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翡翠と赤の海外視察  作者: 貴神
1/7

(1)翡翠と赤の前途多難な旅(前編)

今回は、翡翠の貴公子と赤の貴公子との二人旅の御話です☆


BL色、強めです☆

秋も終盤に差し掛かる頃、翡翠ひすいの館のサロンでは口論が響いていた。


言い合っているのは、翡翠の館、居候のきんの貴公子と、一族一の鬼女、


夏風なつかぜの貴婦人だった。


「駄目だって!! あいつ、ほんとヤバイんだから!!」


「其れは知ってるわよ。でも、もう決めちゃったし」


「何で、そんな事、勝手に決めるんだよ!!」


「はぁ?? 今迄だって私が決めてきただろうが!! 何が勝手だ??」


「そ、そりゃ、そうだけどさ、今回のは駄目だって!!


夏風の貴婦人は、あいつのヤバさを知らないんだよ!!」


「いや、あんたより知ってるつもりだけど??」


口論する二人の傍で、翡翠ひすいの貴公子は一人静かに紅茶を飲んでいる。


今日は珍しく、翡翠の貴公子と金の貴公子、夏風の貴婦人の三人で、


茶を飲み乍ら仕事の話をしていた。


三人にこやかに茶と菓子を楽しみ乍ら話が進められるかと、


控えているミッシェルは思っていたのだが、夏風の貴婦人が取り決めた仕事の内容に、


金の貴公子がブーイングの声を上げ、一気に険悪なムードになってしまっていた。


唯一人、翡翠の貴公子は紅茶を飲み乍ら、テーブルに広げられた地図を黙って見ている。


夏風の貴婦人はスコーンを二つに割ると、クリームとベリーソースを乗せて、


其れを口に放り込み乍ら金の貴公子を睨み付けた。


「もう、いいでしょ。好い加減、観念しなさいよ」


「いや、出来ないって!! てか、納得出来ないし!!」


普段ならば一族一の鬼女に口答え出来る金の貴公子ではなかったが、今日は違った。


断固として引かない金の強い眼差しで、鬼女に立ち向かっている。


金の貴公子は、とうとう我慢ならず立ち上がると、


「ちょっと部屋出ようぜ!!」


夏風の貴婦人を語調強く呼ぶ。


夏風の貴婦人は実に面倒臭そうな顔をすると、マカロンを左手で鷲掴みにし、


仕方なさそうに立ち上がって、金の貴公子と部屋を出る。


二人は廊下を歩いて部屋から離れると、金の貴公子は勢い良く振り返って言った。


「あのさ、俺は別に自分が寂しいから、今回、言ってる訳じゃないんだぞ!!」


「寂しいくせに」


ふふん!! と鼻で笑う、夏風の貴婦人。


「五月蠅い!! そうだよ!! 寂しいよ!! 悪いか!!」


「やっぱ寂しいんじゃん」


「だからっ!! そう云う事を言ってるんじゃなくて!!


何で主とマッチョを、一緒に視察に行かせるんだよ?!」


そう。


其れこそが今、金の貴公子が激怒している理由であった。


マッチョとは一族一の大男のあかの貴公子の事である。


今回、久し振りに大陸の外へ視察へ行く様、上からの御達しが在り、其の視察に行く同族を、


翡翠の貴公子と赤の貴公子に夏風の貴婦人が決めたのである。


しかし赤の貴公子と云えば翡翠の貴公子に恋心を持っており、


普段から激しい猛烈アタックを翡翠の貴公子にしてくる様な男である。


そんな赤の貴公子と一緒に翡翠の貴公子を長期間二人だけにするのは、金の貴公子としては、


とても心休まるものではなかった。


「何で、よりにもよって、あのマッチョなんだよ?? マッチョじゃなくたっていいだろ??」


「何でって外国語が流暢だから」


夏風の貴婦人は左手に掴んできたマカロンを食べ乍ら平然と答える。


しかし金の貴公子は負けじと言った。


「外国語なら、俺は誰にも負けない。俺が一緒に行くよ。其れならいいだろ??」


金の貴公子は一族一長寿の異種で在り、八百年以上も様々な国を渡り歩いてきた為、


外国語には強かった。


だが夏風の貴婦人はマカロンを食べ乍ら、全く聞き入れようとしなかった。


「あんたじゃ駄目よ。ウォルヴァフォードは治安が悪いの。


武術出来ないあんたじゃ、足手纏いになるだけでしょうが」


「そ、それは・・・・」


流石に其れには金の貴公子も反論出来なかった。


己の身も護れない自分が翡翠の貴公子と共に治安の悪い場所へ行けば、当然、


翡翠の貴公子が自分を守ってやらなければならなくなるだろう。


つまり外国語が流暢で武術に長けている赤の貴公子は適任なのである。


しかし・・・・だからと云って金の貴公子は納得出来なかった。


「夏風の貴婦人だって、主の事、好きなんだろ?? 少しは主の心配とかしないのか??


一緒に行くのが、あのマッチョなんだぞ?? ヤバイと思わないのかよ??」


「全然」


夏風の貴婦人は持ってきたマカロンを全部食べてしまうと、あっけらかんと答えた。


「あいつは赤の貴公子くらいに遣り込められたりしないわよ。其のくらい自分の身は守れる奴よ」


「で、でもさ!!」


「はいはい。もう此の話は終わり!! あいつは赤の貴公子と視察に行くの。


もう決まった事なの」


「何だよ其れ・・・・!! 大体、夏風の貴婦人は、いつも横暴なんだよ!!」


つい普段の本音を言ってしまった金の貴公子に、だが夏風の貴婦人の目の色が変わると、


ガッ!! と金の貴公子の襟元を掴んできた。


「横暴、結構。悪い??」


「あ・・・・い、いえ・・・・」


今にも殴ってきそうな彼女の拳に、金の貴公子は我に返ると、もう反論しなかった。









そして、出発当日の朝が訪れた。


翡翠の貴公子は髪を黒く染め、目立たないラフな服装に外套を羽織り、旅人風の姿で、


屋敷の門の傍で執事とミッシェル、金の貴公子と共に待っていた。


屋敷の門の前には辻馬車風の馬車が止まっており、此れで港まで行く予定だった。


あとは、もう一人が来るのを・・・・と皆が思っていたところに、一頭の馬が走って来た。


馬に跨っているのは、同じく旅人姿の赤の貴公子だ。


「マッチョ、遅ぇよ!! 何、ちんたらしてんだよ!!」


顔を合わせるなり噛み付いてくる金の貴公子には全く反応せず、赤の貴公子は馬を下りる。


「待たせたな」


あくまで翡翠の貴公子に話し掛ける赤の貴公子に、


金の貴公子は赤の貴公子の太い腕に自分の腕を回すと、


「ちょっと、こっち来いって!!」


数歩、引っ張る。


「何だ??」


眉一つ動かさず見下ろして来る山の様な大男に、だが金の貴公子は臆する事なく言った。


「単刀直入に言う!! 旅の間、絶対、主に手を出すなよ!!」


「・・・・・」


挿絵(By みてみん)


前もって誓いを立てさせようとする金の貴公子に、だが赤の貴公子は、


「其れは無理な話だな」


抑揚の無い声で堂々と答える。


「な・・・っ!! てめぇ・・・・!!」


余りに信じ難い赤の貴公子の返事に、金の貴公子は胸倉を掴もうとした。


だが。


「もう行くぞ」


翡翠の貴公子に呼び掛けられる。


金の貴公子は空を手で握ると、笑顔で振り向いて、


「あ、そうだな!! ほら!! 御前も、ちゃんと任務を全うしろよ!!」


バシ!! と赤の貴公子の胸を叩いた。


翡翠の貴公子と赤の貴公子が馬車に乗ると、執事とミッシェルが一礼する。


「いってらっしゃいませ」


「いってらっしゃいませ」


金の貴公子も慌てて手を振る。


「主、気を付けてな~~!!」


「ああ」


翡翠の貴公子が短く答えると、執事が馬車の扉を閉めた。


パシリ!! と手綱の音が鳴ると、ゆっくりと車輪が動き出し、馬車が走り出す。


馬車が見えなくなるまで三人は見送ると、門を閉めて館へと歩いて戻る。


すると金の貴公子の隣を歩くミッシェルが心配そうに言ってきた。


「主様、行っちゃいましたね。今日から、どうされますか??」


同情されている気がして、金の貴公子はばつの悪い顔になったが、


何でもないと云う様に明るく答える。


「べっつにぃ?? あー、暫く好き放題出来るから嬉しいな~~」


だが、そんな言葉に、もうミッシェルも騙されはしない。


「又そんな言い方して・・・・でも娼館通いはしないで下さいよ??」


ぴしゃりと先に釘を打ってくる。


「はぁ?? 御前に関係無いだろ??」


「在りますよ。翡翠の館にとってマイナスになりますから」


「う、五月蠅ぇぇ!! チェリーだからって羨ましがるなよ!!」


「なっ・・・!!


金の貴公子様だって寂しいからって直ぐに女の人の処に行くの、辞めたらどうですか?!」


「べ、別に寂しくねぇよ!! 馬鹿にすんじゃねぇ!!」


「寂しいくせに」


「五月蠅ぇんだよ、御前!!」


両者一歩も譲らず、屋敷の中に入っても言い合いは続いた。


そんな寂しがり屋の金の同族を残して、翡翠の貴公子は暫しの旅に出たのである。









港へ向かう馬車の中、翡翠の貴公子と赤の貴公子は向かい合って座った儘、一言も喋らなかった。


どちらも寡黙な性分であり、話に花を咲かせるタイプではなく、


シンとした沈黙は港に着くまで続いた。


会話がないまま三刻半が過ぎると、馬車は南部の大港に到着した。


港は艶やかなドレスや礼服を纏った人々で溢れていた。


大型の豪華客船が港に着いており、殆どが其の客と思われる。


翡翠の貴公子と赤の貴公子はフードを被って下車すると、豪華客船の列に並んだ。


二人も又、此の船に乗る事になっていた。


列を成した人々は係員にチケットを見せ、船橋を渡って次々と船に乗り込んで行き、


直ぐに二人の番もきた。


「はい、どうぞ」


係員に半券を渡され、二人も橋を渡って船に乗り込む。


翡翠の貴公子も赤の貴公子も贅沢をしようとする性格ではなかったが、


チケットの示す部屋へ行ってみると、個別の一等部屋だった。


金を掛けず二人部屋も取れただろうが、


此の辺りは夏風の貴婦人が気を利かして取ってくれたのだろう。


二人は各自の部屋に入ると荷物と外套を置いて、ラフな姿で部屋を出た。


すると赤の貴公子が腹が空いたと言うので、船内のレストランに行く事にした。


「行くなら、二等船のレストランにしないか??」


翡翠の貴公子が言うと、「そうだな」と赤の貴公子も頷く。


一等部屋に泊まっているとは云っても二人の姿は軽装で、


一等レストランへ行けば浮く事は目に見えていた。


それならば二等レストランの方が気兼ねなく入られると云うものだ。


二人は二等船に向かって船側面の甲板を歩いて行く。


二等船内に入ると、途端に乗客たちの身形が変わった。


軽装の者が多く、時折きちんとした身形の者も居たが、其れほど派手な者は居ない。


其の中に二人の姿も直ぐに溶け込む。


二人が二等レストランへ入ると、中は広く小綺麗で客で賑わいでいた。


雰囲気は大陸南部のレストランと、そう変わらない。


すると店員の男が迎えると、問い掛けてきた。


「言語は、どちらで??」


店員が見せて来たパネルにも「言語は、どちらですか??」と、あらゆる言語で書かれて在る。


「ゼルシェン大陸語だ」


赤の貴公子が答えると、店員はにこりと笑って、


ゼルシェン大陸語で「此方へ」と二人を席へ案内した。


「御決まりましたら、御呼び下さい」


そう言って、テーブルにゼルシェン大陸語で書かれたメニューを置いて行く。


二人はそれぞれメニューを手に取ると、暫し黙って見る。


そして赤の貴公子が、


「決まったか??」


ぼそりと言ってきて、翡翠の貴公子は頷いた。


赤の貴公子が手を軽く上げると、店員が直ぐに遣って来た。


「御決まりでしょうか??」


赤の貴公子はメニューを見ながら言う。


「チキンのクリームソーススープにスパイシーチキン、厚切りビーフステーキ、


若鶏のカレー煮込み、ホッケのバジル焼き、フィッシュ・アンド・チップス、


それからパンと麦酒大ジョッキで」


其れには店員も翡翠の貴公子も一瞬ぽかんとした顔になる。


だが直ぐに店員は笑うと、オーダー表に書き込んだ。


「そちらの御方は??」


笑顔で問われ、翡翠の貴公子も注文する。


「茸のパスタとサラダを。あと水を」


「かしこまりました」


店員が一礼して去って行くと、赤の貴公子が突然、真剣な顔で問い掛けてきた。


「主。何処か具合が悪いのか??」


「いや?? 別に悪くないが??」


質問の意味が判らず首を傾げる翡翠の貴公子に、赤の貴公子は真剣な眼差しで言う。


「何故、そんなに少ししか食べない??」


其の質問に、翡翠の貴公子の顔が一層疑問の顔になる。


「別に普通だろう??」


「何処が普通なんだ?? もしかして金の事を気にしているのか??」


「いや、別に気にしてないが」


「だったら何故、あんな少ししか頼まなかった??」


「・・・・・」


此処まできて漸く翡翠の貴公子は、赤の貴公子の言っている意味を理解した。


どうやら自分が注文した量が赤の貴公子からすると少な過ぎた様である。


そして其の理由は、体調が悪いせいか旅費の心配をしているせいかと、赤の貴公子は思った様だ。


因みに旅費は豪華客船で浪費しても十分な程に、夏風の貴婦人から貰っていた。


そんな訳で翡翠の貴公子は、どう返答すれば良いのか判らなかった。


翡翠の貴公子からすると、赤の貴公子のオーダーの量こそが異常であり、


あんなに食べられるのかと少し心配になってしまいそうだった。


だが実際料理が運ばれて来ると、翡翠の貴公子がパスタとサラダを食べるよりも早く、


赤の貴公子はテーブルの料理をたいらげ、


更にパンとビーフステーキと麦酒をおかわりしたのだった。









食事を終えた二人は船側面の甲板に出て、欄干に肘を着いて潮風に当たっていた。


日は傾き、藍色の海の表面がきらきらとオレンジ色に光っている。


二人は無言で海を眺めていた。


波を切って進んで行く船が飛沫を上げ、ザザザ・・・・とした音と、


甲板ではしゃぐ子供たちの声だけが時折り耳に届く。


どのくらいぼんやりと秋の海を眺めていたのか、赤の貴公子がぼそりと言った。


「こうしていると、旅をしていた時の事を思い出す」


赤の貴公子は百年以上も妹のあかの貴婦人と共に旅をしてきた。


其の旅で船に乗る事も、よく在った。


だが、ゼルシェン大陸に移住してからは船に乗る事もなくなった。


翡翠の貴公子は海を眺めた儘、言う。


「どのくらいの国を回ったんだ??」


問われて、赤の貴公子は海のずっと向こうの水平線を見遣り乍ら答える。


「どのくらいか・・・・見当もつかないな。一ヶ所に長居する事がなかったからな。


御前と出逢った子供の頃から旅をしていた。数えきれない程の国を回った」


「そうか」


また沈黙が訪れる。


そんな続かない会話をぽつりぽつりと繰り返し乍ら、二人は船旅を送った。









二人の豪華客船の旅は、実に華の無いものだった。


翡翠の貴公子は朝起きると、筋力トレーニングをして湯浴みをし、


赤の貴公子が食事に誘いに来るまでは、


黙々と目的地のウォルヴァフォードの言葉の勉強をしていた。


食事の後は二人で海を眺めたが、会話と呼べる会話は殆どしなかった。


だが此の日の夜は違った。


いつもなら夕食に誘って来る赤の貴公子が、酒瓶を片手に翡翠の貴公子の部屋を訪れた。


レストランで仕入れて来たのか、


箱に入った山盛りの手羽先と赤ワインのボトルを三本を、テーブルに置く。


「たまには二人で飲まないか??」


言われて、翡翠の貴公子は頷いた。


「ああ」


赤の貴公子はコルク抜きでポンとコルクを抜くと、二つのグラスに注いだ。


そして手羽先を齧り乍ら、ワインをごくごく飲み始めたが、


翡翠の貴公子は手羽先には手を着けず、一口一口味わう様にワインを飲む。


そうしていると必然的に又、沈黙が二人の間を流れた。


だが暫くすると酒で上機嫌になってきたのか、赤の貴公子が喋り出した。


「酒はあらゆる国で飲んできたが、ずっと東の国の焼酎と云う酒が、俺は好きだ」


すると翡翠の貴公子が答える。


「しょうちゅう?? 聞いた事がないな」


「此の辺の二大陸一帯では見かけない酒だ。多少癖が有るが、俺は好きだ」


「そうか」


そして又、沈黙が訪れる。


実に会話の弾まない二人だ。


黙々とボトルの中のワインだけが減っていく。


酒に弱い翡翠の貴公子の頬は既にほんのりと赤く、


ふうー・・・と息を吐き乍ら長椅子に寄り掛かる。


すると、


「眠いか??」


赤の貴公子が訊いてきた。


「・・・・ああ」


翡翠の貴公子は、うとうとと瞬きをし始める。


そんな翡翠の貴公子を赤の貴公子は、じっと見ていたが、


いよいよ翡翠の貴公子が重く目を閉じると、突然、立ち上がった。


翡翠の貴公子に近付き、其の細い肩を大きな手で掴む。


そして襟元から覗く皓い首筋にキスをしようとして・・・・


ガッ!! と翡翠の貴公子の腕が防いだ。


「辞めてくれ」


いつもと変わらない静かな口調で言う。


「・・・・・」


だが赤の貴公子も此処まで身を乗り出してしまっては、引くに引けなかった。


勢いに任せて翡翠の貴公子を抱きしめようとするが・・・・


翡翠の貴公子は赤の貴公子の手を払うと、椅子に座り直し、


「辞めてくれ。旅路で争いたくない」


大きな翡翠の瞳で見据えて言う。


其のすこぶる美しい翡翠の瞳が此れ以上は絶対に許さないと、強い光を放っている。


其の彼の瞳に赤の貴公子は身を引いた。


「悪かった」


赤の貴公子は自分の椅子に戻ると、再びワインを飲み始める。


こうして翡翠の貴公子は難を逃れたのだが、


此の後も何度も何度も赤の貴公子は感情を抑えきれず迫ってき、


其の度に宥める様に翡翠の貴公子は防御に入ったのであった。

この御話は、まだ続きます。


旅を始めた二人ですが、早くも貞操の危機?の翡翠の貴公子です☆


これからの二人旅を、想像して戴けたら幸いです☆


少しでも楽しんで戴けましたら、コメント下さると励みになります☆

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