表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/26

20 予想外

「はい、そこまで」


 ロイとクルス君の戦いが終わる。決着は付かなかったけど、どちらも凄かった。


「お姉様、ロイ凄く強くなっていましたね」

『お姉ちゃんの方が凄いよ!』

「……いや、変なところで対抗意識出さないでくださいよ」


 相変わらずお姉様のこだわるポイントはよく分からないわ。


「やるじゃねーか。ただの青二才じゃないようだな」

「君こそ、勝てると思ったんだけどね」


 ロイとクルス君が握手を交わす。男同士の友情って何か良いわね。


「さて、では次の試合ですけど……」

「GA」


 お姉様が手を上げる。


「……ヘレナさん、本当に大丈夫なんですか?」

『ここから始まる私の伝説』

「お姉様はどうしてそんなに伝説を始めたいんですか?」

「まぁ、ヘレナなら伝説になりそうな気はするけどね」

「伝説って、おもしれー女だな。何なら俺が相手をしてやろうか?」


 冗談だと思ったのかしら? クルス君が無謀な名乗りを上げる。


「いいえ。私がしますわ」

「おい、ロネンサ。横槍かよ?」

「横槍? 貴方はさっき戦ったばかりでしょう。でしゃばらずに引っ込んでなさいな」

「……ったく、わーったよ」

「それで良いのですわ。さぁ、私と勝負しなさいな」


 不敵な笑みを浮かべるロネンサだけど……勝負になるのかしら?


「お姉様、あまり本気を出さないでくださいね」

「GA」

「あら~。すっごい自信ね~。ロネンサちゃんはかなり強いのに~」

「ミララ先生!?」


 驚いた。いつの間にこんな近くに?


「はい。これはヘレナちゃんのリング。私の魔法がある限り怪我はしないから、気楽に戦ってね~」

「……」


 あら? お姉様ったら、ロネンサの次はミララ先生を見つめて、先生の桃色の髪と瞳が珍しいのかしら?


「ほら、お姉様、ロネンサが待ってますよ」

「GA」


 そしてお姉様とロネンサが向かい合う。


「ふふ。逃げなかったのは褒めてさしあげますわ。自称天才さん」


 どうしよう、ロネンサに自信がありすぎてちょっと可哀想に見えてきたわ。ロネンサのことはあまり好きではないけれど、試合の後は優しくしてあげようかしら。


「それでは二人とも準備はいいわね。……初め!!」


 その合図と共にドカッ!! と膝が顎に入って大きく上半身が揺れる。ロネンサの……ではなくお姉様の。


「え?」


 予想外の展開。というか翼!? 何でロネンサの背中に翼が。


「死ぬがいい、偽王よ!!」


 黒い炎を纏ったロネンサの拳がお姉様を吹き飛ばした。


「え? へ? ま、魔族!?」


 ロネンサは魔族だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ