今のところ領主さんの預かり知らぬ開拓地という事になる。

 そこを領主さんに紹介し、孤児院を支える大人達を呼び込み、更にご意見ご要望を聞かなくてはならない。

 そこで私は領主さんに手紙を出し、打ち合わせをしたいと打診したところ、開いている日を提示されその日に会いましょうと丁寧なお返事をくださった。

 手紙を届けに来た執事さんを丁寧に案内し、執事さんはスパやアスレチックに大いに喜び、また自分でも何品かのフードを食べ、細かく感想を伝えて帰って行った。今後が楽しみだ。


 当日はまず私から領主さんの屋敷に出向く事にしてある。

 領主さんに出向かせる程偉くなった覚えなど無い。領主さんとはすぐにお会い出来た。この顔もダンジョンの名前も、門番さんにも要件を聞くメイド長さんにも知られている。

「はい~、伺っております~」

 相変わらずゆるい感じのメイド長さんに応接室に案内された。

 そこには領主さんことオットー・リブラさんの他に妹のイーナさん、更に婚約者のママーナ・モンダナエ子爵令嬢も居た。

「まあ今回はお可愛らしくも美しいご令嬢まで。宜しくお願いします」

この場合身分が低い者から挨拶するのは習わしだ。領主さんと二人の女の子に私から丁寧に挨拶をした。

「宜しくねダンジョンお姉さん」

「ダンジョンお姉さまを拒む門など有りませんわ」

 お二人も笑顔で私を迎え入れてくれる。その笑顔の中に新しい玩具を見ている感じが滲み出るのは気のせいでは無いだろう。

「やあダンジョンさん。確かこの前の戦闘で得た捕虜の中から健康な男女15人ずつ欲しいとの事だったね」

 領主さんは少し不安げな顔をしている。奴隷が欲しいのかと心配にもなるだろう。

「ええ。実は先日難民の子供達10人余りを引き取りまして、その子供達には親代わりと生産力を教える大人が必要だと思いまして。ついでに開拓地のモデルケースとなりうる場所にしたいと考えております。どうか」

「それは是非とも視察に行かなくてはならないな。案内頼めるかい?」

 『直接ご覧いただきたく』という声をかける前に領主さんがそう言い出してくれたのだ。

「それは是非!いつお越しになりますか?」

「もちろん今すぐさ」

 領主さん即決である。これは嬉しい。

「わーいお出かけだ!お兄ちゃん私も行く!」

「それは私も行かなくてはなりませんわね」

 妹のイーナさんと婚約者のママーナ・モンダナエ子爵令嬢もノリノリだ。

「では馬車の用意を」

「それには及びませんよ」

 私は指を鳴らして子供達を送り迎えする馬車を呼び出した。

「この馬車で快適な移動が出来ますよ」

 領主さんも見目麗しきお嬢さん達も、更にお付きの方々も何の躊躇も無く次々乗り込む。魔族という私をもう少し警戒するかとも思ったが、便利な道具を出せる何等かのヒトと思われているようだ。まあ嬉しい誤算かな。


 馬車は外観に比べて中が広くなるようにしてある。魔法で空間を広げた馬車ならママーナお嬢さんの馬だって中に入ってしまうさ。お付きの者が例えば10人居ても大丈夫だ。しかしお付きの者は例のメイド長さんただ一人だ。

「え?お付きの方それだけですか?」

「ああそうさ。なんだい?誘拐とか抹殺とかしたいかい?」

 領主さんの返答は鷹揚(おうよう)だ。

「そんなことしませんよ。それに領主さんの立ち回りが見事な事は知っています。私では返り討ちですよ」

「まあダンジョンさんから何の悪意も感じないさ。信頼してるよ」

 信頼の証を供回りを減らす事で証明してきた領主さんには抜群のプレゼンで応じなくてはならないな。


 そういえば便利な道具を出せる青いタヌキの物語が有った。図書館の奴がてなぐさみ程度で見ていた絵物語や動画が有ったな。あれ?私紺のリクルートスーツじゃないか!アレと同じと思われたら嫌だな。

 とっさに服を紺のリクルートスーツからモスグリーンを基調にしたパーカーにアクティブスカートに切り替えた。

 私が出す馬車はこの地域の文明レベルにおいてはオーバーテクノロジーな馬車だ。高速で移動出来るのは魔力を使ったモーターを搭載しているからだし、4つの車輪のそばにはエアサスペンションまで入っている。ついでに馬はそれらしく見える馬型ゴーレムだ。脚の速さは伊達ではない。

「素晴らしく乗り心地が良い馬車だね?吊り下げ式なのかな?」

「オットー様、この馬車どの駿馬より速いですわ!」

「お兄ちゃん!景色が後ろに飛んでいくよ!」

 領主さんに着いてきたお嬢さん達も領主さんと共におおはしゃぎだ。

「これと同じとは行きませんが揺れを抑える仕組みを木材で作れます。良かったら職人さんに作り方を提供しますよ」

「それはありがたい。王都に送る作物の痛みが減れば嬉しいな」

 この領主さんはつくづくお人好しだ。自分が快適な馬車に乗りたいから欲しがるのではない。交易を有利に進める為に欲しがるのだ。それは直接自分の利益にはならないだろうに。

「さあ、着きましたよ。建物はまだ建設の途上ですが雰囲気は掴める筈です」

通常の馬車なら一刻|《約2時間》かかる道のりを、この馬車なら四半刻(約30分)で到着出来るのだ。


 

 読んでくれてありがとうございます

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 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


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