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第118話 領主さん授与式典

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 その日は快晴だった。雲一つ無い青空に領主さんの街の空に浮かぶのは沢山のUFOだった。

 これは領主さんがカシワモチ星人のならず者を打ち倒した事を憲章しにやって来た宇宙人と、その取材クルーの集まりだ。


 これは領主さんの家の者以外には見えないようになっている。だから街は青空に朝の雑踏だけがあるいつも通りの風景になっている。

 

 UFOから領主さんの洋館に伸びた光の道は沢山の宇宙人を下ろしている。

 その中にはアリタとオサダもいる。宇宙人の歓迎に領主さん関係者も総出でお出迎えだ。

 膨大に来ている宇宙人達の通訳をしているのはアリタとオサダ。コイツらとほんの少々しか現地の言語が分かる者は居ない。

 そして何人かの宇宙人はやけに流暢に話しているが、これは自動翻訳機器を持っている奴らだ。


「伯爵閣下、こちらはドロンバス人の大統領です」

 ドロンバスというのが例のカシワモチ星人の種族名なのだそうだ。

「やあ、本当にカシワモチなのですね。驚きました」

 柏餅からニョキっと出た手をとり握手をする様子を納めるプレスやカメラクルーの前でそんな事を言う領主さん。

 柏餅を検索して爆笑し出す撮影隊。ここで領主さんから疑問が投げ掛けられる。

「ところで大統領ってなんだ?」

 これにアリタが答える。

「この世界にはまだ無い役職ですね。沢山の人によって選ばれた国家の長です。貴族でも王族でも無いんですよ」

 領主さんはきょとんとしていた。無理もない。この世界では王を選ぶ制度なんて無いのだから。


 で、大広間に通された取材クルーと大統領一行はここで受勲式となる。

 出されたメダルをみて何故か図書館が驚いている。

「あれ凄いね。領主くんは宇宙が認めた勇者に認定されたよ」

 勲章は紛れもなく勇者憲章だ。

 そして副賞の授与式だ。ここでは相手の科学、錬金術、魔力技術に大きな異変を与えない程度の物が提供され、その返礼にはなんと領主さんのほら大全集が送られた。

 これはカシワモチ星人改めドロンバス人が、合理性と効率化を重視するあまり、楽しい物を追及しない傾向に有るから、これで楽しい読み物に触れるきっかけになると、図書館の奴が張り切って推薦したものだ。


 大勢の取材クルーがストロボを炊きながら撮影する。初めての経験なのに領主さんは泰然としている。

 後から話を聞くと「あれで俺を抹殺する気ならとっくに命なんか無いさ。それに誰一人殺気を感じなかったからな」だそうだ。

 

 続きましては領主さん主催でのおもてなし会食だ。メイド長さんは相手のマナーや作法を知らないからと困っていたが、そこを立食パーティーにしてしまうことでカバーした。

 立食パーティーでの席上、領主さんはいただいた勲章に話を振っている。

「この材質はなんだ?美しい光沢に輝き。おそらく金属なのだろうが恐ろしく軽い」

「ほう。それはどこでも採れる金属ですな。是非研究なされ」

 そう言って大統領は財布からその金属の硬貨数枚の他、真鍮や白銅の硬貨も提供した。

「これも差し上げます」

 取材クルーの一人がジュラルミンのおもちゃを、更にステンレス製の飾り物も貰っていた。

「どれも凄いな。特にこの軽いお金はなんだ」

 領主さんは真鍮の硬貨に驚いている。これらの品々は別に禁忌ではない。自然界には稀に有るのだから。


「そうだダンジョンさん。これらの品々を錬金術師に解析して貰おう」

「まあ。構いませんけど錬金術師が足りませんね」

「それは困ったな。錬金術師の育成は金がかかるから」

 

 それを聞いた取材クルーはどっと笑い出す。

 宇宙人をも葬る希代の未開人でも財布の中身が大事な事に共感したのだ。

 

 立食パーティーでは宇宙から来た人々に誰一人好き嫌いとか禁忌食材とか無く、様々な姿をした宇宙人全てが大変満足しているようだ。

 まあ尤もここでこれタブーとかこれ嫌いとか言うような奴らはお呼びでも無いのだろうが。


 概ね順調なおもてなしに領主さんも気を良くしてメイド長さんに声をかける。

「メイド長ありがとう。助かるよ」

「い~え~。今回は料理人にこの間のリリアンさんにも来て貰いました~」

 メイド長さんの脇にはメイド戦隊の可愛いミレーヌピンクちゃんも居る。宇宙人からも大人気だ。

 ボロボロのぬいぐるみをメイド服に挟みながら接客に励む姿は、現地の様子を伝える物として有用なのだろう。

 この領主さんと宇宙人諸集団との邂逅は、領主さんが上手くほら話としてまとめてくれるのに期待しようかな。


「なあおい図書館、ちょっと宇宙人来すぎじゃないか?」

「そんなこと無いよ。まだ見守られている世界で受勲式に及んだのは約2000年ぶり2回目。前回はジアルスという地域のギルガメシュ王という人なんだそうだよ」

 ギルガメシュという人の事は知らないが、多分領主さん同様に頭も政治も人並み程度という事はないだろうな。

 読んでくれてありがとうございます

 もし良かったらブックマーク、評価、いいね、感想、レビューなど頂けましたら嬉しいです

 

 只今連載中

 犢端高校勇者部活動記録   https://ncode.syosetu.com/n0115ie/


 爆笑!元朝秘史

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 伯爵閣下がホラ話で領地を盛り上げてみるようですので発表します

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 精霊だらけインタビュー

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 SS 家元になろうよ

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 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


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大したことはしていませんが、フォロバは確実です。お気軽にどうぞ

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