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92/188

92 監視されている

またも人とのトラブルだった。しばらくダンジョンがいい。


今度は大量の「等価交換用」ダチョウ。最強パンチのためのスライム119匹、119発分。見た目が異様になるスライムパンチ使用時に使えるコスチュームも水のウインの持ち物から見つけた。


何より大事なエールもジャスト200杯。ワイン、ジン、ラムと備えは万全だ。


武器はオークダンジョンなら、オークから手に入るので用意していない。


31階転移装置に飛んで、32階からスタートした。草原で大きな音を立てながら歩くと、オークソルジャー、オーク、黒豚のユニットに遭遇した。


私は最低ステータスHP135のレベル45。オークソルジャーはレベル50だけど平均HPは700。それに準じたパワーがある。レベル差は「5」でも肉弾戦に必要なステータスの差は大きい。


そこに高レベルオークと突進力の黒豚だ。ロングソードで2時間半の戦闘を終えたときには、3メートルダチョウを半分ほど身体の修復に使っていた。


辛くなってきたけど、レベルを60に上げるまでの辛抱だ。


なんて言わない。


控えていたランドドラゴンを使用解禁する。


小型340枚、中型120枚と沢山ある。


今の戦いで埒が空かないから最後に中型鱗を使ったら、3倍くらいにパワーが上がっていたと思う。


今になって今回の方向性を決めた。


33階、35階、37階、39階のセーフティーゾーンで休むが、避けられる戦闘はやらない。


40階フロアボスを「スライムパンチ、等価交換」ありで倒して41階の転移装置に登録。そこまで恐らく10日以上かかる。


地上で休んで、ランドドラゴン変身でレペル60を目指す。41階からならレベル60以上のオークソルジャーが出るけど、今の私ならギリギリ肉弾戦で戦えると思う。



ところで付いてきてる奴らがいる。


感知力ゼロの私に人混みでは分からなかった。だけど、何となく気配は感じていた。ようやく見つけた。

こんな魔物しか出ない場所で同じ人間ばかりの見え隠れしたら、さすがに分かる。


36階まではうまく隠れていた。気のせいかと思っていた。


だけど38階ともなると、魔物のレベルも57を越える。

魔物との対戦を避けながら、ハイペースで走る私の監視。全てを気づかれずやるのは無理だろう。


1人がアルバ4兄弟より少し劣るくらいに見える。要するに凄腕。3人がCランク上位くらいで、全員が黒ずくめ。


私の教会上層勢力の基準は、何度も言っているが、フードの下の傷つけられたミール。



「勝手に環視している奴は教会上層勢力だろうから、死んでもいい」


40階ボス部屋前に到着する前、39階でやばい敵に遭遇した。


レベル59オークソルジャー2匹、レベル55オーク4匹という怖い敵がいた。中級ダンジョンで2回だけ遭遇した偶然に2ユニットが同じ行動をしてしまったやつだ。



「デモンストレーションをやってあげよう」


奴らは私を見ている。だたの監視か、それとも武力で私を押さえにくるのか。だから、種は明かさずに馬鹿みたいな武力を見せてやる。


水のウインの持ち物から見つけたのは、頭巾付きのミスリルポンチョ。川で水浴びでもするとき用か?


めくると裸だか身体は隠せる。


そこに仮面を被って、スライム変身をした。


ぱちっ、ぽよよよん。


どこでって、オークジェネラル2匹にはまされた形でだ。


まず右のやつに体当たりした。


私の左スライムパンチが砕けて、オークの右足の付け根の部分に肩まで入っていた。その形から、オークの体内に空間を作り、私の左半身を作った。



「超回復&破壊的絶対領域」


ぼん、べちゃべちゃべちゃ!


レベル59だろうと関係ない。オークジェネラルの右腹から右膝にかけて、一瞬でミンチになって飛び散った。


「げ、生き物にやると、とんでもないグロさだ」


オークジェネラルの肉片で「等価交換」をして自分の体を戻し、2度目のスライム変換。


2匹目のジェネラルにドロップキック。


これは想像の斜め上をいった。私は足から砕けながらジェネラルの胸に吸い込まれた。


見えないが、視界からしてオークジェネラルの胸に私の顔が生えている。



「超回復&破壊的絶対領域」


ぱーーーん!


レベル59オークジェネラルの体が弾けた。首が空を舞っている。


「残ったオーク達を始末。ん」


オーク4匹が逃げ出した。決まった行動を取るはずの、逃げないと情報にあったはずの、ダンジョンオークが逃げた。


私を監視しているやつらも、隠れるのを忘れ、あっけに取られていた。



40階に降りてフロアボスに挑んだ。大剣持ちのオークソルジャーレベル63に手下のレベル56のノーマルオークが3匹。ブラック豚はレベル63が2匹。


「そういえばここはパーティーでBランク以上推奨だった。ソロのDランクだからギルドで色々と聞かれるるかな」


人が見ていないところならドラゴニュート変身もし放題。ランドドラゴンの鱗を出して39階で拾った斧を振るった。


1時間はまったく歯が立たず、切られすぎて3メートルダチョウを2匹消費。相手が疲れてきてから自分の強みを生かし反撃したが、ダメージが通らない。


体感で2時間後に1匹目のオークが倒れ、ボロボロになった斧からロングソードにチェンジ。ランドドラゴンの鱗も14枚使い、とうとう40階ボスを撃破した。


「充実感なんてない」


まさに消耗戦だった。ダチョウは3・4メートルサイズ計12を消費して、剣や斧を4本がボロボロ。最初から鎖かたびらスタイルだったが、お決まりのように素っ裸だ。


「こんな戦い方、もうやらない。次からは1匹に減らしてから肉弾戦をしよう」


レベル上昇を考えると、私のレベルは今48か49に跳ね上がっていると予測される。


48階まで戦わず降りて、そこから最下層の50階までに出る魔物なら、恐らく15回程度のエンカウントでレベル60を達成できる見込み。


41階転移装置から地上に飛んで、とりあえず休むことにした。




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