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59 無茶苦茶な人に認定された

30階フロアボスに挑戦だ。


3人組の冒険者と共闘である。


作戦。ボスのビッグチキンに私が当たる。残りのウズラを、3人に倒してもらう。


3人は剣士、シーフ、弓使いの構成。


身体も5センチほど縮んだし「等価交換」で一気に倒す。


「あれ?等価交換を使うなら、ソロでも良かったかな」


まあ、誰かと交流しておくのもいい。私は孤独に耐えられるタイプでもない。


酒飲み友達も欲しい。


ゴゴゴゴゴ!


「さあ、扉が空いたよ。ユリナ、ボスは頼んだ」


「任せて。いってきま~す」


「わ、ユリナ、ノリが軽い」


さすがは鶏頭。大きなチキンは真っ直ぐ突っ込んできた。


というか、ウズラも私の方に来てる。


だったら私の「普通」で戦う。


敵が同時に攻撃してきたけど、狙うはチキンのみ。


頭から突っ込んできたチキンの左目に手を伸ばし、クロスカウンターで「等価交換」。


パニクるチキンの首に手を回し、残った右目を殴打。


もちろん、ウズラの攻撃は食らってる。


足や腰が傷ついてるけど、自動で『超回復』。


その間に3人がウズラの背後から攻撃して、わずか3分で勝利が確定した。


10分後。ザクッ。「ゴゲー!」


マルタにチキンに止めを刺してもらい、31階転移装置へ。


ダンジョンに潜って何日目か分からなくなってた。1度、地上に出ることにした。


このダンジョンの出口近くには施設が3つ。

1つは簡易のギルド出張所。


そして、冒険者相手の少し割高な酒場兼ホテルが2軒ある。


早速、30階で捕まえた4体を売って4等分する。


受付所。受付カウンターが2つと、買い取り品預かり所がある。かなり簡素。


「マルタさん。おかえりなさい。30階には到達できましたか?」


「途中でそこのユリナに助けてもらって、何とかね」


「ユリナ・・。あ、行方不明者の。生きておられたんですね」


「私が行方不明?」


言われて驚いた。


登録したその日に、薬草採取を受けたF級冒険者。


見るからに弱そう。ソロ。貧相。


勝手にダンジョンアタックして、12日もダンジョンから出て来なかった。


「いやあ。道に迷ってダンジョンに入って・・。31階の転移装置で帰ってきました」


「・・冒険者の行動は基本的に自己責任です」


ギルドに止める権利はない。だけど、命を大事になさって下さい、と釘を刺された。


受付の人は、優しいのだ。


薬草採取の期限まで、残り3日。薬草を出して「オルシマのユリナ」で、初依頼を達成した。


プラスして、マルタ達と倒した30階ボスの素材を提出。


個人ではビッグウズラ、ビッグチキン各10匹を収納指輪から追加した。これでEランクになった。


Dランクへの昇格は、最低でも登録から2ヶ月の期間が必要。


追加のウズラとチキンはタイミングを見て出すことにした。


その間、マルタ達は口を空けて私の方を見ている。


とりあえず人と話もしたいし、彼女らを誘って酒場に入った。



「驚いたよ。ユリナってあんなに強いのに登録したてなんだね」


「初心者じゃないんだよね。離れた街で冒険者をやってた」


「一回、冒険者をやめたの?」


「うん。さっきのマルタに使った回復の気功術。あれを巡って、悪い貴族に目をつけられたの」


「同じような話をたまに聞くよ」


「最近ではカナワの街で奇跡を起こした女性が、領主の包囲網をかいくぐって逃げおおせたって話もあるし・・」


モロに私のことだ。


「私も逃げたけど・・」


また同じことの繰り返しは嫌。だから、方向を変えて冒険者ランクとレベルを上げて、対処する。


そんな話を、酒を飲みながらした。


久々のお酒に、かなり酔った。『超回復』で治さず酔いを楽しんだ。



勢いでマリアとマイミの傷も治した。


胸に持病を抱えていたマイミ。感謝と同時に、私が逃げた理由が解ったと言っていた。


マリアには治療院開業を勧められたが、トラブルの元だから恐らくやらない。


幸いに私は戦闘でお金を稼げるし、回復スキルを過剰に披露する必要もない。


次の日、彼女ら3人は拠点を置くオルシマに帰った。


私はのんびり。


残り2泊をダンジョンそばのホテルで過ごした。


2泊目の朝に、女性の護衛5人を連れた、貴族の子息のような女子が食堂に入ってきた。


装備が高そうだ。


私と同じ32階からダンジョンアタックする話をしていた。


同じ獲物を巡って、鉢合わせにならないことだけ祈ろう。


いよいよ。ダンジョン32階に挑戦する。


ギルドから買った情報では35階と38階にセーフティーゾーンが発見されている。


出て来る魔物は、肉が固いダチョウと、高級食材のターキー。


今回は経験値獲得を重視。

「等価交換」は封印。休憩も入れて、20日以上になるのを覚悟している。


中級ダンジョン単独踏破者の称号をもらえば、それなりに周囲への牽制になる。


32階に降りて早速、ダチョウとターキーの魔物が同時に現れた。


「でかい。立つと3メートルある。これで最小なのか」


ここから最下層の40階までは、足が速いダチョウとターキーの、走る鳥が現れる。


最後のダンジョンボスのビッグダチョウは、頭を立てると5メートルになるという。


同じ中級でも、難度が高いそうだ。


ギルドの情報通り、必ずセットで出るそうだ。


まずダチョウだ。


手甲をはめ、上から嘴でつつきにきたタイミングに合わせて胸元にパンチ。


相手に効いてない。私の頭はへこんだ。


2発目はミスリル剣で首。これは効いた。長い首から上ならダメージを与えられる。


5回の激突で、私の身長は10センチ縮んでいる。ダチョウも血まみれだ。


私は非力でも、致命傷OKの相討ちができる。


ダチョウも逃げず、立ち向かってくる。ターキーもだ。


「よし、ギルドの情報通り」


32階以降のダチョウは難敵指定。理由がこれ。


1度出会うと、ダチョウ型魔物は死ぬまで暴れる。


追ってくる、距離取らない。捨て身で暴れる。


体力を温存したい冒険者からしたら、面倒なのだ。


私も攻略目的なら大変だけど、経験値が目当て。


『超回復』で体力も無尽蔵だし、ウエルカムなのだ。


15分で1体目を倒した。


体は大丈夫だけど、鎖かたびらに早くも穴が空いている。


左乳首をさらして、先に進んだ。



https://www.alphapolis.co.jp/novel/295429334/506718241


アルファポリスで先行しています

読んでいただきありがとうごさいます

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