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翡翠と赤の海外視察  作者: 貴神
2/7

(2)翡翠と赤の前途多難な旅(後編)

翡翠の貴公子との二人きりの旅に、色々と赤の貴公子が、


自分を抑えられなくなってきます☆


BL色、強めです☆

一ヶ月にも及ぶ船旅が終わると、二人はウォルヴァフォードの都、テルフォードに到着した。


テルフォードはウォルヴァフォードの第二の都で近隣諸国との交易の港街でも在り、


商店街は人で賑わっていた。


二人は外套のフードを被って商店街を歩き乍ら、赤の貴公子が言った。


「二十年ほど前に此処に来たが、変わっていないな。


雰囲気も変わっていないし、人は多いのに治安が悪い儘だ」


「そうか」


様々な人種が行き交う街の風景を翡翠の貴公子は眺める。


すると。


「見ろ」


赤の貴公子が顎で示してくる。


「あの馬車の近くに居るのは人買いだ。あっちにも、あそこにも居るな」


赤の貴公子は、ぴたりと翡翠の貴公子の隣を歩き乍ら語る。


「ウォルヴァフォードは離れ諸島の近海の中継地点に在るだけに人の出入りは激しいが、


其の人の大半が、ハルかスウィンの港に移って次の船に乗り継いで行く。


つまり誰もテルフォードには長居はしない」


「其の話は聞いていた。確かに見ているだけで治安は悪そうだ」


「悪いな。此れだけ港を開放してい乍ら、テルフォードは宗教や人種に厳しい。


犯罪や人買いに狙われるのは、海を渡って来た異人たちばかりだ」


話し乍ら二人は人ごみの中を進む。


道には出店がわらわらと並んでおり、客引きをしている。


二人は商店には目もくれず、早足で進んで行く。


と、其の時。


翡翠の貴公子が突然、立ち止まった。


彼の目が細い路地をじっと見詰める。


暗い路地では三人の男が群がっていた。


地面には手足をばたつかせた女が居る。


女に馬乗りになった男が、楽しそうに服をビリビリと破いている。


だが男の手が女のスカートの中へ伸びた瞬間、男の身体は飛んでいた。


翡翠の貴公子に思いきり横蹴りを食らったのである。


「ぐわ!!」


男は地面に転がると、蹴られた顔を手で抑える。


突然の横槍に他の二人が声を上げた。


「何だ、てめえは?!」


御楽しみを奪われた男たちは、歯を剥き出し鋭く睨んでくる。


だが翡翠の貴公子は自分の外套を脱ぐと、女に被せてやる。


「もう大丈夫だ。早く行け」


そう静かな口調で女に言うと、言葉が通じたのか、


女はぶるぶると頷いて外套を羽織って路地を走って出て行った。


当然、男たちの怒りは頂点に達した。


「ふざけやがって!!」


殴り掛かって来る男を、翡翠の貴公子はひょいと交わすと、すかさず男を蹴り飛ばす。


一切手を使う気配を見せず其の場に立っているだけの翡翠の貴公子に、


男たちは力の差を感じたが、それでも残りの一人が雄叫びと共に襲い掛かって来た。


翡翠の貴公子は同様に蹴り飛ばすつもりだったが、彼が蹴るよりも早く男の身体が止まっていた。


何故なら男の腕を、ガシリと大きな手が掴んだからだ。


「貴様、主に手を上げるな・・・・許さん」


赤の貴公子は男の腕を片手で握った儘、持ち上げた。


「な、何だ貴様は・・・・ひい!! いっ・・・!!」


腕を掴まれた男の顔が驚愕から苦痛に変わる。


「よせ!!」


翡翠の貴公子が止めようとしたが、赤の貴公子は容赦無く男の腕の骨を砕いていた。


バキバキッ!! と耳障りな音が響くと同時に、


「うわああああ!!」


男は地面に崩れると、腕を抱えて転げ回る。


「!!」


腕の痛みに絶叫を上げる男に、翡翠の貴公子は駆け寄ろうとしたが、


だが赤の貴公子の大きな手が其れを許さなかった。


「行くぞ」


翡翠の貴公子の腕を掴んで強引に引くと、路地を出て歩き出す赤の貴公子。


翡翠の貴公子は吃驚して腕を解こうとしたが、赤の貴公子の腕はびくともしなかった。


半ば引きずられる様になり乍ら、翡翠の貴公子は声を上げる。


「離せ!!」


だが赤の貴公子は離すどころか腕を掴んだ儘、どんどん歩いて行く。


「離せ!! 赤の貴公子!!」


翡翠の貴公子は尚も腕を振り解こうとする。


だが赤の貴公子は振り向きもせずに、翡翠の貴公子を引っ張って歩いて行く。


翡翠の貴公子は歯軋りすると、渾身の力で以て赤の貴公子の大きな手を振り解いた。


「離せと言ってるんだ!!」


漸く腕が解放される。


すると、バッと頭に何かを投げ付けられた。


赤の貴公子が自分の外套を翡翠の貴公子に渡したのだ。


外套を手に、どう反応すれば良いか判らずにいる翡翠の貴公子に、


赤の貴公子は太い眉を寄せて唸る様に言う。


「二度と、あんな真似はするな。御前が襲われる」


低く怒りを告げてくる赤の貴公子に、だが翡翠の貴公子も怒りの眼差しで言い返した。


「御前こそ、何故あんな真似をした?? 腕を砕くなど遣り過ぎだ」


だが赤の貴公子は、きっぱりと答えた。


「御前に手を上げる奴は、誰であろうと許さない」


「俺は自分の身くらい、自分で守れる。其れを見極めて行動しているつもりだ」


「それでも御前に手を上げる奴は許せない」


「・・・・・」


「・・・・・」


両者一歩も譲らず睨み合う。


だが先に口を開いたのは赤の貴公子だった。


「早く外套を着ろ。黒髪にしていても御前は目立つ」


そう吐き捨てる様に言うと、赤の貴公子は「行くぞ」と歩き出す。


翡翠の貴公子は暫し其の場に突っ立っていたが、投げ付けられた大き過ぎる外套を羽織ると、


赤の貴公子を追った。


掴まれた右腕が痛い。


見ると、赤く大きな手痕がついていた。


「・・・・・」


翡翠の貴公子は黙って赤の貴公子の隣を歩いた。


どうやら此の二人の旅は、予想以上に前途多難の様であった。









ウォルヴァフォードの第二の都と云われるテルフォードに視察に来た、


翡翠の貴公子と赤の貴公子は、一先ず換金所で硬貨を換金すると、町の宿に泊まる事にした。


人の出入りの多いテルフォードの宿は何処も一杯で個別の部屋が取れず、


二人は三流宿の一つの部屋で寝泊りする事になった。


翡翠の貴公子は荷物を床に置くと、早速、地図を取り出す。


だが手持ちの地図では、テルフォードの詳細までは載っていなかった。


翡翠の貴公子は地図を折り畳んで鞄に戻すと、


「地図を買って来る」


休みもせず出掛けようとする。


すると赤の貴公子も、


「一緒に行く」


と言って、荷物を床に置いてついて来た。


二人は宿を出ると町の雑踏の中を歩いた。


歩き乍ら町の様子をさりげなく観察する。


町中は多くの旅人で溢れていた。


様々な言語が飛び交っているが、よく耳を澄ませてみると店の遣り取りでは、


ウォルヴァフォードの主流言語で在るゲル語で会話されていた。


時折、店で会話に困っている旅人も見掛けた。


「港町だと云うのに、ゲル語が徹底されているな」


言い乍ら、翡翠の貴公子は船旅中に勉強したゲル語を脳裏で反芻する。


ゲル語は、まるでカスタネットを叩く様な言葉で、早口で聞き取るのが難しかったが、


翡翠の貴公子は既に会話には困らない程度にはゲル語を習得していた。


間も無くして二人は小さな書店を見付けると、中へ入った。


店員の男はちらりと二人を見ただけで、カウンターに座っている。


二人は地図が並んでいる棚へ行くと物色したが、


地図は二、三類程度のウォルヴァフォードの地図しかなかった。


翡翠の貴公子は手に取ってみると、一番細かに書かれた地図を選んだ。


「此れにするか??」


「そうだな」


赤の貴公子が頷くと、翡翠の貴公子は地図をカウンターへ持って行き、短いゲル語を交わし、


小銭を払って購入した。


二人は書店を出ると、直ぐに翡翠の貴公子が言った。


「外套を買いたいんだが」


翡翠の貴公子は地面にずる外套を羽織っていた。


其れは赤の貴公子に寄越された外套であり、大きくて非常に歩き辛かった。


そして勿論、赤の貴公子は外套を纏っていない。


「そうだな」


自分だけ外套無しで視察を続ける訳にもいかないだろうと納得したのか、赤の貴公子は頷いた。


二人は出店の布売り場へ行き、翡翠の貴公子は外套を購入した。


翡翠の貴公子は着ていた外套を赤の貴公子に返すと、自分の背丈に合った外套を羽織った。


そして、やっと本格的に二人は視察を開始した。


視察は実に地味な作業である。


時には人から直接話を聞く事も在るが、殆どは歩き見て回るの一本だ。


町は整備されているかどうか、建築物はどんな物か、人口はどれくらいか、


又どの様な人種が行き交っているか。


実際、遣われている主流言語は何か、主食、流行っている物資は何か。


誰がどの様に町を治めているか、其の治める人物は、どんな人間か。


其れ等を統計したら、国全体はどんなものか。


其の全てを、目と足で確かめていくのだ。


二人は日中、町中や民家、店を見て歩き、日が暮れるまで視察をして回った。









夕方。


宿へ戻って来ると、翡翠の貴公子は手帳に今日見て入手した情報を走り書きしていた。


赤の貴公子も外套を脱いで寝台に座ると、自分の手帳に書き留め始める。


此の書き溜めた手帳を持って帰り、二人の手帳を照らし合わせて調査書を作るのだ。


小さな部屋の中では、鉛筆が紙をなぞる音だけが響いている。


元々寡黙な性格で在る二人は無駄話を全くしなかった。


手帳に今日の視察の結果を書き終えると、漸く赤の貴公子が声を発した。


「夕食を食べに行かないか??」


ウォルヴァフォードに着いてから直ぐに視察に入った為、此の日、二人は、


まだ何も食べていなかった。


どうやら赤の貴公子は腹が減っている様だ。


「ああ」


翡翠の貴公子は頷くと、手帳を閉じて懐に仕舞った。


宿の一階は居酒屋になっており、二人は階段を下りて向かう。


居酒屋は宿泊人だけでなく旅人の客でも溢れており、其の殆どが男ばかりだった。


二人は端の席に座ると、まず麦酒を店員に頼んだ。


「人種の数が凄いな」


「ああ」


二人がさりげなく店内を見回していると、直ぐに麦酒ジョッキが運ばれて来た。


店員にオーダーをして麦酒を飲み乍ら、二人は店内を視察する。


店内は、白人、赤人、黒人が入り交ざっている。


背格好もそれぞれで、此の酒場だけでも港の様だ。


それなのに店員は、ゲル語しか話さない徹底ぶりである。


客の中には辞書を片手に注文する者も居る。


「町の大きさの割りには、店数が少ない。だから、こんなに人が集中する」


赤の貴公子がぼそりと言うと、翡翠の貴公子も頷いた。


今夜、宿がとれたのも、運が良かったと云えるだろう。


注文した料理が運ばれて来ると、其れ等は見るからに安っぽかった。


翡翠の貴公子はシチューを一口食べてみる。


「・・・・脂が多いな」


御世辞にも旨いとは言い難い料理に、抑揚の無い声で言う。


だが赤の貴公子は骨付きチキンをばくばく食べ乍ら言う。


「西へ行けば行く程、食べ物は脂っこくなる。俺は大陸の味付けよりは、西の方が好きだ」


「そうか」


其の土地の料理を味わうのも、視察の一環だ。


あとで手帳に書き留めておこうと思う、翡翠の貴公子。


二人が視察がてらに食事をしていると、酒で酔っ払った男二人がテーブルへ近寄って来た。


「よ~~!! 兄ちゃんと姉ちゃん、元気か~~??」


酔っ払った其の声は何処かの異国の言葉であった。


挿絵(By みてみん)


「・・・・・」


赤の貴公子は冷やかな目で男たちを見返したが、翡翠の貴公子はきょとんとしている。


そう。


翡翠の貴公子には何処の言葉か判らなかったのだ。


「いや~。さっきから見ててさ、綺麗な顔してんな~って思ってな~~」


「そうそ!! ひっく!!


女かな~~と思って来てみたらさ~~いや~~美人だねぇ~~~姉ちゃん!!」


呂律が上手く回らない男たちを、赤の貴公子が鋭く睨んだ。


どうやら赤の貴公子は男たちの言葉が判る様だ。


「そんな男みたいな格好してるからさ~~女かどうか判らなかったんだがな~~」


「女なんだろ~?? 姉ちゃんよ~~」


一人の男がテーブルに肘を着いて、翡翠の貴公子に顔を近付けてくる。


其の途端、ガタッ!! と勢い良く赤の貴公子が立ち上がった。


そんな赤の貴公子の腕を、咄嗟に翡翠の貴公子が掴む。


「よせ!!」


今にも酔っ払いに掴み掛かりそうな赤の貴公子を制する。


「騒ぎを起こすな!!」


「・・・・・」


だが赤の貴公子は怒りが治まらないのか、拳を握っている。


翡翠の貴公子は赤の貴公子の腕を引いて、何とか座らせようとし乍ら言う。


「こう云う事は慣れてる。俺は平気だと言ってるんだ」


言葉は判らなかったが、男たちが自分に絡んできたのであろう事は、翡翠の貴公子も、


もう理解していた。


「・・・・・」


赤の貴公子はぶるぶると拳を震わせていたが、酔っ払いをギロリと見ると、


「次に逢ったら、貴様ら殺すぞ」


異国語で吐き捨てて椅子に座った。


酔っ払いの男たちはと云うと、赤の貴公子が立ち上がった時点で、


既に恐怖に色褪せた顔をしていた。


身体のでかそうな男だとは思っていたが、


まさか218センチもの山の如く背が大きい男だとは思っていなかったのだ。


男たちはせこせことテーブルを離れると、青ざめた顔で自分たちの席へと戻った。


翡翠の貴公子は小さく溜め息をつくと、気分直しに麦酒を一口飲んだ。


そして、思う。


赤の貴公子が此れ程に気が短かったとは知らなかった・・・・と。


二人だけの旅路で思わぬ幼馴染みの一面を知ってしまった、翡翠の貴公子だった。









夕食を終えた二人は部屋に戻ると、また手帳に視察内容を書き込んだ。


其れが終わると当然、風呂に入る時間が訪れた。


宿の風呂は個室にはついておらず、大衆浴場となっている。


赤の貴公子は着替えを用意すると言った。


「そろそろ風呂に行かないか??」


だが翡翠の貴公子は地図を広げて、明日、回る場所をチェックしている。


「後で入る。先に行っててくれ」


どうやら翡翠の貴公子は人目を避ける為に、終盤になってから行くつもりの様だ。


「なら俺も後で入ろう」


抑揚の無い声で言ってくる赤の貴公子に、だが翡翠の貴公子はきっぱりと言った。


「俺は一人で入りたい」


すると赤の貴公子は問うてくる。


「見られるのが嫌なのか??」


「嫌だ」


「・・・・・」


はっきりと断られ、赤の貴公子は仕方なさそうに頷くと、


「先に入って来る」


一人、着替えを持って部屋を出て行った。









冬の夜は星空が綺麗で、翡翠の貴公子は上着を肩に掛けて窓辺に座っていた。


すると寝台で頭から毛布を被っている赤の貴公子が、やや抗議の声で言った。


「主・・・・寒い。そんな所に居たら、御前も風邪をひくぞ」


火系ひけいの異種で在る赤の貴公子は、寒さにはめっぽう弱かった。


翡翠の貴公子は窓辺から下りると、窓を閉め、


まだ乾ききっていない髪をタオルで拭き乍ら寝台に座った。


隣の寝台の赤の貴公子はぶるぶると震えており、いつになく小さく見える。


ウォルヴァフォードはゼルシェン大陸ほど寒くはなかったが、


それでも冬を目前とした此の季節は、やはり冷え込んだ。


「悪かった」


赤の貴公子が寒さに弱い事をすっかり忘れていた翡翠の貴公子は、謝り乍ら自分の髪を拭く。


赤の貴公子は暫く毛布に包まっていたが、毛布の隙間から翡翠の貴公子をじっと伺っていた。


此の寒いのに、薄着のシャツに上着を羽織っただけの翡翠の貴公子。


服から出た手足は皓く、ほっそりとしている。


うなじも又、皓く艶めかしい。


染められた黒髪の前髪から覗く瞳は、透き通る美しい翡翠の瞳だ。


其れを見詰めていると、激しい情動が赤の貴公子を襲った。


ガバッと赤の貴公子は頭から被っていた毛布を跳ね除けると、立ち上がり、


ガシリと翡翠の貴公子の肩を掴んだ。


「主・・・・!!」


其のまま押し倒してくる赤の貴公子に、翡翠の貴公子は吃驚して翡翠の瞳を見開いたが、


赤の貴公子の腕を払おうとする。


「辞めろ!!」


だが赤の貴公子は上に跨って来ると、


「主・・・・!! 御前が欲しい!!」


最早、我慢出来ないと云う様に接吻してこようとする。


「辞めてくれ!!」


翡翠の貴公子は赤の貴公子の顔を右手で押し退けようとしたが、


其の彼の細い腕を赤の貴公子の大きな手がガシリと掴むと、


「無理だ、抑えきれん」


力尽くで愛しい唇に口付けようとしてくる。


だが・・・・翡翠の貴公子は左腕を自分の顔に当てると、


「辞めてくれ・・・・頼む・・・・争いたくないんだ・・・・」


顔を庇う皓い腕は拳を握っていた。


だが赤の貴公子を殴る気配は無い。


こんな事で、翡翠の貴公子は争いたくなかった。


「・・・・・」


赤の貴公子は暫し黙って翡翠の貴公子を見下ろしていたが・・・・とうとう負けたのか、


彼の上から退いた。


「・・・・悪かった」


謝って自分の寝台に戻る。


二人のどちらの力が上かなど、そんな事は今の時点では判らなかった。


だが争えば、血を見る事は明らかだろう。


慰安旅行の二の舞いを此処でするのは、流石に赤の貴公子にも憚られた。


「もう寝る」


ぼそりと呟くと、赤の貴公子は毛布に潜り込んだ。


翡翠の貴公子は、まだ湿った髪の儘、暫く黙って寝台に寝転がっていた。

この御話は、まだ続きます。


初日からして、又しても貞操の危機?の翡翠の貴公子です☆


これからの二人旅を、想像して戴けたら幸いです☆


少しでも楽しんで戴けましたら、コメント下さると励みになります☆

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