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第108話 鉄鉱床跡地と錬金術師という組み合わせって最高だな!

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 あの朝食会から2日。色々恥ずかしい思いもしたが、気持ちが立ち直った頃、錬金術師の道を歩み始めたルークくんは、本人の希望でブラキウム丘陵の脇に有る鉄鉱床跡地に来てる。

 で……何故か私が付き添いだ。

「ふう。ふう。38開拓地から永遠に歩いてる気がしましたよ」

 ルークくんは体力が無い。ほんの1リーグ(約1.5キロ)程度歩いた事への表現がこれだ。

「そんな大袈裟な」

「あ。ほらダンジョンお姉さん先生。ここら一帯土が赤いですよね。これ、鉄を含んでいる筈なんですよ」

「ほほうなるほど。それを取り出す方法が無いと?」

 実のところこの世界に磁石は解明されてない。鉱物にたまたま有るには有るが、作り方を教える事はこの世界では許されない。

「有ります。ただ魔力が足らないから助けて欲しいんです」

 なるほど。それで私か。

「どうすれば良いかしら?」

 ルークくんは顔を上げてにっこりした。

「では先生、この土に抽出の魔法をお願いします」

「あ。はい。ここで分離の魔法です」

「あ。ここで精製の魔法をお願いします」

 あれこれやらされた。ルークくんは錬金術師としての知識はあっという間に吸収したが、魔力についてはからっきし。ついでに体力もまるでない。

「よしと。これを結合の魔法で結晶化します。これで鉄鉱床復活ですよ」

 私が結合の魔法をかけてあげたら、とうとう鉄のインゴットが出来上がった。

「これは凄いな。領主さんも喜ぶよ」


 それを聞いたルークくんは顔を綻ばせて喜んだ。

「体力も魔力も無い僕がとうとう殿様を喜ばせるのか。嬉しいです」

 完成したインゴットを大事そうに抱えながら答えた。

「なるほど体力も魔力も無いな。だからこれを続けるのに君は……」


 ルークくんはニヒヒとした笑顔を見せて、ダンジョンに戻ろうと提案してきた。

 なるほど考えが有る事は分かった。なのでダンジョン内に近頃用意した錬金術師アカデミーに瞬間移動(テレポート)した。

 

「で、先生。これの出番ですよ。名付けて『廃鉱床搾り取りマシーン試作26号バージョン1.22』です!」

 何故か歯車やチェーンやら魔方陣やらを組み合わせた武骨な機械を見せられた。


「この廃鉱床搾り取りマシーン試作26号バージョン1.22はですね!全ての先程の工程で使った魔方陣を組み込み更にそれを工程別に移す装置を組み入れ、最終的にここから鉄のインゴットを落とします。魔方陣には魔力を注入するか魔石をセットすれば動き続けます。だからある程度の魔力の人が赤い土を乗せるだけで鉄の生産が出来てしまうのですゲホっ!ゲホっ!ゲホっ!」

 

 これは完全にアレだ。作ったモノをひけらかすオタクと同じ感覚なようだ。雄弁にして早口だ。

 背中をさすってあげながらその機械を見る。まあ粗は多いが機能としては悪くは無さそうだ。

「あとはこのマシーンの耐久テストだけって所なのかしら?」

「ふー。ああ驚いた。それと不純物として出てくる鉄を含まなくなった土の処分が必用です」

「落ち着いた?これは凄いわね。鉄鉱床復活の為にきっと難民の就職先になりうるわ」

 私にとって人間(ヒューム)に仕事が増えるのは大変望ましい話だ。金銭と心根に余裕が出来れば娯楽くらい求めるものだろう。そうなればダンジョンに来客(ゲスト)が増えるのだから。

「いえ。まだ沢山有りますよ」

 ルークくんは遠くを見据えながら希望に満ちた顔で答えた。

「生産性の向上には魔方陣の改善をしなくては。装置の耐久を上げる為には頑丈かつ軽量な素材を見つけなくては。作れる量を見据える為にもこれを設置して各種試験運用もしなくては。物造りはこれで終わりじゃ有りません!」

「そ……そうね。すぐに設置しに行きたいかしら?」

「はいダンジョンお姉さん先生。使わなくては分かりませんからね」

 生憎私は魔法収納(アイテムボックス)の魔法なんか持っていない。こうなると呼び出すべきは他に無いのだがな。

「図書館~。お前の力が必用なんだよー」

「はいはーい。やあダンジョンくん。二日間の引きこもりは酷いじゃないか」

「はは。飲んで浮かれすぎたみっともない私を許してくれよ」

 まあ仕方ないな。という顔をしながら装置を魔法収納(アイテムボックス)にしまい、早速設置してくれた。

「で?これを運用する人はどうするんだい?」

 それは全く考えていなかったが、そこら辺の問題なんか無い。住み込みで働ける人を募集してしまえば良い。

「これは錬金術師アカデミー初の大成果だね。まあ恐らくこれからもっと素晴らしい作品を世に産み出すだろうけどね」

 

 そのマシンはまだ改良の余地は多いし、まだ他の金属や元素を見つけていない。

 クロム、チタン、アルミニウム。更にケイ素にヨウ素。合金なら真鍮や鋼鉄。

 この体力も魔力も乏しい若すぎる錬金術師ルークくん。世界を変える錬金術師アカデミーの始まりだ。

 読んでくれてありがとうございます

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