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47 火剣三男アグニ

ターニャ救出のため1時間走った。


間に合った。


盗賊団の砦が見えそうになったとき、ターニャを乗せた馬車を発見した。砦の前で何とかする。



そのとき馬車が止まり、男が1人降りてきた。


剣を1本。構えてないのに、すごいプレッシャー。


身長180センチ越え。恐らく「火剣三兄弟」の誰かだ。


「お前がユリナで間違いないな。俺は元冒険者のアグニだ」


「通して。ターニャをどうするつもり」


「人質だな」

「じゃあ、素直に付いていくから解放して」


「そりゃ無理だ」

「どうしてよ」


ターニャはむしろ、氷魔法使いシクルに対する牽制。


仲間と思われてる。


男爵家の次男マルタからの情報。

ターニャは私とシクル、2人の共通の友人の妹。


私がターニャの護衛、シクルは攻撃役。


確かに、外野から見たら、協力関係だ。


「男爵家の三男が殺されたって情報が昨日入った」


犯人は、間違いなくシクル。


男爵家次男、当主も狙われる。


その次は、盗賊団。


「だから先手を打とうと思ってな」

「ふざけないで」


バキィ!


コイツ強い。


私もただ喋っているわけではない。

アグニをかわして砦の方に向かおうとしている。


剣で弾かれて前に進めない。


馬車は砦に向かい始めた。


時間がないのに・・




キラ・・キラキラと、冷気が舞い始めた。



嫌いな奴だけど、いいタイミングで来てくれた。


「これは何事かしらユリナ・・」

「シクル、いいとこに来た」


「他の用事を済ませたから、盗賊団の偵察に来たの。だけど、ここに大物がいたわ。あなたアグニよね」


「おめえは氷使いのシクルだな・・」


私が来た方からシクルが現れ、横に立った。


「なんだ男爵家三男の次は俺狙いか?」


「情報が古いわ」


すでにカスガ男爵、次男マルタも処分済み。


護衛も、みんな氷漬けにした。


「殺ったのは今朝だけどね」


「仕事が早いな」


「まず「火剣」三男のあなたを倒すわ。まだ、それくらいの魔力は残ってる」


「ははは。すげえ冷気だぜ。だけどシクルさんよ、こんなとこで油を売っていていいのか?」


「どういうこと?」


「ターニャは、俺らが確保してるぜ。もう砦に着く頃かな」


「え?」


シクルがこっちを見たあと、再び「火剣」の方に視線を戻した。


「ユリナ、あなたを責める資格は私にはない」


シクルは、ターニャの救出を決めた。おのずと、私がアグニの足止め役だ。


「おいおい。2人で勝手に決めるなよ。俺は早く砦に帰りたいんだ」


何か布のような物を投げられた。


「こんだけ働いたご褒美として、ターニャの処女膜を破るのは俺ってことになってんだ」


ぱさっ。盗賊三男アグニが投げたもの。


見覚えがある服。下着もあった。びりびりに破られている。


「今、ターニャちゃん、裸だ。パンツを破ったあと、股開いて未使用なのも確認したぜ」


「貴様あ!」


シクルがアイスランスを火剣三男に撃った。


だけど、三男が炎をまとった剣で相殺した。


その間に私は、剣を出して三男に向かって構えた。


「・・挑発に乗らないでシクル。自分の役割を果たして」


「く、ここは頼むわ。ユリナ、あなたの役に立つものを持ってきたから使って」


すごく冷たい物が入った袋を寄越された。

アグニを迂回して砦の方に走って行った。


「しゃーない。俺の相手はオーラゼロのユリナちゃんか。ふんっ」


ぼぐっ。「・・ぐ・・」


『超回復』


三男は4メートル先から軽く剣を突きを出した。先端から放たれた炎は、私の右肩を焼いた。



こいつは炎魔法適正A。中身はクズでも戦闘のエリートだ。




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