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第104話 魔法(マジック・エキシビジョン)演武

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 午後からの演目は魔法演武マジックエキシビションだ。これは軍務卿が今回連れてきた軍団の中に魔導師なんか居ない為、伯爵領単独公演となる。

 簡単な魔法玉(マジックミサイル)の的当てから始まり、ゴーレムとの模擬戦、そして出来る限り大技(最低でも上級魔術)を放って終了だ。

 

 初回の的当てなのだが、ここら辺が出来る子供なら20人位居る。ダンジョン内部で開設した魔法学校で、開拓民の子供たちに好きにやらせておけば勝手に増えたのだ。

「あんな子供たちが魔法まで使えるのかね?リブラ卿の領地だけで小国が建つぞ」

 軍務卿さんも驚いている。魔法玉(マジックミサイル)は鍛えれば弓より遠い的を射貫ける魔法なのだ。トラックフィールドの端から端までそれが的に当てられる程飛ばせれば、戦時なら将官将校の頭をかちわる事も叶うのだ。

「この人数は。国軍率いても負けそうだな」

 軍務卿さんが領主さんに、にやつきながら話しかける。

「いえ?あの?そんな?恐れ多い!」

「うむ。知っておる。卿の父君も同じように反応しておったな。父子(おやこ)は似てくるものよ」

 領主さんが辟易してる横で私はなるほど親子は似てくる物なのかと反芻していた。私には親なんて居ないから分からないからだ。


 ゴーレムとの模擬戦。これは大体中級魔法位が使われる。今回用意したのは木のゴーレムなので、火魔法が有効な筈だ。そこを中級魔法炎の嵐(ファイヤーストーム)で仕留め、実力を知らしめた。

「なんと。ここは炎の壁(ファイヤーウォール)で充分ではないのかね?」

「敢えてお見せしました。あの子は火魔法と風魔法の二重技能(ダブルスキル)の持ち主です。まあ、他にも居ますけど」

 火魔法の中級魔法ならファイヤーウォールで充分なのだ。これは私からのサプライズだ。

「あれ22開拓地のジュリアじゃないか?農家の子供が見せる魔法じゃないよ?」

 領主さんは大いに驚いている。まあ今まで見せてなかったからな。無理も無い。

「農家の子供にも王家の姉弟にも等しく教育を。これは文部担当である私の心意気というものさ。見事だろ領主くん」

 図書館の奴まで言い募る。領主さんは開けた口が塞がらない。びっくりしているのだ。


 領主さん。申し訳無いのですが驚くのはまだ早いです。

 最後の最強魔法実演はちょっとヤバいですから。

 実演者の両サイドには笹歩耳の人物を二人配置している。世紀末な姿をしたサングラスのモヒカン男性はエルフさんの族長エセンカマンダルさん。もう一人は瓶底眼鏡に白衣に寝癖頭。族長の妹さんでエセンカマヌアさんだ。それぞれ魔法攻撃範囲をトラックフィールドの外に出さない為の補助をして貰うつもりだ。

 軍務卿さんはその補助の二人に驚いた。

「まさかアレ、エルフ様では」

「はい。一月程前に亡命しまして、今は領主さんの庇護下に有ります」

「なんと……」

 軍務卿さんはここで次に出る声までなくしてしまったようだ。

 この世界における半神、エルフさんも領主さんに恭順していると言う事実が信じきれないようだ。

 しかしこの程度で驚き尽くされても困りますよ軍務卿さん。なんと言ってもこの街には居るのですから。


 トラックフィールドの真ん中にエルフさんに挟まれた実演者が呪文の詠唱を始める。

「我が敵に永久(とわ)の氷壁と全てを凍てつかせる突風を。その下無き0度の果てに閉じ込めん」

 詠唱をしている女の子に軍務卿さんが注目し始め、声を出した。

「あの子は戦争中の両国で奴隷としてよく見る肌の子だね」

「そうですね。確かに本人も奴隷頭と名乗っています」

「領主くんの慈愛の前に王族から奴隷まで差別は無いのさ。これが証拠だね」

 呪文の詠唱をしているのはダンジョン魔法学校で最初から居た女の子、エルカザンタさんだ。

 地道な防御魔法からコツコツと頑張った成果が今果たされる。

絶対零度の吹雪(ケルビンブリザード)!」

 空に放ったそれは大気そのものを凍らせてキラキラと風花を舞い散らせる。

「こ……これは災厄級魔術……」

「はい。氷と風の二重災厄級魔術、ケルビンブリザードです。領主さんにお声かけください。国家の為にお役に立ちますよ」

「これは……王国の魔法師団に出来る者が居るかどうか」

「お役に、立ちます、よ」

 脇で領主さんが真っ先に驚愕しているのは放っておこう。だってそれを図書館の奴が落ちつかせる為に動いているのだから。

「君達は知らないかも知れんがね。リブラ卿の先代先々代も国家を驚かせ続けたよ」

 それは知らなかった。思わず答えた。

「私とアレは流れ者ゆえ知らない事が多くございますもので」


 私がとりあえず軍務卿さんの饗応を、図書館の奴が仰天している領主さんの介抱を。そしてフリーになった子供たちや軍務卿さんの軍団はてんでに手合わせなどを行いながら時を過ごしている。概ね軍務卿さんの接待は大成功と言えるだろう。

 領主さんにどこまでやるのかお知らせしていない点を除けばな。

 読んでくれてありがとうございます

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