表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/120

第26話 流れてくる行商人達

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 ダンジョンにはしばしば行商人がやって来る。多くは52開拓地に余り物の食品や雑貨を二束三文だの無償提供などをした後、金銭だけを持った彼らがダンジョンで品物を補充しに来る。

 52開拓地には金など無い。物々交換出来る品物もどうせ無い。しかし領内の行商人はそこに格安で品物を落とし、或いは提供してしまう。これはこの領地リブラ伯爵領そのものが抱えた親切心なのだそうだ。

 リブラ伯爵領と境を接している二国は事ある毎に戦争をしては難民がやって来る。元を辿ればどうもリブラ伯爵家もまた難民の一人だったようだ。昔の難民が今の難民を助ける気風が出来上がっているようなのだ。


 さて、そんな行商人の中に今私が対峙しているのはちょっと毛並みが違う。

 本人は武器商人という事なのだが、15人もの子供を連れて、それを持って来ているのだ。

「なんだね?貴方は奴隷商人なのかい?そしてそれを買えとでも?」

 ついその商人にキッと睨み付けた。奴隷制度は仕方ないにしても、それを私が所持を勧められるのは納得いかない。

「いえ、私はあくまでも武器商人です。この子供たちは身請けしただけなのです」

「身請けだぁ?」

 ここで子供たちに付けていた奴隷身分に付けている首輪の魔道具を何の手続きも無く外して私にそれを見せた。

「これらは奴隷の証の偽物です」

 奴隷の首輪はいわゆる魔道具で、その解除には魔方陣の呼び出しをしなくてはならない事は知っている。

「するとこの子供たちの身分は平民という事か。随分まだるっこしい真似をしたものだな」

「奴隷という事にしておけば検問をすんなり通れますので」


 なるほどなと私も思わされた。後はこの子供たちをどこで手に入れたのかを聞かなくてはなるまい。だが、聞くまでもなく家政精霊(シルキー)の煎れたお茶を一口啜ると商人から話し始めた。

「この子供たちは納品先から帰る途中で口減らしの為に渡される子供です。納品先の帰りに村々から託されるのです『どうかこの子供たちだけでも』と。その手を振り払う事が出来ませんでした。あの戦争馬鹿の国は民をとことん省みないのです」

「ふん。知っている。で、その子供たちを私にどうしろと?買えとか言う話ならお断りだがな」

「いえ。この子供たちにはある程度以上の力が有る方の庇護が必要だと思いました。本来ならご領主様のもとに送るのですが、もう領主様の孤児院も手一杯でした。そんな中皆さんの意見はこちらでお世話になるのはどうかと。どうかこの子供たちを無料引き取り。何とぞよろしくお願いいたしたいのです」

 なるほど。この偽の奴隷商人は人情だけは人一倍なようだ。ならばその人情には答えてやろう。

「出来ないな。無料引き取りなど出来ないぞ」

「一人につきいくらお支払いしますか?」

「はぁ?逆だな。お前様子供を連れるのに食事を提供しなくてはならなかったろうよ。それを私が一人につき金貨3枚出して支援しよう。そして子供たちはここでなく、ここに来る途中の平原を切り開いて孤児院と開拓地を用意して面倒を見よう。悪い話ではない筈だ」


 偽奴隷商人こと武器商人は深々と頭を下げてお金を受け取り帰って行った。本来このダンジョンに人を住まわせる事は歓迎していないが、当面は疫病や疾病の検査という名目で野戦病院の傍らに『長屋』という建築物をダンジョンポイントで呼び出し、そこに置く事にした。

 とりあえず早速新しい私の開拓地『53開拓地』を用意しなくてはならないだろう。それらは恐らく事前に報告せねばならないだろう。あの領主さんに。

 その領主さんに報告をしようとイービルアイを探したところ、領主さんはどうもその日、とんでもない事件に巻き込まれていたようなのだ。

 

 私は思わず領主さんの所に駆けつけなくてはと思った。だってどうした事か、領主さんは1000人位の兵隊を相手に、たった百人の衛兵を引き連れて対峙しているのだから。

 何がどうなっているのか全く分からない。イービルアイの記憶を巻き戻し、その日の領主さんを追いかけるしか出来なかった。

 読んでくれてありがとうございます

 もし良かったらブックマーク、評価、いいね、感想、レビューなど頂けましたら嬉しいです

 

 只今連載中

 犢端高校勇者部活動記録   https://ncode.syosetu.com/n0115ie/


 爆笑!元朝秘史

https://ncode.syosetu.com/n3161if/


完結作品

 素人集団!!国家連邦政府宇宙軍第6艦隊奮闘記

https://ncode.syosetu.com/n7603hp/


 ココチュのフェイクニュース

https://ncode.syosetu.com/n7689id/


各種短編

 伯爵閣下がホラ話で領地を盛り上げてみるようですので発表します

https://ncode.syosetu.com/n0773gs/

 

 精霊だらけインタビュー

https://ncode.syosetu.com/n9175hv


 SS 家元になろうよ

https://ncode.syosetu.com/n4840hw/


 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


Twitterやってます。@kokochu539です。

大したことはしていませんが、フォロバは確実です。お気軽にどうぞ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ