184 私の解放されたもの
ダンジョン70階をクリアして、地上に出た。
今までは先にダンジョン横のホテルに入っていた。
さすがにが今回は、真っ先にギルド出張所行きだ。
ノエルがとうとう大台を越えてレベル106。ミールは14上がって95。
2人で67~69階の狩りをしまくったのは大きい。
非公開だけど、素でノエルはHP1484、ミールは1425とAランクでも真ん中の上。
今は2人とも62階の白ミノタウロス変身で現ステータスがノエルはHP2522、ミールで2422と推測される。
この数値、身体強化持ちのAランクが、一瞬だけ出せるクラス。
このステータスは公開できない。
公開すると、「アイリス」の秘密を徹底的に調べる奴が出てくる。
ミシェルは69階の白ミノタウロス変身で測定した。
レベル102でHP1162と一流冒険者のステータスだ。基礎ステータスが612のはずたから、69階ミノタウロスの皮なら、1・9倍と予測される。
これなら、特級ダンジョン踏破前でも、ミシェルの存在を隠す必要はない。
「俺、自分がこんなになれると思わなかった。ありがとうユリナ、ミール、ノエル」
涙ぐむから、私達も泣いてしまった。
さて私である。70階ボス戦でミノタウロス強化は解け、体は普通の状態。
鑑定水晶の結果を見た受付嬢さんが唖然としている。
「ユリナさんはレベル79。そしてHPは246・・。なぜか前回の測定よりHPが下がってますね」
前回は強化状態で計ったからHPは307だった。
「ははは誤差かな」
「だけど、70階のスノーミノタウロス単独討伐・・。もしや、エクストラスキルにでも目覚めたのですか」
ぼそっ。
「ユリナ様の『超回復』が確かにエクストラスキルみたいなもんだね」
「そんなレベルのスキルじゃないよ、『超回復』って」
「俺には神のスキルに見えるよ」
今回の測定はレベルなんて二の次。新しく得た何かを調べたいのだ。
「じゃあ私だけ、追加でスキルの測定をお願いします」
ドキドキしながら、受付嬢さんの言葉を待った。
鑑定水晶がひか・・らない?
「・・ありません」
「え?」
「申し上げにくいのですが、鑑定水晶には何も反応しません」
頭の中に「?」マークが何個も浮かんでいる。
4人で考えていると、ミシェルが言いにくそうに、切り出した。
「ユリナはレベル79でHP246だよね」
「確かに。みんなも聞いたよね」
「それがなに?ミシェル・・・あ」
ノエルも気づいた。何だろうか。
「ユリナ、驚かないでね」
「な、な、何?」
「ユリナってレベルアップでHPが3ずつ上がるでしょ」
「で、今のHPが246だよ」
「本当に3ずつ上がれば、今は237のはずなの、ねえミシェル」
「けどノエル、魔力ゼロで奇跡のレベル70まで上げて、そんなことってあるのかな・・」
「・・・まさか」
計算に弱い私はすぐに気付かなかったが、やっと分かった。
246から237を引くと「9」。
レベルが70になり、そこから上がったレベルも「9」。
「私のエクストラスボーナスって、レベル1個の上昇につきHPが「3」から「4」に増えたこと・・。うそ」
ミノタウロスの斧で首を切断されても立っていた私。
膝から、崩れ落ちた。
◆◆
どでかいベッドがある、高級ホテルのスイートルームを2泊取って、酒を飲んでいる。
ウイスキーのラッパ飲みだ。
「マスター、もう1本!」
「ユリナ、俺はマスターじゃないよ」
「ウイスキーをエールみたいに飲んだらダメだよ」
『超回復』ぱちっ。
急性アルコール中毒を起こしまくっているが、勝手に治る。
ウイスキーを4本も空けると、少し落ち着いた。
「ごめん。期待したぶんだけ落差が激しくて混乱した」
エールを出して、70階ボス討伐とみんなのレベルアップを祝った。
「ま、私がもらった『超回復』はトンデモスキルだから、それ以上を求めたらバチが当たるよね」
悲しいこともあったけど、『超回復』を得たから、多くの出会いもあった。
ミールとくっついている。
「スキルよりも、ミールと出会えたことが嬉しいね」
「ん」
女同士だけど、右手に抱き寄せてキスした。
「ステータスなんてどうでもいいよ」
ノエルにもキスされた。
「ミシェルもおいでよ」
両手を広げてミシェルを抱き締めた。
みんな薄着だ。
ミールの服を剥ぎ取った。
ミシェルのシャツを破った。
ノエルのパンツを剥いた。
私も脱がされた。
ベッドも大きいから、4人で何とかなるさと思いながら、電気を消した。
私にノエルが覆い被さってきた。下から抱き締めた。
始めてのミールは、横でミシェルに必死でしがみついていた。
可愛い。
手を握ったら、握り返された。
そっから、色々とヤッた。
ついに、みんなで関係を持った。
中身は、濃厚・・
高ステータスの3人に激しくされて、30回くらい骨が折れた気がする。
『超回復』が働きまくって、ウサギ20匹分くらいの肉を「等価交換」で使った。
最後は気絶した。
朝起きると身長は130センチに縮んでいた。
「痛くないけど、あててだな。ミールがパワーに10倍の差があるのに、思い切りあれやこれや、されたもんな」
3人には『超回復』を使ってないから、疲れて寝ている。
ミールの寝顔を見ている。
「ふふっ。ミールのお陰だね。すごい幸せな気分だよ」
「むにゃ、ユリナさま・・」
しばらく、ほほをなでていた。




