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第20話 集客しよう

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 領主さんは私にここを沢山の金銭を産む場所にしろと言ったのだ。ならばやるべき事は集客有るのみだ。

 更にお客様(ゲスト)から土産物や飲食を販売しお金を得て、それを領主さんに納めるのだ。

 そうなるとやることは簡単だ。宣伝と広告だ。ここを宣伝して呼び込むのだ。手段はいくらでも有る。まずはどうせ文字など読めない人間(ヒューム)の為に賑やかし興行を行い、更にシャトル馬車の運行。ついでにそれだけではない。何度も遊びに行こうと思えるだけの経済力と余裕を作らなくてほならないのだ。

 なるほどいつか図書館が言っていた『茨の道』だと思わされる。

 

 行動するなら早い方が良いに決まっている。領内の更に遠い開拓地や街に営業をかけ、まずは子供たちの預かり保育、そして富裕層の人等への誘致だ。

 これがなかなか変な所に人気が集結した。それはまさかの保育所に併設されたお風呂だった。

 仕方ない。ただの風呂場セットを拡張して『温泉』に。更に『温泉郷』へと拡張した。温泉の泉質も各種用意し、更に泡が出るジェットバス、景観の良い露天風呂、サウナも用意し、益々大盛況になっていった。

 お風呂の理由は知っている。領主さんが開拓地や民に会うたびに52開拓地の皆が大変清潔にしていた。長生きの秘訣だと褒めあげて歩いているからだ。

 52開拓地から聞いてやって来ているのだ。

 ある程度の所から中銅貨一枚(約100円)を徴収し、小さな石鹸をプレゼントし、タオルを貸し出すようにした。払えない人は思いの外少ない。これは開拓地の民は余剰作物を領主さんに市価の半額で販売しているからだ。

 彼らは何もないけどお金は少々有るのだ。

 

 そうなると小銭で楽しめる飲食が欲しいではないか。それもまずは駄菓子という物から用意し始めた。小銅貨一枚(約10円)から5枚(約50円)で購入出来る甘いとかしょっぱいとかのジャンクフードの店だ。

 これがなかなか繁盛した。当初はむしろ大人が買っていたが、その内子供たちが群がるようになった。

 大人からの要望として、軽食やしっかりした物を食べたいという話も有った。これはチャンスだ。新しいサービスとして温泉郷にフードコートも用意した。

 だいたい中銅貨5枚(約500円)までの美味しい食事を提供出来るようになると、金銭の動きも良くなってきた。この金銭は街や近隣への仕入と、領内の道を整備する人足を雇うのに使った。

 馬車が揺れてしまって酔う人が出ては気の毒だからだ。せめて道は整えたい。主だった労働者の雇い入れは領主さんが置いてる自由に使える求人掲示板で行った。

 冒険者という名前の人足出しには頼んでいない。どうも冒険者を嫌うように身体が反応しているのだと放っておいた。

 

 図書館もやけに忙しそうだ。知り合いになった相手の開拓地や村に赴き、何故かソバの実の作付けを推進して回っている。主に図書館が居る所はソバの実で作ったガレットを売っている屋台の脇で、居なくなったと思って追跡(サーチ)の魔法で探してみれば、その人の開拓地に居る。

 やけに熱心に薦めている理由を聞いてみた。

「多分ね、領主くんの領地は3年後には人口が3倍位になるんだ」

「はぁ」

 私はその斜め上の返しに大した反応が出来なかった。

「多分ね、今も少し人口に対して水路の流す水も不足気味だと思うんだ」

「それで?」

「ソバは水が少ない地方でもよく育つんだ」

 ここでやっと話が理解出来た。図書館は3年先の未来の為に動いていたのだ。

「水なら私がいくらでも」

「それを必ずしも望むとも限らない」

 私が『提供するよ』と続けようとした言葉を遮って図書館はそれをは否定した。

「何故だ?便利になれば良いじゃないか」

「ダンジョンくん、その便利はきみ一人の胸先三寸で決まるんだよ?それはどうだろうね?」

「え?ダメなのか?」

「普通は駄目だね」

 ちょっと私は考え込んでしまった。


「まあじっくり考えなよ。ソバの後は救荒植物としてイモ類も紹介したいんだ。多分領主くんは私と似た事を考えてるかもよ。その頃には答えも出るだろう?」

「あ……ああ」

 

 お風呂の後にアトラクションが有ることも徐々に知ってくれるようになった人々が、そこで遊ぶようになり、滞在時間も増えて来たし、閉園時間である夕方まで遊んでくれるようにもなり始めた。順調に集客は進んでいるし、いざ領主さんが金銭の要求(税金というらしいね。色々知ってても常識には欠けるな)にいつでも応じられる金銭を残しておく。


 私のそれへの答えはなかなか出なかった。ただ、水やりが少なくても実がなる種とは世話が楽で良いと。そしてそれが領民の自由時間、ひいては余暇になるなと喜ぶだけだった。

 読んでくれてありがとうございます

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 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


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