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ダンジョンで『』を手に入れました。代償は体で払います  作者: とみっしぇる


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128/188

128 貴様に酔っぱらう資格はない

以前の拠点、カナワの街に向かう途中。


貴族の馬車を襲おうとした盗賊に見つかった。


巻き添えだ。


首に槍を突きつけられている。


せっかくの夕日。


見事なワインとのコラボを楽しんでたのに、台無しになった。


夕日も見えない。


槍を突きつけた盗賊1、こいつ邪魔。


だから、自分から槍を刺さりに行った。


ぶしゅっ。「なっ」


『超回復』ぱちい。


「うそっ」。槍を弾き返され体勢が崩れた槍持ちの男。


顔面に、鉄棒を食らわしまくった。


ゴンゴンゴン、バキッバキッ。


「気分で酔っぱらってたのに・・」


ばきっ。「酒返せ!」


私の右前方30メートル地点。盗賊8人と貴族の護衛6人で戦闘が始まった。


それはどうでもいい。


肝心なのは、盗賊2が弓で私を撃ってきたことだ。


右胸と左足に矢を食らいながら『超回復』


「金剛気功術」


そう言い張った。貴族いるからね。


2人目の盗賊も「魔鉄棒の刑」に処した。


「ここじゃ穏やかに飲めないな・・。さて、出発するか」


貴族の護衛騎士、盗賊が撃ち合う金属音。騎士の悲鳴。


耳障りだ。


左手にエール入りの木のジョッキを出して、ぷは~っ。


2杯目出して、ジョッキ片手に、カナワに街の方角に出発進行。


どがっ。左手に痛みが走った。


矢が手のひらを貫通してた・・



そこは、どうでもいい。


肝心なのはこれ!


エールのジョッキが砕けてるよ。


2人目の弓持ち盗賊3のヤロウ。やつがピンポイントで私の、命の水、攻撃しやがった。


私は盗賊の方を見た。


盗賊は7人が立っていて、護衛騎士が不利のようだ。


そんな細かいこと、どうだっていい。


盗賊を睨んだ。


「てめえらに・・」


「?」


「てめえらに、今日の酒を飲む資格はねえ!」


私は辛うじて残った理性を使いきって、マスクを被った。


盗賊側に走った。


左手にスライム、右手に鉄板を出した。


鎖かたびらの上に麻のワンピース1枚。


そんな軽装だということも忘れ、スライム変換、ぽよよんになった胸に鉄板挿し込み!



「鉄板まき散らし気功術!」 


超回復&破壊的絶対領域。バギイイイイン。


説明しよう。


体の再生時、異物とみなされた鉄板、鎖かたびらは、弾け跳ぶ。


瞬時に再生された私の肋骨、内臓、Bカップおっぱいに、押しだされる。


大小の破片が推定時速200キロで、放射状に飛び出しすのだ。


ビシビシビシビシ!


「ぎゃあああああああああ!」


「酒の恨み、思い知れ」


今度こそ出発だ。


スライムパンチ1発で全裸マスクに変身した。


なので、乙女としては、ここを離脱するしかない。


そのとき、馬車の陰から40歳くらいの男に声をかけられた。


相手は身なりがいい。私は裸マスクだ。


「ありがとうございます。まずは服をあげたいのでお待ち下さい」


「お構いなく。旅の途中です」


さすがに、恥ずかしくなってきて、その場を離脱した。


後ろから呼ばれ続けたが、護衛騎士も振り切った。


◆◆

結局、カナワの街近くまで走った。


見覚えがある小川近くで一晩を過ごすことにした。


まだ日が暮れて2時間くらい。朝まで時間がある。


2年以上も住んだので、勝手知ったる場所だ。


「いきなりカナワの領主関係者と関わったな。まあ、出会いが痴女スタイルだから、普通の格好をすれば身ばれはしないだろ」


大ざっぱに説明。前が東。


小川をはさんでカナワの街、後ろが西。


そっちに、リュウ達「暁の光」と活動した森、3人の仲間をなくした「ダルクダンジョン」がある。


「静かだな。考えてみれば、カナワにいたころは、危険も伴う外で野宿なんて考えられなかった。何だか新鮮だ」


盗賊に邪魔され、飲みかけだったワインを出し直した。


1時間くらい飲んでたら、何か聞こえていた。


「悲鳴っぽい。若い女かな」


振り向くと、3匹のオークに追われて16歳くらいの女の子が走ってきた。


身長は私と同じ160センチくらいだけど、胸が違う。


暗がりでも分かるくらい、ぶるんぶるんと揺れている。


かなりピンチ。


なぜ彼女が?不明だけど、助けることにした。


「そこの女の人、冒険者なの。手助けは必要?」


「必要です! って、女性が1人だけ。ダメよ撤退して」


「問答している時間はないから、私の後ろに隠れて~」


ほろ酔いでいい気分。


私は逃げる彼女の横をすり抜け、オーク3体に向かった。


この辺りの地上オークは高くてもレベル15。


だけど、推定レベル20くらいの彼女。3体同時を相手にするのは厳しい。


「まあ、今の私は、超回復気功術があるから余裕かな」


3匹のスケベオークが止まって私にターゲットを切り替えた。


私も見た目は若い女だ。


プライドは保てた。


「ご褒美にミスリルソードで斬って、逃げるなら逃がしてあげよう」



「待って、あなたは逃げて下さい」


「ん・・」


彼女は私と交差して逃げたかと思ったが、戻ってきてナイフ2本を抜いている。


「すみません。やるつもりはなかったんですが、魔物をトレインしてしまいました。責任を取ります」


お目々ぱっちりのショートヘアで美人。胸もでかいし唇もきれいだ。


髪型だけ、そこだけが私とそっくりだ。


彼女は戦う気だ。


馬鹿みたいな討伐力を得た私ならともかく、なかなか出来ることじゃない。


3体のオークを前に腰が引けている。


けれど、彼女の心意気、文句無しの合格点!


「謝罪は受け入れた。ちょっと倒してくる」


反射速度は、隣の彼女の方が上だろう。


だけど私はためらいもフェイントもない。だから私は、誰よりも早く敵に到達できる。


オークにつかまれながら『超回復』「等価交換」『超回復』「等価交換」。


ミスリルソードを振り回す。10分ほど繰り返して、3体のオークをズタボロの死体にした。


「ふう。怪我はないよね」

「はい、ありがとうございます。助かりました。あの、カナワの冒険者の方ですか?」


「いえ。前にこの街にいたの」


「私はマヤ、Dランクで「暁の光」というパーティーに入っています」


「え、暁の・・・」


私に感謝してくれていた彼女、とても嬉しそうに言った。


「暁の光」


仲間を失った直後の私を励ましてくれた、リュウ、オーグ、ダリアのパーティーだ。





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