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第22話 イービルアイが見てきた領主さんの朝

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 イービルアイは領内に10体放っている。この魔物は1つ目でふわふわ浮きながら浮揚する。私に代わりあちこちを見る為に利用しているが、領主さんの身内はどうも気配の隠蔽に長けたイービルアイに目を向けて来た。領主さんの身内は他とは一味違うようで、図書館の奴が透明化(インビジビリティ)の魔法で姿まで消した物を領主さん近辺の様子見に送り込んでいる。

 今も様子見は続いている。領主さんには色々と不思議な噂が後を絶たない。やれ敵国の将軍を一撃で葬っただの、やれ盗賊を瞬殺しただの。会った感じそうまで武勇自慢な方とは見えなかった。それに本人も『剣の腕は人並みだ』と、公言している。確かに鍛練や素振りの様子を見ても、私が元から持っている剣術の出来より酷い。

 ご挨拶は好感触だったが、更なる調査が必要だ。


 領主さんの朝は早い。

 そんなドキュメントが有るような気もするが、その日の領主さんは本気で朝が早い。

 乳兄妹のマリアさんという女の子が、夜中の3時に領主さんを叩き起こしたのだ。早いと言うより夜中である。

 マリアさんはちょっと身体が大きめで、決して美しくも可愛くもない。そんな女の子だ。ちなみにどうも乳兄妹ではなく乳姉弟らしい。マリアさんの方が数週間先に産まれている。

「起きなさいよオットー!」

 マリアさんが領主さんの布団ごとはぎ取る。領主さんはベッドから転がり落ちて顔面から床に落ちてしまっている。酷い。なんて事してるのかしら?

「痛いじゃないかマリア!お前様や、夜討ち朝駆けだけは止めてくれないかな?何か用でも有るのかい?」

 この無礼にも領主さんは割とにこやかだ。どうも慣れっこらしい。いや、この無礼に慣れないで欲しい。

「朝ごはんよ!」

「マリア朝ごはん無心に来たのか?まだ何もないだろうけど誰か何か作って……」

―バシーン!―

 マリアさんの脇を通って誰かを呼びに行こうとした領主さんに、マリアさんが裏拳を一発お見舞いした。きれいに鼻先を殴打し、領主さんは鼻血を出している。酷い!本気で何故手打ちにしないのだろう?

「お前なにすんだよ?」

 鼻血に栓をしながら困った感じで領主さんは聞いている。この無茶苦茶な女の子に領主さんは弱みでも握られてるのかしら?

「私が朝ごはん作るから食べなさいよ!」

 朝ごはんを作る?こんな時間に?夜食にしては遅すぎて朝食にしては早すぎるわ。

「マリア料理なんか出来るの?で?何を作るんだい?」

 領主さんも鷹揚(おうよう)だ。この時間から食べる気出している。食べるよりもお手打ちしてよ。

「目玉焼きトーストよ!」

「ああ。なら失敗しなそうだね」

 領主さんは鼻血の栓を引き抜き、着替えを始める。もう起きる気なのだ。女の子の前で着替えるなんてどんな仲なのだろう。

 マリアさんは部屋の外に置いてあった料理用の道具を乗せたワゴンを中に入れ、料理を始めた。 

「オットーに目玉焼きトースト作るわよ!女子の手料理感謝しなさいよ!」

 とかワーワー言いながらぎこちない手つきで料理をしている。トーストに焼き色を付けて、その間に目玉焼きを作る。あまり料理をしていないことはすぐに理解できる手つきだ。

 それでも超簡単レシピというか。料理とも言えないメニューなのだから完成はする。マリアさんがほらよと渡した目玉焼きトーストは普通に美味しそうな目玉焼きトースト……ではなかった。

 何故か白身が紫色に塗ってある。

「おいマリア、何故目玉焼きトーストにブルーベリージャム塗ったのかな」

 え?目玉焼きにブルーベリージャム?美味しいの?それ美味しいの?見た目が既に怖くて気持ち悪いんだけど。

「パンにブルーベリージャム塗るでしょ!パンに目玉焼き乗せるでしょ!乗せる物同士で合わない訳無いじゃない!」

 なんだか凄い暴論聞かされた気分だ!口の中でケンカしそう。

「お前食べ物で遊ぶなって言われた事無かったかい?」

「遊んで無いわよ!」

 これ、遊んでないとするなら余程のゲテモノ食いだわ。

「とりあえずお前食べてみろ」

「私のは有るわよ!」

 そう言って目玉焼きにオレンジ色がたっぷり乗った物を付き出した。

「マーマレード塗ったのかよ!?」


 無茶苦茶すぎる!無茶苦茶すぎる!私は腹を抱えて笑ってしまった。

「マーマレード!マーマレード!」

 世界の何処にマーマレードと連呼しながら爆笑する者がいただろうか。もしかしたら世界初の偉業かも知れないな。

 領主さんとマリアさんの会話は続いている。

「胃袋をつかめって書いてあったのよ!」

「へー?どこに?」

「ラ……ライトノベルよ!そうだわストマッチクロー!」

 マリアさんが領主さんの胃の辺りを鷲掴みにして絞り上げる。アイアンクローならぬストマッチクローか。いつか本当にお手打ちになってしまえ!

「やめろマリア、多分料理を作るのは合ってるから。ウエエエエ」

 領主さん吐きそうになってる!領主さん逃げてー!

「あ!そうだわオットー!ここで立ってなさいよ!」

「え?」

「ここで立ってなさいよ!」

 マリアさんが何故かドアの前に領主さんを立たせる。これにすぐに従うのも甘すぎるよ領主さん。お手打ちしてよ。

 外側からマリアさんが「遅刻遅刻~」と言いながら例の目玉焼きマーマレードトーストを手に持ちながら突撃する。ラブコメの一幕には良くある導入だが、ぶつかるではなく突撃だ。何の準備も無い領主さんが2リーグ《約3メートル》程吹き飛んで倒れた。

「『おや君、大丈夫かい?』って聞きなさいよ!」

「それこちらこそ言って欲しいんだけどな」

「言いなさいよ!」

 領主さんはため息を一つ付いて言い出した。

「おや君、大丈夫かい?」

「いえ、こちらこそごめんなさい!あ!遅刻しちゃう!急がなきゃ!じゃあごめんなさい、すぐ行くわね!」

 そう答えてマリアさんがやっと帰宅した。料理道具を積んだワゴンを残したまま。

 領主さんは残された目玉焼きブルーベリージャムトーストを一口噛り、複雑な顔をして呟いた。

「変な味」

 あのね領主さん。それ私が同じことしてもそんな反応してくれるんですか?

 読んでくれてありがとうございます

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