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第1話 ここに産まれる

 見つてくれてありがとうございます


 Twitterから来てくれた皆さん、ようこそお越しくださいました

 それはまるで、眠っていたのが覚めたかのようだった。目を開けたら私はそこに生を受けたのだ。

 名前はちょっと首を傾げる呼ばれだ『15872番目のダンジョンマスター』なのだそうだ。これは名前というより番号だなと、記憶の隅にあるその名を嘲笑(あざわら)った。

 

 で?

 胸が膨らんでいて手足は2本ずつ。指は10本。これは平均的なこの地に住む文明を持った生命体である人間(ヒューム)という生き物に似せた姿なのらしい。胸が膨らんでいるのは私が女性の姿をしている事の証左なのだそうだ。随分色々身の回りの諸々を入力(インプット)した上で送り出してくれたものだと感心するよ。

  

 元々持っている情報の膨大さには驚かされるばかりだ。

 右手の指を鳴らすと魔法やダンジョンカタログの商品が購入出来、その他にも地域や何やらの知識が入力されている。

 知識は追々紐解くとして。指を鳴らして全身が映る姿見を出してみる。殺風景な岩肌に豪華な姿見というこの部屋というより洞窟で、自分の姿を見てみる。肩まで伸びた栗毛の髪に目立つ捻りの有る角。これは魔法で見えなくする事も出来るようだ。


 人間(ヒューム)の中では美形に属するそうで、これは魔族という種族の原初のみに見られる特徴なのだそうだ。

 魔力溜まりに産まれ、親の無い身からいきなり自立を迫られる(魔族)にとって、何もない今のような状況で(ヒューム)に踏み込まれた場合、見た目の良さを武器に命乞いをする為に有るのだそうだ。

 憐憫(れんびん)を誘えとは酷い話だとは思うが、命有っての物種だ。せいぜい使わなくても済むようにしておこうか。


 さて。私の現状を掌握しなくてはならないだろうな。

 周囲を見渡すマップも指を鳴らすと出てくる。宙にウィンドウが出てきて見易い位置で出てくるのだから都合が良い。

 向こう6リーグ(約9キロ)以内森林地帯。鬱蒼としてるようだ。周囲には属にいう魔物の類いは居ない。野生動物がちらほら居る。この分だと一番警戒すべきはオオカミか熊だろうな。

 南側に森林を背にしたような集落があるようだ。

 人口36人。少ないな。

 村には名前が無いらしく、第52開拓地という記号のような名前か付いている。

 職業分布は農民が16名、一人狩人が居る。まあ脅威にはならないだろうな。私がそう確信出来るのは大まかな男女別と年齢層のグラフを見ていたからだ。

 15歳以上25歳以下の青年、26歳以上49歳までの壮年が一人も居ない。居るのは子供が18人と60歳以上の高齢者18人だ。

 働き盛りは何処に行ったのだろう?戦争か何かで徴発されたのだろうか?それとも働き口を探して出稼ぎでもしてるのだろうか?

 働き口なら農民やれよと思うのは私が浅はかなのだろうか?疑問は尽きない。

 この内情で開拓も何も無いではないか。


 まあ良い。これは私の脅威にはなり得ない。ならば今はダンジョンはこのままだ。私が一発目の防衛力にして最後の砦だ。

 

 私には予め10,000のダンジョンポイントが有るようだ。親切な初回限定サービスパックという訳だ。先程の姿見が100ポイントなのでその分目減りしている。

 私の命を繋ぐダンジョンポイントをこんな物に無駄遣いしたのには少々後悔もあるが、返品は出来ないようだ。仕方がない。

 このダンジョンポイントを稼ぐには人や魔物を中で殺すと大量得点になるが、生かしておいても得点に繋がるのだそうだ。

 だいたい100時間過ごしてくれれば殺害した分と同じポイントになるようだ。

 なら殺す事も有るまいな。リピーターを増やし、何度でも来て貰えば良い。


 そして魂と感情を揺さぶるとダンジョンポイントが増えるのだという。なるほど面白い。大いに感情を揺さぶりダンジョンポイントをはたいて貰おうではないか。

 面白いデーターが有るじゃないか。

 傭兵だの衛兵だのと言った武力を用いる者は国家全体の1%も居ないようだ。

 ダンジョンマスターという魔族はそのような武装集団を相手にするのに便利な特性を持っているようだ。胸に銀の刃物が刺さらない限り死なないし、攻撃魔法にある程度の武器への習熟も備わっている。しかし人口1%のそんなものを相手にしてもたかが知れている。それに戦うのも面倒だな。

 それよりもデーターには沢山居る農民とか職人という人達を迎えようか。このダンジョンを楽しく過ごす為のスペースにしてやろう。

 仮に百人来てくれたら一人殺害したポイントが手に入るではないか。それを更なる楽しみの提供に使い、更なる集客を目指そう。

 うむ。楽しくなってきた。楽しい方向に魂を揺さぶり続けて楽しかった思い出を提供しよう。そして何か美味しい物を提供して何度も来たくなる楽しい場所にしよう。

 最高じゃないか。さて、楽しい施設は有るかな?


 生憎ダンジョンカタログにそんなものはなかった。そして私の脳内にも入力(インプット)は無い。これでは話にならないではないか。

 そういった物を知ってそうな奴を探しに行かなければならないな。

 心当たりはある。私は早速指を鳴らして超移動(テレポート)の魔法をかけ、その心当たりに会ってみる事にした。

 ダンジョンにはまだ10マーク(約15メートル)の通路とダンジョンコアルーム。そして先程出した姿見と、そしてこれが壊されても私の命が尽きるという『ダンジョンコア』しかない。

 まあ敵になりそうな奴は来なさそうだ。

 私は出掛ける事にした。

 読んでくれてありがとうございます

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