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ダンジョンで『』を手に入れました。代償は体で払います  作者: とみっしぇる


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125/188

125 アリサの妹と追いかけっこ

イーサイド男爵家の次女メカリス。プラス兵士30人と戦う。


つまり、盗賊のようなもの。


私は光魔法ジャッジメントの熱線を浴びた。


その傷をミシェルの体と同時に、瞬時に治している。


見る人が見れば、何が起こったか分かる。


メカリスも、自分の欲のため、私を殺さず捕まえに来た。


兵士30人は20人が私、10人がミール&ミシェルに向かってる。


私の方は例によって、兵士達は剣でなく素手か道具。

革ひも、荒縄、鉄のさすまたといったところ。


私の武器はナイフを選んだ。


「ミールもミシェルも、けがをしたら急いで呼んで」

「任せてユリナ様。こっちは大丈夫だよ」


言いながら、ミールが投げナイフ使用。早くも戦闘不能にしている。


私は両手にナイフを持った。敵兵が持っている捕縛用具に、同じ物で対抗する気はない。


男爵家次女に向かって走った。小細工なし。


すると前に2人が立ちふさがる。左側から兵士3が飛ばし、革ひもに首を巻かれた。


「捕まえたわ。さあ、みんなで押さえ込みなさい」


「甘いな、ほんと」


私はナイフで自分の腹を引き裂いた。


それも猟奇的に映るよう、笑いながらザクザクと。


ほんとは、かなり痛い。


「なっ」

「いきなり自殺か」


「超回復&等価交換」ばちっ。


『超回復』で5センチ縮んだ体を治す材料は、革ひもを伝って兵士3の右手から頂いた。

「うっ、あぐぐ」


驚いてひもを緩め自分の手を見た兵士3に向かって走った。


ナイフの柄で頭を乱打した。


そのまま倒れた兵士3に馬乗りになり、今度は素手で乱打。


その間に完全に包囲された。


「今よ、ひもで絡めてユリナを捕獲して!」


投げられた捕縛用具で右手、首、両足を絡め取られた。


だけど甘い。私に接触しているのは革ひもと荒縄。


要するに「有機物」だ。それに私の左手も空いている。


ざくっ。


ナイフを出して、自分の首を刺しまくる。『超回復』、等価交換を唱え続けた。


「うわっ、何が起こった。俺の手が・・」


5回目。私を捕まえたつもりで、革ひもの端を持つ兵士1が声を出した。


あえて兵士1に手をかざして言ってみた。


「変異気功術よ」


自分でも何だそりゃ?だけど効果はあった。


「変異?おれの左手が干からびてる。そうだ、ポーション」


待ってあげた。


ポーションや回復魔法を使っても、等価交換の損傷は治せない。


検証済み。


「治らない・・。どうなってんだ」


「イーサイド家に加担したから、名もなき神が呪ったのよ」


私を囲んだ残り15人。ミールと対峙して、まだ頑張ってる兵士2人が私の言葉に反応した。


「や、やっぱり噂は本当じゃねえか。あの女、敵とみなした人間には悪魔になるって・・。オルシマの知り合いに聞いたんだ」


「そうだ。報酬に釣られたが、オーガ討伐よりやべえ」


3人ほど逃げた。ミールが追ったから、逃亡は無理。


ミールって、本当に可愛くて有能だな。


残った盗賊兵士も浮き足だっている。


兵士8が気丈にも剣を抜いた。ちょうどいい見せしめができた。


私は兵士8に素手で向かって、完全にタイマンの形になった。


基礎能力の差は歴然としており、あっさり斬られそた。


左肩に5センチほどの深さで剣を食らったときだ。


「金剛気功」『超回復』


ばちぃ。「うわっ」。鎖かたびら1枚の私は、剣を弾いた。


兵士8はのけぞった。ここでミールと訓練した技を出す。


ごんっ。兵士8の鍛え挙げた腹筋に私のへなちょこパンチを当てた。


で、私の手首が内側に折れ曲がった。


「超回復&小規模破壊的絶対領域」


どむっ。「ぐ・・・」


折れ曲がった私の右拳、瞬時に前を向く。


すると、瞬時に兵士8のお腹が5センチほど横移動。


深刻なダメージにはならないが、内臓を揺さぶられる不快感。相手の脚が止まる。


それを両腕で繰り返す。


気功術にある「浸透頸」のようなもの。

私のオリジナルだ。


成功率3割。そこは低い。


乱発できる。正しい予備動作が必要ない。自分の強みを活かせる。


例によって斬られているのは私。


なのに、5分の攻防の末、兵士8は腹を押さえて倒れた。


健闘をたたえ、「等価交換」で後遺症を残すことは控えた。


メカリスの方を向くと、もう逃げようとしていた。


手下も彼女を守ろうとしていない。


「逃げるなら早くスタートすべきだったわね」


目が合った。恐怖の色が浮かんでる。


「無駄。視界に入っている限り逃がさな」


彼女も速い。


レベルが50あるとして、土魔法適正BならHPは最低でも600越え。それに準じたスピード。


ミールが念のため位置を把握してくれたが、手を出さないように言っておいた。


メカリスを追いかけた。


最初、離されていったが、あちらも2~3キロ程度の追いかけっこと思っただろう。


5分も走ると少しずつペースが落ちた。


私は時速42キロをキープしてオーク肉スタンバイ。


5秒ごとに「超回復走行」を実行している。



「はあっ、はあっ。低スペックなのに、なんで振り払えないの」


「ほら、逃げて。私に追い付かれたらボコボコに殴られるわよ」


「舐めるな」


彼女は私に向き直って「ストーンジャベリン」を放った。


土の槍は的確に私の胸に向かって飛んでける。ま、悠長に食らう気はない。


刺さった瞬間に『超回復』を唱えた。


魔法の槍は拡散して飛び散り、メカリスの足元にも1本が突き刺さった。


「・・うそ」


私はナイフを右手に持って、再びメカリスを追い始めた。


「いやあああ」


無言で追った。やつは必死に逃げた。


そして30分。


アリサに似てるだけの、醜悪な頬を切りつけた。


進行方向を塞ぐと、今度は来た方向に逃げ始めた。


3分後に追い付いて、口に切りつけた。


もう、アリサと同じ顔で嫌らしい笑いを浮かべさせない。


むかつく目を殴って、アリサと違う形に腫らした。



アリサと同じ色の髪の毛を切った。


そして奴は、とうとう倒れ込んだ。


「はあっ、はあっ、うげっ、うげえ」


「今回は逃がしてあげる。だけど、あなたがアリサに似てるだけでむかつく」


「はあっ、はあっ。そんな」


「私は今まで適当に構わず回復スキルを使ってきたけど、保留するわ」


後悔しろ。


「イーサイド男爵家がアリサを連れてきて私の前で謝罪するまで、貴族は治さない。それを言う」


「なによそれ・・。私達が恨まれるじゃない」


私は返事をせずに、その場を去った。





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