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第32話 イーナ・リブラ伯爵妹君とママーナ・モンダナエ子爵令嬢

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 イーナさんはこの国では珍しい女の子でありながらのショートカットだ。割と活発な女の子であると共に、その分貴族の子女というには似つかわしくない性格をしている。現在10歳という話だ。

 領主さんの婚約者であるママーナ・モンダナエ子爵令嬢は12歳でありながらかなりの美人さんだ。馬術と弓術に長けており、この国唯一の弓騎兵である。

  

 個人的な意見を正直に言えば、ランスチャージしか能の無い騎士なんかよりも、私個人は弓騎兵は好きだ。

 騎士を寄せ付けない遠距離攻撃や、走る馬から真後ろに弓を放つ『パルティアンショット』なんかは魅力満載ではないか。ママーナさんはどこまで才覚が有るのだろう。期待すらしてしまう。

 てなわけでイービルアイでこの二人を追いかけてみた。


 ママーナさんの朝は早い。朝食も摂らないで自宅から馬を駆り、婚約者の住む街まで2時間飛ばすためだ。どうも領主さんの父親が領主を務めていた頃から子爵家と仲が良いようで、両親の友誼の証明という側面が強い婚約なようだ。

 当のママーナさんは毎日来ては婚約者に寄り添うわけでもなく、イーナさんと遊んでいるようだ。

 さてその遊びなのだが、その日見かけたのは『おままごと』なようだ。そのおままごとにはちょくちょく暇の少ない領主さんを加えて大変賑やかだ。


「今日は私とオットー様が夫妻になっている設定でお願いしますわ」

 ママーナさんがにこやかにおままごとの設定を説明する。

「でお兄ちゃん、あたしは寄宿舎学校から帰ってきた設定だよ」

「へー。そうなんだ。でも君たちのままごとって『自由気ままごと』だよね」

 自由気ままごと?何の話をしているのだろう。


 程なくしてそれは始まった。

「お兄ちゃんただいま~。夏休みで寄宿舎学校から帰省したんだよ……って何よその女!」

「あらあなたが妹さん?私このほどオットー様と結婚しましたママーナと申しますのよ」

「ひ……酷いわお兄ちゃん、あたしと結婚するって言ったはずなのに」

「え?いつ?あ!イーナが3歳の時か」

「約束したのにー!キー!何よこのどろぼう猫!」

「な!なんですって!?このブラコン小娘」

 ここで二人がキーキー言いながらキャットファイトを始める。割とおままごとではあり得ない酷い家庭環境だ。昼下がりの連ドラみたいだ。

 かといって本気のケンカはしていない。お互いうっすら笑っている。しかし女の子がこのような遊びをして良いとは思えなかったのだろう。領主さんが声をかけた。

「お前達、このどろどろな家庭環境どこで見てきたんだ?」

「んー?昼ドラ?」

「何を視ているんだ何を」

「うん。だから昼ドラ?」

 ここに来てママーナさんもイーナさんの味方に回った。

「オットー様、昼ドラは淑女の嗜みですわ」

「嘘をつかなくても良いのですがね」


領主さんは一息入れて継ぎ足した。

「何でお前がブラコン拗らせてる設定なんだ。酷いわ」

「えー。お兄ちゃん、妹に愛されるなんて嬉しくないの?」

「そんな風に愛されたら逆に心配だぞ」

 そうかなぁ?そんなものかなぁ?

 などとイーナさんは呟きながら首をかしげているが、どうやら人間(ヒューム)はその性質上、身内との交尾は好まないのだそうだ。ちなみに蟻はというと雄と雌には遺伝的繋がりが無い為、交尾しちゃうそうだ。そういえば魔族はどうなのだろう?生憎聞いた事が無い。

 

 とりあえずこの二人、やることなすことが偏っていて考察のしようは保留としか言えなさそうだ。

 案外仲良く出来そうな気がするのは、この二人、寧ろどっぷりハマって付き合った方が楽しいだろうと想像出来るからだ。先日の雛人形の肖像なんかも別段こちらに害は無い。この二人の楽しいは年齢とのギャップは有るが悪くは無さそうだと、思っていた。

「そうですわ!先日お見えになったダンジョンお姉さまにもおままごとに参加して貰いましょう?不倫相手として」

「私たちが嫉妬の炎に燃えるんだね?それとも2人小姑なんかも面白そう!」

「お前達、ダンジョンさんに無茶させるなよ」

「幅が広がりますわね。是非お呼びしたいですわ」

「お兄ちゃんを巡る女たちのバトルは更に凄惨を極めるのであった~」

「泥沼素敵ですわね」


 この二人、私にまでこれに加われと言うのか。前言撤回、ちょっと近付かないでおこう。敢えて二人の善良な点を言えば、領主さんが暇な時にだけこんな遊びをしているようだと言う点だけだろう。

 この二人が何故こんなに気が合うのかは私には分からない。ただ、領主さんの事が好きでたまらない事だけは伝わった。

「ダンジョンお姉さま、見ているならお早く来てくださいまし」

「きっと飛んで来るよ。私達のおままごとは楽しいもの」

 急にこちらに話題が振られ、挙げ句イービルアイ越しに目が合った。この二人を見るのも辞めた方が良いのだろう。

 読んでくれてありがとうございます

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 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


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