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第111話 じょうしょう不敗の将軍

 アナナンカさんが紙芝居にした『じょうしょう不敗の将軍』

 こんなお話でした

 時を遡ること900年、生涯4度の戦場においてとうとう敗北したことが無かった将軍ロベルト・レーン将軍。

 不敗神話の将軍でありながらも彼は気さくで明るい人物で、部下の育成も非常に上手い人物であった。彼の半生を見てみよう。

「ふむ。いやぁジャクソン君、きみは本当にチェスの腕前は見事なものだね」

 わずか26手でチェスで敗北を喫したレーン将軍は自らの参謀長であり一番部下のジャクソンを褒めたたえる。

「しかし、本物の戦場で自分は将軍の足元にも及びません。しかも将軍は何故か遥か彼方に居るのに逐次指示が着て我々に勝利をくれますよね」

 将軍はそれに反応せず全く別の話をした。

「君がチェスが強くて戦場での采配が私に及ばない理由なら私は知っているさ」

「おや。それを知れば私も将軍のように勝てますか?」

 むしろジャクソン君はその理由にこそ興味が向いた。現在3連勝中の将軍のようになれるなら光栄に余りある。

「ああ。なれるさ。今度見せてあげるよ」

 将軍は相変わらず気さくに言う。そしてその『今度』は比較的に早くにやって来た。

 

 将軍にとって4回目の戦争はバッタンコン平原で敵軍15万に対し自軍12万の野戦。お互いこれだけの兵数を収容しうる城塞の方が無い状況だった。

 一挙大勝か大敗北か。勝者が肥沃で広大な国境沿いのバッタンコン平原を手に入れる。これはまさに起こるべくして起こった戦いだろう。


 戦争前日、いつものように前日入りしている将軍とジャクソン君は、普段通り敵将の性格と敵軍の予想進路などを一通り検証した後、その日のチェスの後の話になった。

「さて、チェスと戦争の大きな違いは何だろうね」

「はい。先手後手がチェスには有りますね」

「うむ。自分がキングであったりなかったりするし、クイーン、ビショップ、ルークみたいにすぐに遠くまで行ける訳でもない。いや、もっと単純な話だよ」

「それは?何でしょう?」

 話し込むうちにとうとう両軍の兵員が到着し、夜が明け始めた。将軍がいつも大事そうにしている謎の箱も到着した。

「お。来た来た。さてジャクソン君、戦争の指揮とチェスの大きな違い、それは自分が駒の一つなのかどうかと、戦場では平面的に横から、伝令官とのやり取りでタイムラグが生じるが、チェスにはそれが無く直接指示を出せる。そして指し手は敗北しても命までは取られず、チェスボードを神の如く俯瞰(ふかん)できる事なのだよ」

「はい。仰ることは分かります」

「だから我々も戦場を俯瞰してしまえばいいのさ」

 そう言って将軍は例の大事そうにしている箱から紐で脚を縛った鳩を引っ張り出した。

「ほれ、こうやって」

 鳩に付いた紐を次々身体に縛り付けた将軍が遂に鳩たちと共に空を舞い始めた。

「諸将には遠話の魔道具で連絡するねー」

 高度が上がるたびに小さくなっていく将軍の声。ドップラー効果もたけなわだ。


 ああ、そうかじょうしょう不敗のじょうしょうって常勝じゃなくて上昇だったのかぁ。こいつぁジャクソン一本取られましたよ将軍。いや参った参ったアッハッハッハ……とか言ってる場合じゃねぇよあんなファンタジーな話有るかよ?おらぁ軍人やってんだ事実を小説より奇にしてたまるかよ!

 

 しかし将軍は上空から的確過ぎる位の情報を送り出す。しかし遂に勝敗が決したその時歴史が動いた。

「すまないジャクソン君。もうやることは分かるね。あとは任せた」

 将軍の軍が敵をすっぽり包囲したその時、将軍が戦線の指揮を放棄したのだ。

「どうしたのですか将軍?」

 普段に無いことに驚いたが将軍の答えは非情に簡単だった。

「やばいよ。鳩のテイム時間が切れて帰巣本能で帰ろうとしてるんだ」

 帰巣本能ですかそうですか。あなたはどこの新沼〇治ですか?ああこの国のでしたかそうですか。初の指揮ですよ全く困りましたよ。やることが分かる分からないの問題じゃないでしょうが全くもう

「将軍、使う鳥はテイムではなく調教をしてください!」

 ジャクソン君も怒る方向はそこじゃないだろうけど呆れてそこに噛みついた。もう勝てる。敵の捕虜は要らない。生きて返す敵兵も要らない。倒れた敵兵だけが良い敵兵だ。


「将軍は言われた!包囲殲滅有るのみ。降伏と逃亡を認めるな。進め!」

 後に虐殺参謀と敵味方から恐れられたジャクソン君はレーン将軍に全責任をなすり付け本気で15万の敵兵を文字通り殲滅した。

 後のバッタンコン平原の惨劇である。それがロベルト・レーン将軍のテイムミスから起こった事とは歴史の教科書は語らない。


 ただ、後に将軍を継いだジャクソン君は鳩ではなくよく調教された鷹で同じことを行い、この国の秘密兵器とし、これはワイバーン中空騎兵が誕生するまで利用されたのである。

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