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ダンジョンで『』を手に入れました。代償は体で払います  作者: とみっしぇる


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186 やっと私の出番

特級ダンジョンのラストアタックをする前に、ミール達とまったり過ごした。


ただし色んな事情からエッチなしだ。


どことは言わないが、ミールの傷も完治した。


ステータスがAランク冒険者を越えた彼女は、傷の治りも早いのだが、大事を取った。


デリケートゾーンの話だもの。


◆◆

ダンジョンに潜る前にギルド出張所に行った。


実は受付嬢さんに手続きは取ってもらっているが、ジャバル特級ダンジョンの70階クリアは公表していない。


ノエルの弟子アンジュの結婚式の料理に30階ミノタウロスを出す。


それ以上のモノがあると、公表しない。


開示するのは、アンジュが結婚してから。


内々のお祝いに呼ばれてるから、高ランクのミノタウロスと牛は、提供し直したい。


出張所の依頼ボードを見ると、沢山のミノタウロスや牛の依頼がある。


毎回、20階以内で達成できる依頼を1個だけ受けて、それを隠れ蓑にしている。


それでも十分に目立っているのに、ダンジョン踏破が見えているとは言えない。


「俺、やっぱすごいパーティーに入れてもらったと思うよ」


「改めてどうしたのよ」


「依頼票の中身が尋常じゃないけど、対価も桁がおかしい。その上、ここの依頼票の高難度依頼の9割くらいの素材を「アイリス」で持っているだろ」


「本当だ。まあまあ頑張ったよね」


「軽く言っているよね。依頼主も北部の侯爵家とか、南部の大商人までいる」


「依頼金も高いけど、受けたら面倒ごともあるからね」


売ると、それだけでは済まない。


高い確率で接触してきて、自分の陣営に取り込もうとする。貴族家直系の専属護衛になれとか言われる。


「へ~、俺には縁がない話だね」


「あれ?ミシェルも十分に対象よ」

「俺は、そんな力ないって」


「自覚なしか。まあいいわ」


微笑するノエルに続いて、ダンジョンに入った。


◆◆


72階に降りた。


ここから下は、私の出番かも。


72~79階はレッドミノタウロス2・6メートルとアカベコ牛体高2・1メートル。最初は肌の色がピンクで下に行くほど深い赤になる。


72階ミノタウロスでレベル136、HP2380。


数字だけ見ればノエルとミールで対抗できる。


しかし、物理、魔法、状態異常への耐性全てが高い。それがミノタウロスや牛が赤くなるほど、高くなる。


「ダーク、ダメか」


20分して最初の敵に遭遇。ミシェルが出した黒い雲は、ミノタウロスが頭を振っただけで消された。


まず、私がセットの牛にスライムパンチ。


残りはミノタウロス。


「アングリーアクエリア!」

「火球の伊吹!」


ノエルとミールがここまで使わなかった大技は、ミノタウロスに効いた。


だけど一撃で倒せていない。ノエルは一気の魔力放出でフラフラ。


ミールが忍術を駆使して時間稼ぎ。

復活したノエルが「サラマンダー」


そうして大ダメージを与えた。そこから動きが鈍くなった敵を20分の通常攻撃で撃破。


「どう、もっとやれそう、ミール、ノエル」


「倒せたけど、2体セットの1体で私とミールの魔力、体力が3割以上減ったわ。ミノタウロスの素材は角くらいしか残らない。ボロボロよ」


「強化してもらったのに、俺の技なんて通じないな」

「悔しいけど、ユリナ様お願い」


「んじゃ、次から相手を削るよ」



1時間して、次の敵に出会った。


私の出番だ。

もちろん裸だ。

そして素手だ。


「どんとこーい!」


前に出た私にまず、牛が突進。


ここからは破壊作業。


私のBカップの胸に、アダマンタイト並みに硬い牛の角が突き刺さった。


速すぎて痛みを感じる暇もない。


「超回復&破壊的絶対領域」べぎゃっ!


私のやわな体。体内に入った牛の角を、折って弾き出した。


時速100キロで私に当たった牛は頭が角ごと押し返された。


頭だけ、その位置に固定。なのに800キロある体は、時速100キロの勢いで前に進んでいる。


牛の頭は前後から押されて潰れ、行き場をなくしたエネルギーが牛の巨体を宙に浮かせた。


どんっ。


ミノタウロスは「等価交換」で腹を破壊した。


「あたぁ、貴重な獲物なのに、誰にも経験値が入んない」


「ユリナの戦い方、見てて怖いな」

「ミシェル、慣れるしかないわよ」


「ユリナ様、美味しそうなお肉が残ったよ」


ミールだけは平常運転である。



72階から敵が一気に倒しにくくなった。


79階まであるのに、すでに72階で強烈だ。


レベル90プチドラゴンを斬ったミールのナイフを弾いた物理耐性。


ワイバーンにとどめを刺したノエルの火球で死なない魔法耐性。


その防御力に加え、レベル135にふさわしい攻撃力がある。


だからメインの攻撃は、すべてを無視する私の必殺コンボだ。


73階の楓色のミノタウロスで1回だけ、普通の倒し方を試した。私は回復係に徹した。


そのときはミノタウロスがノエルとミールの攻撃を弾いて、ミシェルを狙った。


ミシェルが「闇の刃」を自分の腕に全開で纏って生き残ったが、ミシェルが危なかった。


パンチ一発で両腕が砕け、鼻骨陥没。魔力も空っぽという惨状だった。


私が獲物の足を壊して移動力を奪う。3人が遠距離攻撃で頭部に集中攻撃。


これに徹した。


敵の出現頻度が下がった代わりに、1回あたりの戦闘も長くなった。


私もレベルを6つ上げるため、長槍でつんつんしている。


73階のセーフティーゾーンで72階の牛を焼いて食べた。


討伐難度が一気に上がった割には69階モノと味は変わらない。


「ユリナ様、同じ味なら一気に最下層まで降りようよ」


「だよね。赤い皮膚じゃ日常のパワーアップにも使いにくいし」


こんなテキトーである。


「ユリナのレベル上げはしなくていいの?」

「もう少しだから、慌てなくて大丈夫でしょ」


「・・3人もノリが軽いなあ」


敵と遭遇するたびに足を破壊して剣や槍でトドメを刺すから、長時間の戦闘になった。


休みを入れて12日かかったが、とうとう「アイリス」の4人で最下層に到達した。




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