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第119話 勇者参上!大惨状!

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 その日は朝食に招かれた。領主さんがお誘いくださるのだ。私も図書館の奴も行かない手は無いだろう。領主さんとの繋がりはダンジョン発展の道なのだ。

 

 その日はどうやら図書館司書のマリアさんが私にお願いがあるのらしい。で、朝食兼ミーティングという流れのようだ。

 でもとりあえず領主さんが、何故かマリアさんに吹き飛ばされている所を救出してから朝食だ。


「ダンジョンさん。新しく20人位が座学出来る部屋を5部屋程用意して欲しいわ!」

「おや、何か新しい事でも?」

「講座を開くのよ!」

 ここで領主さんが余計な事を。

「なるほど高座か。お前なら面白い落語が出来そうだもんなアハハ」

 領主さん。裏拳貰って鼻血出す。

「おかわり!」

 裏拳見舞っても食べることは忘れない。マリアさんは健啖だ。


 まあここまではいつも通りでこれがいつも通りでは困る朝の風景なのだが、今日は更にいつもと違う。

 いきなり食堂のドアが開いて剣を引き抜いた男が一人入ってきたのだ。

「やい!ここに魔王がいるな?大人しく討伐されろ!」

 先日ダンジョンに来た勇者である。今日は独りで来た。

「魔王は貴様だな!」

いきなり私に向けて剣をフルスイングする勇者レーロンさん。私は鉄扇1本で受け止めた。

「あら勇者さん。朝ごはん抜き?」

 勇者、はっきり言って弱い。いつかの盗賊よりかは骨が有るとは思う。しかしコレが5人がかりで私の腕1本落とせるかどうか。

「いやー。魔王というのは多分私の事だな。何せ魔族図書館族の魔王なのだもの」

 勇者さんは踵を返した。図書館、お前白状するなよ。


「魔王覚悟!」

 剣の一閃を図書館の奴は瞬間移動(テレポート)で躱し、天井裏から透過の魔法で頭だけニョキっと出して答えた。

「いやあ勇者くん。斬られる覚悟は出来ないなあ。こんな時本来の魔王なら『世界の半分をやろう』とか言うのだろうけど、生憎それの持ち合わせも無いしな。そうだ。見逃してくれたら蔵書の半分を差し上げよう。これで手を打ってくれないかい?」

 それに対しての答えはジャンプ一番図書館の奴への斬りつけだ。

「黙れ!本なんか読んで何になるんだ!」

「あ!天井穴空いた!」

「おかわり!」

 それをサラリと躱していた図書館の奴は今度は壁から顔を出している。

「そう言わないでくれないかな勇者くん。試しに図書館にでも出向いたら良いよ。沢山の書籍が君に読んで貰うのを待っているさ」

「黙れ!図書館なんぞ糞喰らえだ!」

「おんどりゃアッシャー!」

 その勇者さんの一言に怒り心頭に達したのは他でもない。司書のマリアさんだ。

マリアさんは相手が剣という凶器を持っている事など気もとめずに容赦なく殴る蹴るなどの暴行を犯し、遂に勇者さんに馬乗りに跨がりボコスコ殴っている。必殺『司書の癇癪』の発動だ。

「あー。まー。この狼藉者一行は捕縛しなくてはならないだろうな。逮捕しろ!」


 領主さんの檄はあっという間に各所に伝わった。勇者レーロンさんはその場にて逮捕拘束された。

 

 勇者パーティー一行はその日休暇にしていたようで、領内各地で捕物が発生した。

 

 二枚前衛のモンスという人物はダンジョンランドに行こうとしている所を少年少女重騎兵隊によって羽交い締めにされて領主さんの家に連行された。

 神官ラオルという仲間は教会で朝のお勤めをしている所を、弓騎兵隊に襲撃され、縄に縛られてやって来た。

 攻撃魔法のミリアーナさんは宿の外で野良猫や小鳥にエサを与えていた所を年寄りだらけの衛兵に見つけられ、隠れた所からの投石と囮に見せたダミーに陥れられ、魔力が尽きて捕縛された。

 どうでも良いけど衛兵さん、敢闘賞ものだ。

 一番話が分かりそうな聖女ララティナさんはダンジョンランドの学校に遊びに来ていた為、そこに執事さんとメイド長さんが瞬間移動(テレポート)。事情を説明したところ、すんなり同行してくれた。

 食堂というお白州に引っ立てられた勇者パーティー一行。領主さんは割とカンカンだ。

「裁きを申し渡す。勇者一行は壁と天井の修理全額負担。並びに領主の手前での抜刀狼藉の責を追い、100刻の奉仕労働を申し渡す。引っ立てい!」

 ははっ!とか言いながら執事さんや門番のゴンザさんが勇者パーティー一行を引っ立てる。何故か引っ立てる役人にマリアさんも加わっているが気にしない。バターたっぷり目玉焼きトーストイチゴジャム乗せを口で咥えたまま引っ立ててるけど気にしない。

「なあ勇者くん。なんで魔王討伐にそんなに血道を上げてるんだい?」

 図書館の奴が引っ立てられる勇者レーロンに聞いてみた。

「俺は勇者No.18632。おっちょこちょいの勇者とか変な名前貰わされたんだ!変な名前を返上するために俺は!俺は」

「なるほどね。でも君はおっちょこちょいなついでに先走りが酷い勇者くんなんだね」

 勇者レーロンさんは肩を落としてしょっぴかれた。

 読んでくれてありがとうございます

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 犢端高校勇者部活動記録   https://ncode.syosetu.com/n0115ie/


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 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


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