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第102話 午後の弓術試合

 見つけてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 次なる視察は弓術の鍛錬状況である。本来なら当領地は免除されているそうだ。

 今まで弓術に特化した人材が居なかったのと、それが上手いママーナさんが本来ならモンダナエ子爵家の人物だからだ。しかしここにママーナさんが居るのであの大技ママナリアンショットを軍務卿さんとしては見てみたいというのだ。

 しかしママーナさんは領主さんの傍でニコニコしながらそばに居る。さっき馬上試合で大活躍したイーナさんも帰ってきて二人で楽しそうに仲良くしている。

 「はて?弓術達者が他にも居るのかな?ママーナ嬢はここに居たまま動かないじゃないか」

 軍務卿さんが領主さんに聞いてくるがその解答の持ち合わせは無い。

「わたくしめ如きより相応しい伯爵家の弓達者を呼んでおりますわ。公爵様」

 ママーナさんがにっこり笑う。

 それは楽しみだと軍務卿さんが笑顔で返す。闘技場内では国軍側の弓術上級者として公爵の次男が試技を行っている。約50マーク(60メートル)離れた的に矢じりを潰した矢を射掛け、次々と当てている。

 「さあ、これが出来る者は有るか!?」

 次男様の呼びかけに応と答えやはり馬に乗って登場したのはイーナさんやママーナさんと仲が良かった難民の一人。キリル君だ。

 妹分達に煽られる形で読み書きを覚えている開拓民の子供だが、幼い妹分達を守り、失いたくないと武器の扱いばかりしてた子だ。

 彼が馬上でいつかのママーナさんの時とは違い長弓を構え馬に跨ったまま、ママーナさんが見せたようにパルティアンショットまで決めて会場をどよめかせた。

 しかし次男君はそれを潔しとは出来ないようだ。コンテストと同じ事を言い出した。

「おい。これは弓の試技であって弓騎の試技ではないぞ」

 

「うちの次男は見苦しいのう」

 軍務卿さんが呟いた後、いつの間にか傍を離れたママーナさんが居る席の屋根に登っていてこう叫んだ。

 「これなら納得出来まして?」

 ママーナさんの手には2メートルを超える剛弓が引き絞られ、そこから的に矢を放ち、見事的にぶち当てた。距離は150マーク《約200メートル》。文句どころか箭神がお出ましたレベルである。

 「さあ、牙を剥くのは今この時よひよっこども」「まむいえすまむ」

 観客席のあちこちからママーナさんの呼びかけに答えた難民領民が立ち上がりやはり2メートルを超える剛弓を弾き絞る。どれも100マーク《150メートル》オーバーからの弓は約30本。どれも的を射抜き、軍務卿さん側の度肝を抜いた。いや、領主さんも抜かれた。しまいには的からは完全に横側にいた難民と思しき子たちが矢の曲げ打ちまでを披露して的を狙ったことだ。

 矢は見事に弧を描き的に当たって鈍い音を立てた。公爵次男もこれには文句のつけようがなくなりキリル君に話しかけた。

「これはお見事。卿の名前を伺っても?」キリル君は馬から降り胸を張り答えた。

「官にも手にも職は有りません。名前はキリル。難民の子せがれです」

「公爵家においでよ。今すぐにでも騎士に取り立てるぞ」

「お心はありがたくいただきます。しかし僕たちは騎士になる事よりここのリブラ伯爵家の民である事こそ名誉と確信しています」

 軍務卿次男さんも伯爵家の領民からの高い支持を知っているから無理強いはしない。

「仕方ないか。だがいつでも待ってる。それとその弓術、ここに居る間だけでも教えてくれるかい?」

「はい。かしこまりました」

「俺の名はリチャードだ。この場より俺を名前で呼んでくれ」

 この発言に場内から大きな拍手が沸き起こった。軍務卿家側は今まで傲慢だった次男が大きく丸くなったことに。領内の皆はこの新しい友誼に。


 盛大な拍手の中、魔法で角を隠した私から軍務卿に申し添えている。

「閣下、軍務と財務担当のラビリンシア・ダンジョン準男爵が失礼いたします。明日は閲兵式と魔法演武マジックエキシビションを予定しております。宜しいでしょうか?」

「ああ。構わぬ。もう日も落ちよう。それにこの見事な腕前と次男の成長を今夜一晩堪能させてくれんかな」

 私は軍務卿さんに一礼して明日の準備に向かった。軍務と財務の担当ってこの間決まったばかりだっけか?まあ。気にしなくていいか。

 

 軍務卿さんの臨検は始まったばかりだ。慌てず急がず行こうじゃないか。それにどうも図書館の奴も見せびらかしたいモノが有るようだ。

 相手は軍務卿なれど、農業や教育で成功すればそれはそれ。軍務卿さんとは言え領の成功を認めない訳にも行かない。ましてや水平展開すら具申してくれるやも知れない。

 最新の営農技術に学習指導要綱(カリキュラム)。ましてや今この領内初の錬金術師まで育成中だ。

 まあ、楽しく行こうとは思っている。領主さんは気が気では無いようだが。


 読んでくれてありがとうございます

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