表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/35

第十二節

 ……眠ったか。


 穏やかな寝息を立てながら、京介は眠っている。雪合戦したからか、かなり疲れている様子だった。暫く眠らせておいてやるか。


 と言うか寒い。体が凍りつきそうだし、未だに指先の間隔が戻っていない。。けれど京介にブランケットをやったのは間違いだったとは思わなかった。私にも一応情があったのだな、と少しだけ自分が好きになる。非常用にカイロを取っていてよかった。すぐに背中や脇に貼り、極寒をしのぐ。


 「それにしても初めてだな。京介が私の名を呼ぶのは」


 いつも貴方とかしか言わなかったのに。それだけこいつが私に心を許してくれたということかね。まあきっと京介は意識していないだろうけど。


 過去を回想し軽い感傷に浸っていると、ずきりと体に痛みが走る。いつの間にか慣れた、鳩尾を中心とした、ズキズキする鈍痛。


 「……そろそろか」


 私は引き出しを開け、一番奥に置いたポーチから中身を取り出す。


 中に入っているのは、オピオイド鎮痛剤。かなり強い薬。水と一緒に飲み下した。


 数分後、痛みがするすると引いていく。先ほどのは一体何だったんだろうと思うくらいに快調だ。


 「……いつまでも隠し通せない。分かってたはずなのに」


 何も知らずに呑気に寝ている京介を見、私は呟く。


 別れのタイムリミットまで、僅か。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ