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第34話 53開拓地を作ろう!

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 偽の奴隷として連れて来られ、私の庇護下となった約15人の子供達は、現在疫病を確認するためにダンジョン内の野戦病院で検査をしたり、治療したり。大したことが無い子供達も住む所が無いのは困るので、野戦病院の近くに用意した『長屋』という建物に仮住まいさせている。

 ダンジョン内なのでダンジョンポイントは貯まるが、このポイントは私にとっては不本意だ。

 なんと言っても領主さんの住民を奪う行為になる。それにこのダンジョンという緩い暮らしで自堕落になった人間(ヒューム)など見たくはない。人間(それ)は私のペットでも奴隷でもないのだから。

 

 しかしながら。誠に不本意で遺憾ながらこの一時居留地である長屋は増える傾向にある。理由は先日ソンナ王国軍を盗賊と言わせて刈ってきた投降兵……いや。盗賊達の残党を一時預かり疾病と疫病の検査をすることになるからだ。


 まあ仕方がない。疫病に蔓延されては楽しいテーマパークなどに来れなくなるのだから。

 約千人の投降者の受け皿にもなりうる開拓地を用意しなくてはなるまい。

 ダンジョンと52開拓地の合間で平坦な地を選ぶ。候補地はすぐに見付かった。ここにまずはつるべ井戸になりそうな穴を土魔法掘削(ディグ)で掘り、ダンジョンカタログで予め用意した家の材料になりそうな板や角材、柱を収納魔法(アイテムボックス)から取り出す。

「さあ、始めてくれ」

 私が一声かけるとやはりカタログから見付けてきた大工達が家屋作りにとりかかる。明日以降は私が雇い入れた街の大工さんも加わり、ちょっと進んだ(ほぞ)や漆喰を使った家屋作りを手伝いながら教えて行こうという寸法だ。

 そして肝心要の生産スペース『畑』については本当なら図書館にして貰いたかった。ヤツの方が農業に詳しいし、裕福な農地を作ってくれるに違いない。おまけに農地を起こす為の土魔法はアイツの方が得意なのだ。

 しかしこんな日に限って図書館が居ない。

「全く図書館め。今日来てくれたら良いのに」

 思わず口に出したところ、早速図書館が瞬間移動(テレポート)の魔法で飛んできた。

「やあ、お呼ばれに(あずか)るとは光栄だね」

「え?図書館、なんだ来たのか。でも助かるよ。農地を用意したいんだ」

「ほう、それは楽しいね」

 ここから先は最早図書館の独壇場だ。

既に作付したい作物も決めてあるようで、畑作地にした後から『蕎麦予定地』『大豆予定地』『ハツカダイコン予定地』とかの看板を立てている。

「種を撒くのは住民の仕事だよね」

 さしずめこれは図書館の実験農場を具現化した物だ。その他カボチャやジャガイモもやりたいようだ。

「どのくらいの住民が来そうかな?ともあれ畑は大きめに作ったよ。使いきれないなら放棄しても良いからね」

「ああ、ありがとう」

 何となくやってることを覗き見された感が残るが、それでも図書館なら多少間抜けを私がやらかしても笑って終わりだ。悪い気はしていない。


 後は家だけという所まで来て

家政精霊(シルキー)が野外ティーセットを用意し、お茶を淹れてくれた。

「どうぞですの図書館様」

 家政精霊(シルキー)は図書館に丁寧にお茶を出すが割と私にはぞんざいだ。

 誰がお前の創造主なのか分からないのかな?グヌヌ。

「やあありがとう家政精霊(シルキー)くん」

 お茶で一息入れた図書館が色々話し出す。

「ねえダンジョンくん、この地域は河川が少ないとは思わないかな?」

「ああ思う。川は国境の小川ともう1本しかないな。地面の乾燥ぶりも気になるな」

「そうだね。ただこの地域は雨量が少ない訳では無いのが特徴なんだ」

「ほう。それは意外だな」

「この地域は何故か砂地が多いんだ。雨水は川を成す前に吸収されて地下水へと変わり果てる。だから井戸を掘る時も開口部を広くして生き埋めを防止する。ダンジョンくんの家の周りにある森は、多分山岳の下ろし風が砂を散らしたから出来たのだろうね」

「なんだ?砂を全部取り払えば豊かになるのか?」

「それでは地面が低くなりすぎて徐々に湖になるよ。フフ」

 ではどうしたら良いのだろう。私はお茶を一息入れながら図書館の次の言葉を待った。

「砂地に合う作物を作れば良いさ。やるべき事は土壌改良だね。そして是非やりたいのが溜め池造りだね」

 おお。溜め池か!あれ?と私は思わされた。

「水を吸収しやすい所に溜め池を作るのか?」

「だから工夫が必要なんだ。まあ、材料はよろしく頼むね」

「ああ」

「土壌改良には都市の物を使おう。この開拓地は実にありがたいね。フィールドワークの集大成になるよ」

「そうか?」

 なるほどな結論から言えば、図書館は図書館で自分の研究成果を実証する地域が欲しかったのだろう。まあそれが皆を豊かにして娯楽に向かわせる事が出来るのなら安い物だとは思うが。失敗なんてしてくれるなよな図書館!とも思わされた。

 読んでくれてありがとうございます

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