前へ目次 次へ 30/35 第二十九節 三月の中旬に入った時だった。三年生の卒業式が終わり、春休みの気配が漂ってくる、そんな日。 清々しい春に似合わない、ひと際灰色の雲に包まれた、雨模様の大空。 僕の焦燥は当たり、終わりは突然訪れた。 本当に。唐突に。無慈悲に。 三森さんはとても優秀な人だと知っている。けれど、同時に自分の死を前にして恐れていることも知っている。それなのに神様は彼女を殺そうとしていて、助けようとしない。僕は一生、神様とやらを許さないだろう。