第17話 巻き込まれた事2 ダンジョンバトル
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その日子供達を送り返した私の元にとんでもない手紙が舞い込んで来た。
文面を要約するとこうだ『ダンジョンを子供の遊び場にする不逞のダンジョンマスターに裁きを喰らわす為にダンジョンバトルを申し込む』
不逞の輩かぁ。参ったねえ。私には私なりのやり方って有ると思うんだよね。理解されないと言うのは悲しい事だ。
ダンジョンバトルというのはその地の文明人により恐れられるダンジョンを作る為の研鑽機能の事だ。私がそれを受ければ両者に10000のダンジョンポイントが渡される。これを巧みに使いバトル用のダンジョンを作る。
別に10000ポイントを越えても構わないのだそうだ。そのダンジョンポイントは自分が持つダンジョンポイントから差し引く事になるから。
普通にお互いのダンジョンを攻略し、相手の攻撃を防御して競技用ダンジョンコアの破壊を目指す。
まあそんな模擬戦みたいなものだ。
勝てば相手の10000ポイントと持ち出しポイントをまるまる貰える。尚、お互いにポイント稼ぎの為の八百長は厳しく審査される。
本来なら受けない手は無い筈だ。持ち出しポイントが無ければ負けても何も失わない。
私はそれを受ける前に相手の事を調べた『敵を知り己を知れば百戦危うからず』というのだそうだ。こんな雑な知識も図書館が寄越して来る本の中にある。本を読むのは重要だなと思わされる。
相手は15902番目のダンジョンマスター。私より少し遅い生まれだ。人狼とかライカンスロープの姿をしていて、身体能力は高い。多分持久力は無さそうだ。本人の住む地域の文明保持者が人狼だからあの姿なようだ。自分の姿を鏡で見て少し思った。人間型で良かったと。
すぐに作戦は思い至った。
多分身体能力に頼りきった事をするだろう。用意するのは3階層も有れば充分だろう。
私の返事を待ってダンジョンバトルが早速開始される。
まずはダンジョン作成に3時間与えられる。まあ難しい事はしなくとも構わない。1階層と3階層は階層『迷宮』をひたすらまっすぐ伸ばしておく。そこにスケルトン10人に機関銃を。今回は不具合が低いM4-A1突撃銃にした。ゴブリンルーム討伐に使った56式歩槍は命中率が悪すぎるし、私個人が気にしているL-85ライフルでは弾が詰まりやすい。ここは信頼こそ一番だ。
その後方にM2A1重機関銃をトラックの荷台に据え付けておく。これを少しずつ後退させながら敵を殲滅していく。更に後方に魔導兵を10人置いておく。これはリッチだのワイトだのと言った物理攻撃無効の敵はの対処である。
2階層だが、こちらは『平原』を敢えて採用した。ただしかなり複雑な細工をしてある。平原を幅3マルクにした。その長さは666リーグ。散々歩いて貰おう。ただ、広がった後は見えなくなり、更に透過する特性を付けた。これで奴らはここが無限空間だと勘違いするだろうう。しかしそこは運悪く幅は5メートル。何をしても何処に居ても仕留められる。ここにも同じセットでスケルトンだの何だのを配備した。重機関銃やトラックの操作をするスケルトンも呼び出した。もう準備は万端だ。
約2000ポイント程度の安上がりなダンジョンが出来上がりだ。その頃ホイッスルが鳴り、ダンジョンバトルが開始された。
1人だけ出しておいた攻撃用スケルトンがあっという間に相手のダンジョンポイントとなり、私のダンジョンへの攻撃用人狼が攻め込んできた。門扉は改装してないからただの洞窟の入り口だが、、そこから先に入った相手の攻撃用人狼の末路は悲惨だ。逃げ道もない。ただ前にしか進めないこの迷宮ダンジョンの向こう側から機関銃が襲いかかる。弾はふんだんに用意してある。
結論から言うと後退する必要性すら無かった。死んだ敵の人狼はそのままダンジョンに吸い込まれ、私のダンジョンポイントになった。ドロップアイテムなど要らないのでそれらもダンジョンポイントに次々化けた。
人狼1体50ポイントが次々私のポイントになり、あっという間に3万ポイントにまでなった。相手のダンジョンマスターはかなりポイントを持ち出ししてかかって来てるらしい。まあ情けは無用だ。なにせ私には人狼の絶望に打ちひしがられる顔など分からないのだから。
領内を見る為に送り出していたイービルアイを外に放つと、もはや攻撃用の魔物は居ないようだ。
「第1階層の守備隊は銃のメンテナンスを。残りの守備隊はダンジョン前に集合。攻撃に転じるぞ。私も出る」
私も服装をお気に入りの砂漠の英国軍軍装に服を変え、私だけ特別仕様でL-85ライフルを手に取り、外に瞬間移動した。特設ステージである。目の前に奴のダンジョン入口が有る。入口は『城門』であり、実際頑丈そうに見える。ここで新たに155ミリ榴弾砲3門と操作用スケルトンを出して門の吹き飛ばしに勤しむ事にした。城門の上には矢を構えた弓兵も少々居るが、そんなものは矢の届かない所からライフルで狙い撃ちだ。門が吹き飛び、何発かの砲が中に飛込み爆発した時、バトル終了のホイッスルが鳴った。
攻撃に極振りした奴のダンジョンは階層も用意出来ずに片付いたのだ。
「話にならないじゃないか。正統派ダンジョンさん」
人狼姿の相手のマスターを散々なじってやった。
その後奴は自分のダンジョンを維持する為のポイントが無くなり、二度と私の前には現れる事も出来なくなったが、それも知った事ではない。
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