第27話 領主軍出動
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その日領主さんのお屋敷は朝から大騒ぎだった。
「若旦那様、ソンナ王国軍約1000、国境川を越えて進攻中、恐らく上流を目指すかと」
「下流のマルソン侯爵領は通らなかったようですねぇ~」
「通らないよね。あの人恐いから」
「領都に向かう可能性は?」
「無いと思いますよ。それこそ国際問題になりますから」
屋敷の主だった者達がわいわい騒ぐ中、領主さんはケロリと良い放った。
「越境の段階で充分国際問題だろうともさ。とりあえず一狩り行こうか。メイド長は衛兵に連絡を。集まる程度で良いぞ。セバスチャン、ゴンザと共についてこい」
セバスチャンというのはこの領主さんのお家の筆頭執事、ゴンザさんというのは門番だ。挙げ句の果てにこの領内に常備兵はこれだけで、衛兵というのは言うなればアルバイトで働けなくなったお年寄りや農家や職人が片手間に行っている街や開拓地の門番兼パトロール員だ。戦力になる訳が無い。
しかも衛兵というのは全て歩兵だ。現場への急行には全く向いていないのだ。
「オットー様、父上に援軍を頼まれては」
「間に合わないよ。合わせる気も合わせて貰う気も無いけどね」
「ならばモンダナエ家よりこの私が援軍致しますわ」
「ママーナ、今回は人を撃つんだけど平気か?」
「それこそ武門の誉れ極まりますわ」
「ではついてきて。君のダイハーン号では間に合わないよ。もう一頭の戦馬に乗って」
「はい。そうさせていただきますわオットー様」
ママーナ・モンダナエさんというのは領主さんの婚約者だ。そのモンダナエ家は武門の誉れも高い家柄なのだそうだが、これは無いだろう?モンダナエ子爵令嬢は12歳の女の子なんだぞ?連れて行くとか本気か?
本気らしい。元々この女の子、馬術に優れた女の子で毎日この街に遊びに来るのだが、その時馬でやって来る。いつもズボン姿であるが、それと弓術もかなりの腕前だとか。しかし12歳だぞ!12歳!
領主さんも一応剣を佩いてはいるが、その右手に握りしめた物は長柄の大斧だ。馬鹿か?剣も人並み程度の人が何故そんな大物を振り回すなんておかしい。
「多分『南の鋏』台地の辺りでやり合うだろうさ。衛兵には三々五々集まれと伝えろ」
そうメイド長さんに言い残し、領主さんは馬上の人と消えた。
おいアホか?ヒト、モノ、カネ。全て足らない状況ではないか?
この辺りで過去の記憶から今の状況へと移り始めた。
南の鋏台地ならそこから近い所なら22開拓地だ。そこには行った事なら有るが、そこからどんなに駆けつけても3時間はかかる。絶対に間に合わない。
どうしたものだ。割とそこまで慌てて戦う必要なんか無い筈だ。ほって置いたら節敵まで1日半は有る。何故焦って戦うのだ?領主さん、慌て過ぎです!
司令を受けて徒歩で南の鋏台地に向かう衛兵とは合流しては引き離しを繰り返している。要するに隊伍はまるで定まっていないばかりか、本人が騎馬でペースを乱している。ましてや追いかける衛兵に『無理せず追ってくれ』と、ご丁寧に声をかけている。
衛兵にはお年寄りも多い。無理せずとかより無理が出来ないというのが本音だ。声をかけるのは仕方ないかも知れないが、着いた頃には正面戦力なんか50も居ないに違いない。いくら何でもダメだろうさ。やるしかない。私が一軍を率いて参じるしかない。
とりあえず今居る現有戦力の他、何人か戦闘向けな者を召喚して22開拓地に瞬間移動する。それでもそこから戦場までは約3時間かかる。リブラ伯爵領は本当に無駄に広い。うーん、クソッタレ!
駆け付ける間もイービルアイの目を受ける水晶は手放せない。実は間も無く節敵してしまうからだ。間に合わない。どうやっても間に合わない。
しかしイービルアイが捉える領主さんは余裕綽々だ。1000人の国外から来た兵士を前にたった20人余り、挙げ句領主さんは敵の前で馬を降り、長柄の大斧を振りかぶって口上を吐いた。
「貴様らどこぞの軍だ?ここがリブラ伯爵領内と知っての狼藉か?」
「我らはソンナ王国の者、道を借りるついでに食糧調達に来た」
「そうか。ならばこれは国際問題になるな。成敗して報告しよう。これが盗賊なら報告しなくて済む物を」
「はあ?なら盗賊扱いで良いわ!皆殺しだ!」
「よし!よくぞ申した!」
領主さんは駆け足で敵の先鋒に突撃していく。馬を降りた理由は領主さんが乗っている馬が完全に単なる農馬だからだ。戦闘馬と農馬は性能が全然違う。突撃する度胸が農馬に無いから馬を降りたのだ。
ちなみに婚約者のママーナさんが乗っているのは戦闘馬だ。逆だろ普通?
領主さんが一騎打ちに飛び出した騎兵の将校に突撃する。相手はランスを構え早駆けで領主さんに迫る。領主さんはそのランスチャージを外側から軽くいなし、長柄の大斧一閃、相手の頭にぶち当てた。当たったのは斧の腹ではあるが、その衝突の物理エネルギーは相手のヘルムも頭蓋骨も一撃だ。
ちなみにそれを呆然と眺めていた敵の総大将は馬で回り込んだママーナさんが矢1擶で討ち果たしてしまった。この女の子、飾りでも何でもなかったのだ!
この段階で領主さんが敵に叫んだ。
「この期に及んで未だ弓引く者有るならば、このオットー・リブラが相手をしてやる」
領主さん思いの外声がでかい。そこ咆哮に似た叫びの前に並みいる雑兵は降伏をした。どうもやる気も元気も無いようだ。
これを虜囚にするのか手打にするのかは知らないが、捕縛要員が必要だろう。とにかく領主さんのもとに急いだ。
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