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第25話 人に見せられない階層

 ダンジョンマスターとして生を受けて早くも二月(ふたつき)。ダンジョンには割と沢山のゲストや行商人が訪れ、徐々に賑わいを見せている。

 あちこちに置いた屋台の売れ行きも好調だ。早生り作物を作付して領主さんに即販売しては遊びに行く小銭を作ってくれているようだ。

 屋台等には人間(ヒューム)っぽい見た目の戦士とか魔法使いとかを、販売者に向いたように性格を調整して利用していたが、場内の清掃スタッフに同じ者を召喚する気になれなかった。何せただ出しても100ダンジョンポイント。性格を弄って下手したら300ポイントもかかるのだ。

「スケルトンで良いよな」

 私は独り言を言いながらスケルトンを一体召喚した。これに行商人から買った(ほうき)と塵取りを装備して清掃スタッフの出来上がりだ。

「よしこれで完璧……な訳無いだろうが!」

 思わず独りでボケて独りで突っ込んでしまった。


 完璧である訳がない。スケルトンだぞ?ホネホネなんだぞ?これが(うごめ)いているだけで人間(ヒューム)には恐ろしくて仕方ない筈だ。挙げ句の果てには私が呼び込みたくもない冒険者とか軍隊とかがドカドカ現れるに違いない。モンスターハウスの出来上がりだバカタレ!文字通り軍靴(ぐんか)で踏みつけにされるわ!


 ちょっと落ち着いて気を取り直して、そして冷静になって。

 そのスケルトンに頼んでみた。

「おいお前、試しに笑顔作ってみ?」

 スケルトンは顎を上げて『イ』の歯形だけをした。

 笑顔なのかどうかも分からない。私は意外な事を知った。『表情』ってなんて薄っぺらたい所で造られているのだろう。なるほど表の状なのだな。

「んなことどうでも良いわ。それより激安清掃スタッフを造る手をだな」

 私が困り果てながらダンジョンカタログをペラペラ捲っていると、誰とでもセットで出せる『着ぐるみ』という物を見付けて小躍りした。

 ちなみに着ぐるみ単体は50ダンジョンポイント。ちょっとお高い気がするが、ダブり無しとかいうのも大変有難い。早速1つ出してスケルトンに着せてみた。

 スケルトンというダンジョンの魔物は本当に便利だ。ダンジョンポイント1で出せて、従順で、糞ゴブリンなどと違いこっちに卑猥な眼を向けて来ない。まあ目なんか無いのだがな。

 そして今発覚したのだが、着ぐるみの中に熱を溜め込まない。まあ一応アンデッドな訳で、暑さ寒さにはへこたれにくいようだ。

 ちなみにスケルトンの特徴であるホネホネは完全に見えない。ここは本気で有難い。


 ならば解決だ。スケルトンに着ぐるみをセットで10体程召喚し、清掃スタッフに宛てる。

「なんかアレだな。テーマパークを作るゲームみたいな感覚だな。園内にゴミが散らかってます。清掃スタッフを雇いましょうとかテロップ出てきて慌てて雇うみたいな」

 この着ぐるみ達に箒と塵取りを装備させたら、今度こそ清掃スタッフの完成だ。

 本源的にはここはダンジョンだ。

 散らかったゴミは瞬時にダンジョンに吸収されるのだが、それはテーマパークとしては異常事態なので、人目につく場所ではその吸収機能を切っている。


 来客数が上がるに連れ、屋台等の売上が増加した。ここに私は1つ階層を追加する事にした。提供する食糧を大まかに加工し、屋台では軽く火をかける程度にしておく。最後の工程だけは臨場感の演出にとっておく訳だ。

 その大まかに加工する施設こそが今回の階層だ。

 相変わらずただの平原を階層追加して、それに衛生面に配慮した食品工場を用意し、そこで生産活動をする訳である。その名も『メインキッチン』

 残念な事に従業員は配備されてはいないから追加で用意する。配送スタッフは人間でなくては不味いが、キッチンで働く従業員には相変わらずスケルトンが当たる。安くて便利だ。しかしまさかスケルトンが小麦粉をこねたり卵を撹拌してるとは誰も思わないだろう。やはり見せられない。まるで見せられない。

 ついでに指の骨とか取れて食品に混ざらないだろうか?やけにカルシウム豊富ですねとか言われないかとかも心配だ。


「ふ。ダンジョンにとんでもない秘密がまた一つ」

 気取ってもすかしても何一つ得は無いが、人間(ヒューム)がスケルトンが下拵えした色々な物を食べて楽しんでいると知ればどんな反応をするだろう。

「うん。見せられないな。見せられないな」

 やはり独り言を呟きながらメインキッチンでせっせと働く忠実なるスケルトンを眺めていた。


「やあダンジョンくん。色々頑張っているみたいじゃないか。それにしてもフフフ、キミ自身がスケルトン製造工場だね」

 そこに図書館が声をかけてきた。

「やあ図書館か。来ていたのか」

「スケルトンに笑顔作らせてみたのはキミが初めてじゃないかな?」

「え?かなり前から居たのか?何処から見てた?」

「スケルトン一体を呼び出す辺りからだね」

「初めから見てたのかよ恥ずかしいな」

「気にするなよダンジョンくん。それよりこの清掃スタッフ、かなり数が必要だと思うよ」

「分からないな。何故そう思うんだ?」

「ダンジョンくん気付かないのかい?着ぐるみ、割と可愛いよ。むしろ人気になりすぎて清掃どころでは無いかもよ」

 実際着ぐるみは割と可愛い。どうも某国で有名になったゆるキャラだのなんだのが使われてるようだが、バリエーションの豊富さには恐れ入る。

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