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第28話 領主軍に合流

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 領主さんの衛兵も後から後から駆けつけ、既に終わった戦場の武装解除と連行を勧めているなかを、私の繰り出した救援も到着した。

 領主さんは現場にてどっかり床几(しょうぎ)に座り動乱を防止する為に睨みを効かせていた。

「領主さん、遅まきながら援軍に駆けつけましたよ」

「ああ君は……あー。確かダンジョン!そうだダンジョンさんか。久しぶりだね。応援ありがとう。衛兵よりも頼もしいな」

 この人今慌てて思い出してた!

 いや良いわ、久しぶりですもの。だからそんな些細な事より、気を取り直して賛辞を送る事にした。

「お見事な完勝でしたね。剣の腕前は人並み程度と聞いてましたのに」

「いやぁ、良く知ってるね」

 領主さんは笑いながら答えた。

「剣はね、下手だよ。でも長柄の大斧(ハルバート)は苦手じゃないんだ。当たれば相手は倒れるからね。素人は鈍器が一番よな」

「素人って……」

 貴族にあるまじき答えに私は二の句も告げられなかった。

「でもそれで去年も反対側から来たトアル王国の軍勢を片付けたんだ。どうだね私の手並みは。去年はママーナが来なかったからちょっと駆け回ったよ」

「ああ、確か婚約者さんでしたか?まさか胡服騎射(こふくきしゃ)をなさるとは驚きました」

「胡服?ああズボンの事かな?あ!ママーナ初陣になってしまったな」

 案外気が散り易い領主さんだ。そのママーナさんは初陣を一擶で仕留めたと大喜びし、いつものポニーではなく戦闘馬に乗れたと大はしゃぎしてそこいらを駆け回っている。

「領主さん、捕まえた捕虜はどうなさるのです?」

 私にとって最大の懸念はそこだ。国際問題を恐れた敵の将軍は自らを盗賊と(うそぶ)いた。盗賊という生業(お仕事)は国法上、斬首されてもおかしくない。約1000人にも渡る斬首は余りにも余りだ。

「盗賊の事かな」

 領主さんの問いかけへの問いは厳しい。しかし帰って来た答えはそこまででもなかった。

「ふーん。いきなり1000人なんて養い切れないからな。雇用先を王都や近隣領主にも打診しようかね」

 

 正直ほっとした。この地を将来千人塚とか首狩台地とかそんな名前にするような惨事にはならなかったからだ。

「では捕らえた兵士さんは新たに国家の民として迎えるのですね。何よりです」

「そりゃね。前回もそうなんだけど捕らえた兵士は割と従順でね。戦争やらされてる感が半端無いんだ」

「送り出す前に健康面の確認をお任せください。医師を用意してありますから」

「おお、助かるよ。たまに流民にも疫病持ちが居るから困っていたんだ」


 そう感謝しながら微笑む領主さん。こんな世界なのに割と人道的な方だ。

 そしてここから領主さんが私に攻勢をかけてきた。

「さてダンジョンさん。君は僕が一騎打ちを歩兵で勝った時には居なかったよね?」

「あっ!」

 領主さんがニターっと笑いながら答え合わせに取りかかった。

「なるほどやっぱりダンジョンさんか。行く先々で変な視線を感じてた原因は」

 バレてた。私は思わず冷や汗と心臓のドキドキを抑えられずにいた。

「何か罰しますか?」

「いいや」

 領主さんはあっさり答えた。

「会った事も無いのに頭を下げなくてはならない人がいる。警戒するのなんか当たり前の事だ」

「恐れ入りましてございます」

「で?あれどうやって視線を送っていたんだい?」

 私は観念して全て白状した。イービルアイという隠蔽スキルの高い魔物のこと。更にそれに透明化(インビジビリティ)の魔法をかけて見えなくしたこと。あちこち出先に共に向かって様子を見ていた事。

「警戒し過ぎだよダンジョンさん」

 領主さんは怒りもせずにケラケラ笑っていた。

「で?今後も警戒したいかい?」

 領主さんの問いかけに問いかけで答えた。

「領主さんは私を警戒とか攻撃とかしませんか?」

「え?なんでそうなるんだね?」

 領主さんがびっくりしたような顔をしてこちらに顔を向けた。

「種族とか職業が珍しいだけで君は僕の領民だよ?しかも変な経営コンサルタントみたいで面白いじゃないか」

「お……面白い!?」

「だから様子が見たければ気兼ねなく遊びに来て欲しいんだ。歓迎するよ」

「それはありがたく思いますが面白がられてる」

「面白いさ。さてコンサルタントさん、今ここに武器に使われた鉄と鎧に使われた革が沢山有るんだ。何とか役に立てられないかなぁ」

「それは鍛治師と革細工師にはフル稼動してもらいましょう。新しい雇用が生まれるなら大歓迎です」

「そうだね」

「では早速革の再利用について調べて参りますね」

 これ以上領主さんと話していたら何かボロが出そうなので去ろうとしたのだが、つい好奇心が勝ってしまい、去り際に聞いてしまった。

「あの領主さん、目玉焼きトーストブルーベリージャム添え、美味しかったですか?」

「え!そこも見てたの?いやだ恥ずかしい!」

 え?そんな所を恥ずかしがるんだ。

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