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ダンジョンで『』を手に入れました。代償は体で払います  作者: とみっしぇる


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148/188

148 ワイバーン討伐開始

ノエルに、ただ抱かれて眠った。


なのに、久々の深い眠りだった。


目を覚ました。


ごつごつの地面にノエルが背中を付けて、私を抱いてくれていた。


身長168センチのハーフエルフは、ぷっくりした素敵な唇を持っている。


私のまくらになったふかふかのおっぱいもついている。


そして密着した股間には、立派なものもお持ちだ。


むに。うむ、確かにある。


だけど甘い言葉も吐かず、男の部分で何かした訳でもない。


一晩、だっこされていただけ。だけど、なぜだかすっきりしている。



「起きてノエル」


「う・・いてて。そうだ、ユリナを抱いたまんま寝たんだった」


「小石だらけだよ。馬鹿だね」

「そっちも実直な馬鹿だから、ちょうどいいよね」


「・・けど、ありがとう。『超回復』」

ぱちっ。


「うん。さんきゅ。だけど、今日は決戦の日だよ。貴重な回復スキルを温存した方がいい」


「大丈夫だよ。1日に1万回くらい使える」


「そんなに・・。ほぼ無限なんだ」


「頭が潰されなければ、どうにかしてあげる」


「へえっ、て、やばっ。もう集合時間だよ」

「急ごう」


ギリギリセーフ。

2時間後、作戦の準備を整えた。


私は草を刈った牧草地の真ん中。


手足を縛られ積み上げられたオーク達の上に座っている。


裸は覚悟。開き直って、一番安い鎖かたびら1枚だ。


「臭い。ワイバーンやっつけるまでの辛抱。けど臭い」


1時間ほど待ったころ、大きな2つの飛翔体がやってきた。


それに、たくさん小さな人型の鳥。


ワイバーンは2匹。


プラスして、150センチの女の子に羽と嘴を付けた魔物。ハーピーが100以上いる。


「情報通りワイバーン2匹だ。1匹はユリナ殿、頼む。もう1匹はイツミ伯爵家で受け持つ」


「残りは、3人ひと組でハーピーに当たれ。魔法部隊、魔法を準備せよ」


「今回はユリナ殿がいる。怪我をしたら、必ず呼べと言われている。絶対に遠慮するな!」


「全員、布を被って隠れよ。ユリナ殿の戦闘開始が、始まりの合図だ」


「了解!」

「了解!」

「了解!」


縛られたオーク達の上に座る私以外は、動きが洗練されていて美しい。


ワイバーンが速度を下げた。2匹とも、私と生け贄オークの方に来た。


私は自分を捕まえた方と戦う。


残る伯爵軍アタッカーは全員で、もう一匹に当たってもらう。


今は『超回復』に絶対的な信頼を持っているから、接近戦に持ち込むだけ。


立ち上がってみた。


「最初に私に食いつくんだよ。間違わないでね」


「きゅええええええ!」


「さて、スライムパンチ用意・・・」


食われた瞬間に、「スライム変換」「スライムパンチ」『超回復』「等価交換」と思っていた。


だけど、誤算が起きた。


私の近くにいる危なさを言っておいた。


なのに、3人の若い子が、血相を変えて助けに来ている。

命令違反だけど、きっといい子達なんだろう。


「カミユ、あんたみたいな子が、ここにもいるよ」


ワイバーンのアゴも頭蓋骨も「スライムコンボ」で吹き飛ばす自信はある。


だけどワイバーンの骨や牙の固さはミスリル以上。その破片が高速で飛び散ってしまう。


私のことを助けようと走る子に当たって、即死するかも知れない。


だから、まだ攻撃はできない。


「また、こんなことを考える余裕が出てきた」


ばくっ。「ぐえ」。


マッハの速さで飛んできたワイバーンが着地し、見事に食いつかれてしまった。


「ユリナさん」

「まずい、お助けせよ!」


私をくわえたワイバーンは再び飛ぼうと羽ばたいた。


その風圧に助けに来た子達が転がっていった。


「よし、今だ」。右肩からくわえられているが、『超回復』がオートで働くから、意外に苦しくない。


「スライムパンチ&等価交換×4」ぱーーーーーん。ぱん、ぱん、ぱん。


ワイバーンの口が弾けた。下顎を完全破壊。ついでに栄養も同じ場所からもらった。


追加で肩口に「スライムパンチ」。

左の翼の根元を折って飛べなくした。


「よし、一匹目。あとでとどめ、誰かお願いします」


「うそ」

「まだ1分だぞ」


「ワイバーンがボロボロだ」

「ユリナさんが裸だ!」


2匹目のワイバーンを見ると、まだ滞空している。


1匹目が地面で転げて回るのを見て、私を警戒している。


私から150メートル。謎の攻撃が待っていることが分かる知能はあるようで、距離を取られた。


隙あり。


伯爵家討伐隊の魔法使いが牽制して、怒ったワイバーンが、そっちに降りた。


すると弓持ちがアンカー付きの矢を放ってワイバーン右足をキャッチ。


その、地面とワイバーンを繋ぐ縄に、ノエルが水の魔力を流して拘束を強化。


そっから剣と槍の出番だ。


なにげにノエルが、空飛ぶ獲物を逃さないように、大事な役割を担っている。


風の魔力を帯びた羽ばたき攻撃で抵抗するワイバーンに手こずっているが、それも計算済みらしい。


私は自分の獲物を素早く無力化できた。


次に誰のアシストをするかと考えたとき、後ろから悲鳴が上がった。


2つの男爵軍は計180人。


3人単位のユニットでハーピー1匹に対応する作戦。ユニット60に対してハーピーは100以上。こちらの方が危険になってきた。


まだ倒せたハーピーは10匹程度。人間側は倒れていないが、危険性を感じる。


さっき助けに来てくれた男子3人ユニットが、ハーピー4匹に攻められピンチだ。


「待ってて。ランドドラゴン変身!」


10メートルランドドラゴンの鱗で自分を強化し、トレントの枝を出して必殺コンボ。


誰も理解できない戦い方で、4匹のハーピーを墜落させた。


ノエル達を見るとワイバーン相手に堅実に戦っている。


しかし安定しているのがここだけ。周りがまずい。


開けた戦場に空飛ぶハーピー多数。散開して敵味方が戦う状況だ。


ダンジョンのボス部屋やモンスターハウスのように、普通なら絶望的なフィールドの方が得意な私。


「こりゃ、私の『超回復』が十分に威力を発揮しないな」


少しでも手助けしようと思い、怪我人の方に向かって走った。




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