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ダンジョンで『』を手に入れました。代償は体で払います  作者: とみっしぇる


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151/188

151 恋人でもないのに

1000メートルの高さから落ちて、生還した。


私も、ノエルも生き残ってる。



私が下になってクッションになったが、時間の余裕はない。


ノエルは手足が千切れて気絶している。肋骨や股関節も折れている。


高スペックの上に高レベルだから生きているようなもの。


私は激しく損傷したせいで『超回復』後は過去最少の55センチまで縮んでいる。


だけど、命には関わらないから、後回し。


急いで収納指輪からダチョウを出してノエルに、行ってこい変換。


『超回復』&「等価交換」。ぱちばちぃ!


「もう大丈夫」


ノエルの下敷きになったまま、ぼ~っとしている。


ノエルも放心している。


こんなときに考えるべきではないけど・・。


ほんの少しの時間だったけど・・。


ノエルと性的に交わったんだろうか。


時速500キロで生身の身体のまま滑空しながら着地した。


その直前、正面から抱き合ったノエルのアレが、極限の緊張の中で怒張した。


そんなこともあるらしいが、気にする余裕なんてなかった。


2人とも裸だった。


最初の接地の衝撃で体がぶつかり合った。骨盤が砕け、2人の何もかも溶け合いながら潰れた。


普通なら死ぬけど、『超回復』で2人の身体が復活した。


あのとき、私の女の部分に、知っている、しびれるような感覚が走った。


「破壊的絶対領域」の作用でお互いの身体を弾くはずだった。


だけど、何の偶然から身体がフィットしていた。


最初のバウンドをして、再び着地するまでのわずか数秒。


復元された私のアソコに、奇跡のように、ノエルのアレがすっぽりはまってた。


ノエルも驚いた顔をしていた。


だから何が起こったか分かっただろう。


迎え入れたつもりもない。ノエルも何もしていない。


そんな余裕なんてなかった。


私もノエルも、繋がりを確認する間もなかった。あっという間に、2度目の着地体制に入った。



「すごかった。・・狙ってやれることじゃないけど、すごかった」


3分くらい放心していた。ノエルもだ。




そろそろ、自分の身体を戻したい。


「ノエル、回復スキルで意識も含めて全快でしょ。重いからどいてよ」


「あ、ああ。意識はあるけど驚きすぎて・・あ?へ?」


55センチになった私を見て驚いている。説明するより実演するのが早い。


ノエルの手からすり抜けて立った。


ノエルは横座り。


少し金色が入った、長い銀髪も美しい。


ダチョウを出して、唱えた。


「等価交換」


ぱちばちばちばちぃ!


一瞬で55センチから160センチ。視界が変化しすぎた。


久々にスキル使用後、目眩がした。


「ユリナ!」


素早くノエルが飛んできて、捕まえて膝枕で寝かされた。


「ノエル・・」

「・・」


すごく熱い目で見られている。


真っ直ぐた。



『超回復』を使い多くの人を治してきた。


なんだろ、この目。


今まで感じ取った、感謝、驚愕、欲望、色んな感情。どれとも違う。


何なのか分からない。


「ノ、ノエル」

「ユリナ、ねえ」


思わず息を飲んだ。いつもの軽い「ありがとう」の雰囲気ではない。


「あのね、ユリナ、私達」


声が震えている。


「私達、バウンドしながらの一瞬で、エッチしちゃったのかな・・」


「え? え? ・・し、した・・ね」


「やっぱり・・」


「回復スキルが働いたとき、私とノエルが奇跡的に繋がって再生されたんだと思う」


「・・私も、そうなった感覚があった」


「や、やっぱり?」


「・・あんなに全身がしびれるなんて・・」


「私も・・」


高度1000メートルからの道具なしダイビング。


「生還」の喜びよりもまず、「性感」の話になってしまった。


ノエルは処女ではなかったが、童貞だった。



図らずも、私が初めての女になってしまった。


それも世界中で例がないやり方。


「ユリナ、責任取るよ」

「気にしない方がいいよ。まさに事故だったし・・・」


これ以上は興奮できないくらい激しい体験をした。


1秒で終わった童貞喪失劇だけど、とんでもない余韻を残した。


やっと生還の喜びがわいてきて、2人で抱き合った。


ミール、ミシェル、リュウ、マヤになぜか謝りながら、何度かキスしてしまった。


◆◆◆


2人で話した。ノエルは私のことを好きだと言う。


私にはミールとミシェルのことで、気持ちの整理が付けられるのかさえ分からない。


まだ次の恋どころか・・


「きっと、ノエルの好きは、吊り橋効果。超回復ハプニングエッチのせいだよ」


「そうじゃないと思うんだけどね」

「まあ、オルシマに来るんでしょ」


「うん、そうさせてもらう」


「旅しながら、気持ちを落ち着かせればいいよ。・・いきなり最終形までいっちゃったけどね」


「さっきの結合はノーカウントにして。ミールちゃん、ミシェル君と話してさ。それから正々堂々とユリナと付き合いたいの」


ドキッとさせられる。弱った心に効きすぎる。


反則でしょ。



「ところでユリナ、私達って遭難してるんだよね」


ノエルの計算では、ワイバーンのせいで60キロ以上は西に飛ばされている。


伯爵様のとこに帰り、私とノエルの生還報告。プラス、ノエルの伯爵軍離脱の挨拶しないといけない。


「ノエル、ルートはどうする?伯爵様の家まで道なりなら300キロでしょ」


目の前は「魔の森」につながる「魔の台地」


だけど、私達は直進あるのみ。


イツミ伯爵軍も避けて通るルートだって気にしない。


レベル88、HP1232のノエル。有機物とスライムさえあれば反則スキルを使える私。


余裕だろう。


高レベルの魔物を捕まえて、今回心配をかけた男爵軍2つへのお土産を作る。


その程度しか考えていない。



危険地帯にあっても、恥ずかしくてノエルから顔を背けてる。




次回、少し現実逃避したユリナ・・


です。




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