モフモフが好きだ。というだけのエッセイ
モフモフが好きだ。
私の好きなモフモフは、犬だ。
特に好きなモフ犬は、白モフ犬だ。
日々、ぬこの写真に癒されてはいるが、実は道を歩いていて振り返ってしまうほど、モフ犬が好きだ。
ああ、あの白さ。
ふわふわの毛並み。
飛び上がると肩まで来るであろう大きさ。
なのに、ご主人様の近くでちゃんとお座りをしている。
藤棚を見に行った時に偶然見かけたその姿。
垂れ下がり薄紫色の藤の下で、大人しく座っているその白いモフモフ姿。
ああ、触りたい。
そよそよと風に揺らぐ白毛。
勇気を出して藤を眺める振りをして近寄り盗み見ると、こちらをつぶらな瞳で見返してくる。
ぎゅむぎゅむしたい。
その白い綿毛のような毛並みに鼻を突っ込んでぐりぐりしたい。
ハッハッと息をしている君に、わふんっと言ってもらいたい!
しかしかなしいかな、君はどれだけ忠実なのか、ご主人様の元を離れない。
あ、僕の事(私かもしれない)好きなの?
という目だけをして、こちらを見てくる。
くうっ、こちらが人見知りだということを知らないで。(当たり前だ知るよしもない)
君のご主人様に声をかけるなんて、夢のまた夢、触っていいですよオーケーが出ようものならば、ご主人様が引くぐらいの猫っかわいがりをしてしまうに決まっている。(犬です)
でも。
やっぱり。
憧れの。
モフモフ。
……っ……モフモフ!!!
あっ
意を決してお願いをしに声をかけようとした時に、そろそろ行くよ、とご主人の声。
今、今声をかけたらお情けで触らせてもらえるかもしれないのに、掠れ声も出ず、ぎゅうと手を握りしめる。
白いモフモフは、こちらを振り向きもせず、ご主人様の横をモフモフのしっぽをフリフリしながら行ってしまった。
私はエッセイというものをそんなに書いた事がない。これがエッセイという代物なのかも、甚だ疑問である。
ただ、これだけは声を大にして言いたい。
私は、私はモフモフが好きだ!!!
今度こそモフモフをさせてもらう為に、藤が落ちてしまった公園の近くを未だうろついているのである。