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第12話 領主さん対策会議は踊らない

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 領主さんというのとどのように付き合うのかはダンジョンの浮沈を決める大事な課題だ。何となく挨拶すれば歓迎してくれるのだろうが、どこまで本当の事をさらして良いものかとか、このまま距離を取れば良いのか。

 私と図書館、そして会話が出来る『唯一の』階層ボスである家政精霊(シルキー)(名前はまだ無い)を交えての会議を始めた。


 ちなみに第一階層には家政精霊(シルキー)という階層ボスが居るのだが、農園しかない第二階層はスケルトンしか居なく、階層ボスは居ない。第三階層はゴブリンルームだったが、ゴブリンを殲滅して以来グアバの木しか植わっていない。まさかグアバの木に階層ボスなどさせる訳にも行かないだろう。


「イービルアイの有る方に目を向けた領主くんは手強いかも知れないね」

「反面領民へのあの愛情の向けかた。領主さんとは割とお近づきにはなりたいのだけどな」

「明日の洗濯物の為に早く水を汲んで来なくちゃいけないの!」

「近付いて斬られでもしたら気の毒だなぁ。死ぬ事は無いだろうけどさ」

「魔族と言う者にどう反応するかも分からないしな」

「保育所の掃除が終わったらマスターの部屋を片付けなくちゃいけないの!」

 

「確かに。あまり良い印象ではないかも知れないよね。魔族」

 図書館が相槌を打ちながら家政精霊(シルキー)にも応対した。

「へえ、ダンジョンくんお部屋って片付かないのかい?」

「片付きませんの!酷く」

「マスターは本を読んだ後片付けないの!」

「へえ、意外だね」

家政精霊(シルキー)、余計な事を!後で読むから置いてあるんだ!」

「ダンジョンくん、その言い訳は片付けない人の常套句だよ」


 会議(!?)の進捗は思わしくない。情報が足りなさ過ぎるのだ。情報が足らないのは領主さんだけの話ではない。この近辺についてももっと知っておきたい。

 実際この近辺にいかほどの人口とどれ位の経済が回っているとかまだ分からないのだ。イービルアイと水晶球をもっと出してあちこちを調査(リサーチ)することが決定した。

「イービルアイの気配隠蔽を見破る領主くんに派遣するヤツには透明化(インビジブル)の魔法もかけておこう」

 図書館がちょいと手をかざすとイービルアイが一体徐々に消えていく。それが領主さんのもとに送り込まれる。

 その他にも10体のイービルアイがあちこちを見て色んな情報を送ってくれるに違いない。

「全く、マスターは企み事ばかり頑張るの!お片付けも頑張って欲しいの」

家政精霊(シルキー)くん、片付けなんか本当なら魔法でダンジョンくんはやれるんだ。でもやらない。これは性分の問題なんだ。支えてあげてね」

「構いませんの。家政精霊(シルキー)のお役目ですの」

「うん。ありがとうね。さてこれでダンジョンくんの対策会議はオーケーかな」

「領主さんの対策会議だろうが!」


 イービルアイは早くもあちこちを映している。

 この領主さんの館、冒険者ギルド、何かの飲食店兼宿屋、職人の工房。どんどん情報が集まってくる。スケルトン達に情報整理をさせているが、なかなか面白いのが古い開拓地だ。

 ここでは子供達が成人し、家庭と自らの畑を持っているケースも有るが、それでも最初から有る大きな耕作地を手放す事は無いようだ。年寄りも子供も数が多く、大きな耕作地も枚数が多い。

「多分難民から振り分けられて最近も来てるんだよ。それでも若者達は年寄りを見捨てない。良い光景だね」

 図書館がその水晶球を見ながら解説する。確かに身なりには格差が有るが、元々は全員が難民なのだろう。見捨てられないだろう。寧ろ見捨てよう物なら孤児が溢れてどうにもならなくなるだろう。

 イービルアイが見てきたこの街の概要は、要するに難民と立ち直りの連鎖だけだ。

 案外領主さんの都もそんな感じで、テントで暮らす最近の難民や、スラム街に流れる難民が目につく。

 人口500人程度の領主さんの都だが、難民の方が多そうだ。

 

「ダンジョンくん、病院作れそうかい?」

「ああ。明日用意するよ」

 

 意外な話『野戦病院』という病院がダンジョンカタログには有る。本来なら冒険者と斬ったはったを繰り返すダンジョンなのだが、抹殺するより生かしておきたいマスターはぼちぼち居るらしい。そんな需要にも答えているようだ。

 野戦病院というだけに施設はろくな物が無いのだが、そこはいくらでもカスタム出来る。

 良い設備で当たりたいではないか。

 

「難民集めて何をしたいのかね?領主くんは」

 結局行き着く所はそこだろう。

 難民に疫病でももたらされたら一たまりも無いだろうに。

「病人を運ぶ馬車、用意した方が良いのかな」

 私の呟きに図書館は答えた。

「是非頼むよ。あまり死んで欲しくは無いものだよ」

 

 図書館の奴、割と難民にはヒューマニズムたっぷりな事を言うが、それは私とて思いは同じだ。これがダンジョンポイントになるのだから。

 病院でなら、死んでも死ななくても。

 読んでくれてありがとうございます

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 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


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