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第103話 翌日の閲兵式典

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 領民さんと国軍の皆さんは用意されたトラックフィールドに集まっている。軍務卿さんは昨日の様子から、この領内には何か有ると確信しているようで朝からご機嫌だ。


 そりゃ有るさ。この国の閲兵式典などただ軍団がやって来て敬礼するだけなのだから。

 従っておよそ軍務卿さんを驚かす事くらい造作も無いさ。


観衆の拍手が鳴りやんだ頃、拡声魔法を使って私から開会の挨拶を始める。

 「只今より、軍務卿閣下への閲兵式を始めます」

 私からの号令一過、楽器を持った子供たち50名から入場が始まる。

 指揮者のホイッスルを合図に曲が奏でられる。誰も聞いたことのない行進曲の音量も充分な上にカッコよく、しかもまず金管楽器や木管楽器、打楽器を持った子供たちが勇壮にマーチングを行うのだ。

 これには軍務卿も大いに喜び、一糸乱れぬマーチングぶりを称賛した。

 勿論領主さんはこんなバンドが有った事すら知らない。

「おいなんだあれ?凄いなダンジョンさん」

「いやだなぁ。領主くん。きみが用意したんじゃないか」

 口元は笑顔で、目元で困った顔をして領主さんを抑えつけた。

 しかし軍務卿には色々とバレているのだろう。フフとほくそ笑んで、私に声をかける。

「良い良い。あまり我が国の伯爵をいじめないでやってくれないか?ハハハ」

 剛毅で豪快な方で良かったですよ軍務卿さん。


「軍事教練の基本、整列と行進をモチーフにした行進曲発表、マーチングバンドです。いかがです?軍務卿さん」

「今日はこれだけで来た甲斐があったという物だな」

 私からの水向けにちゃんと答えてくれるのは有難い。

「ありがとうございます。演目はジョニーが凱旋する時から続きまして抜刀隊という曲です。この勇壮なメロディをお楽しみください」

 

 そんな中肝心の閲兵される軍隊が入場する。先頭の将軍の顔は事もあろうにキリル君。騎兵姿で登場だ。その後ろにやはり騎兵姿で二人。言うなれば旗を持つ旗手が居る。ヒヨコと月桂冠という、あの可愛くも勇ましくもなリブラ伯爵家の旗だ。

「一番手は当領地発祥の自警団、弓騎兵軍団です。本日は52名が列席しています」

「何人あのパルティアンショットが出来るのかね?」

 思わず軍務卿さんが聞いてくれた。

「それが出来る事が参列条件ですので」

「なんと!あれを全員出来るのかね?何故かみんな若いな。あんなに若いのにか?」

「はい。多くは難民の子供ないし領民の2男3男、或いは女の子で構成されたあくまでも自警組織ですので」

「無いわ。これが自警組織なんて無いわ。オーバーキルしちゃうだろ。ってか多分これだけで野戦だったら500の騎士相手に勝てるだろ」

「領主くん」


「ああ。続きましてイーナ様率いる重騎兵隊です」

 トラックフィールドに現れたイーナさんは、今回プレートメイルアーマーとあまりに長い槍を構え堂々と先頭を行く。凛々しくて可愛らしい。旗はやはりヒヨコと月桂冠だ。イーナさん専用旗指物なんて無いからな。


「おおイーナ嬢か。うちの子の誰かの婚約出来ぬ者かの」

 軍務卿さんの声に領主さんが慌てて答えた。

「あの子はダメですよ貴族っぽくないですから」

「貴族っぽくないか。それはハハハ。リブラ卿も同じじゃないか」


 「重騎兵隊に所属するのは43名です。最後に登場しますのは歩兵師団です。歩兵師団には同時に攻城兵器と魔導師部隊が続きます」

 実はこれが一番軍務卿さんの度肝を抜いた。馬に引かせた各種攻城兵器が目を引いたのだ。有名どころではカタパルトや破城槌なのだが、3台の背が高いカタパルトの偉容が会場すらもどよめかせたのだ。

「あれも投石器の一種なのかね?」

「はい。トレッシュビット。或いは回回砲と呼ばれています。並の投石器では届かない遠くまで投石出来ます」

「あれ、研究用に貰えないかな?」

「対価を要求しても?」

 私ががニッコリしながら答えると、軍務卿さんは苦笑いをした。

「まさかアレも自警団と偽る気ではないよな?もはやあれは対外用兵器だぞ」

 そんな中先頭の弓騎兵団が軍務卿さんの前に差し掛かった時号令がかかる。

 「かしらー 右!」キリル君の号令の下、軍務卿さんが居る右側に弓騎兵団全員が顔を向け、右手に弓を掲げて手を掲げる。その動作も閲兵式では今まで行われていなかった。会場のどよめきと何だかカッコいいその号令、そして勇壮な楽団のマーチングバンドが後程閲兵式のスタンダードになり、閲兵式は庶民も多数集まる娯楽へと昇華していくのはもうちょっと先の話になるのである。

 ところで弓騎兵さん等々注目してる先は軍務卿さんではなく領主さんでしたね。

 ここら辺お客様を見てくださいというのは、エンタメに力を入れたい私だけの感想なのだろうか。

 読んでくれてありがとうございます

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 なども書いております。宜しかったら見て行ってください


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