34 ランドドラゴンは地球の恐竜
4属性のドラゴンパピーがいるダンジョンを発見した。
瞬間的な防御力アップのため、このドラゴンの鱗が欲しい。
なのに、1階の1・8メートルのドラゴンパピーですら倒せない。
火や水を吐かれて飛ばされる。私は超接近のカウンタースキルしか討伐方法がない。
じり貧だ。
奪った防具を装備して、捨て身の接近も無理。防具がまともに装備できない。
ダンジョンで、風のカルナから収納指輪を奪った。中にはミスリルのフル装備があった。
胸当て、サークレット、手袋、金属製ブーツで私に合うサイズのものがあった。
自分自身の地味顔はともかく、麗人気取りだったよ。
いざ特攻。そして断念。
わずか3分間の出来事だ。
高ランクオークと戦うと、噛まれる、殴られる、そして『超回復』
体が子供サイズまで縮んだ。
あれよあれよと、装備はブカブカ。動きはのろのろ。
体の大きさが一定しない私は、普通の防具が装着できないことが分かった。
だから、最強スタイルは裸。
人前では、長めのミスリル製タンクトップを使ったワンピース。
つまり、身長の増減に影響されない、弱装甲スタイルになる。
裸が楽しいとか、痛いのが好きとか、そんな理由でないのだよ。
変態と思われた方、誤解のないように。
「攻略法が考えつかない」
1本しかない流星錘は革が焼かれたら終わりだし、使いたくない。
気付いたが、私のスキルには属性がない。
回復なのに「聖」でさえない。何に属するのか、それすら謎。
この階層のドラゴンパピーは「火」「水」「風」「土」の4属性。
普通は相反する属性の魔法や武器で倒すが、私には無理だ。
せめて、抜けた鱗が落ちてれば、拾って皮膚の強化に使える。
探しても、あるはずがない。ここはダンジョン。
生き物の遺体もアイテムも、時間が経過すれば地面に吸収される。
私は決断した。
「1階はスルー」
一旦地上に戻り、川沿いで木の枝、草、茸、ウサギ、ゴブリン、トカゲ。収納しまくり。
「等価交換」で使えるものを手当たり次第に収納指輪に突っ込んだ。
2日後、ダンジョンに再トライした。
ドラゴンパピーを避けて2階に降りた。
ドラゴンパピーを避けて3階に降りた。
ドラゴンパピーを避けて4階に到達。
逃げながら、30回は火炎や暴風を食った上に討伐数ゼロ。
だけど、4階でガッツポーズした。
「肉食の悪魔」と呼ばれる獰猛なランドドラゴンがいる。
またの名を「恐竜」。飢えた目をした奴らのフィールドだった。
こいつらは、カナワの北の上級ダンジョン下層で、2メートルのやつが出る。
背中と腹、頭に固い鱗を持つ。属性攻撃はないが、厄介。
知能が高く爪攻撃、牙攻撃が強い。群れで狩りもする。
肉が食えるものの、売却値段と討伐難度を天秤にかけると、割に合わない。
「だけど、私には持ってこいだ」
10分もすると、私と同じ背丈の小型竜が3体現れた。
後ろ足で走り、前足には鉤爪が付いている。
私は、準備万端。要するに、全裸に手甲の潔いスタイルだ。
どうせ服が破れるし、もったいない。人はいないから最初から収納している。
ドラゴン接近せり。連携攻撃のようだ。
1匹が私の前で気を引き、左右の斜め後ろに2匹が展開。
前の1匹を殴りに行くと、後ろから右足、左腕に噛みつかれた。
ドラゴン、勝った気になってる。
『超回復』
一瞬は、3匹が離れたけど、また捕まった。
絶望的だし、なすすべなし。
「と、普通なら思うけどごめんね。「等価交換」」ぱちっ。
ドラゴン軍団、まだ軽症。
捕まえた獲物を離すまいと、後ろ足で私を踏んでいる。
腹に鉤爪が食い込む。
3回目の超回復、等価交換セットを終えたとき、3匹の足の裏がミイラ状になった。
「ぐる?」
ばたっ、どてっ、ごろっ。
頭がいいとは言っても、爬虫類の頭脳。取り返しがつかなくなってから、ようやく異変に気付いた。
収納指輪から大剣を出してメチャ切りして倒した。
草原を進んで行くと、小型竜7割、中型竜2割、甲羅亀が1割。
みんな獰猛なので「超回復、等価交換」コンボで効率よく倒せた。
「中小合わせて100体は行ったかな。こりゃ、鱗を剥ぐときが大変だね」
『超回復』効果で眠気も空腹もないから、72時間連続で狩りをした。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/295429334/506718241
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