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魔王様から魔ノ神様へ  作者: 天照狂気ノ仮面
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魔王から魔ノ神へ



「……またか」


我はため息をつく


「魔王ヘルスヴァード!今日こそ貴様を打ち取る!」


我の目の前にいる者。そう、勇者である。


勇者とは、この世界の者からおよそ1割。

異世界と呼ばれるところからこちらの世界にやって来た者の中からおよそ6割。

そんな比率で存在している人族の職業である。

勇者は、人族の天敵である魔獣と呼ばれる生物を倒すために存在している。

だが、魔獣を最初の方から狩れる者は少ない。

経験の差もあるが、魔獣は元が強いのだ。


しかし、その経験を埋められる場所がある。


その場所の名は、《魔城》。


魔城は最低でも3階層、最大では50階層のものが存在している。

城といっても、文字通り城型だったり。洞窟型だったりと様々な構造をしている。


魔城の各階層には、【魔物】と呼ばれる生物が住み着いていることがほとんどだ。

階層が上がるごとに魔物の強さは上がっていき、最後の階層には、【魔王】と呼ばれる魔城の(ヌシ)が存在している。

魔物は魔王が存在する限り、何度死んでも数時間で復活する。

つまり、魔王が死ぬと魔物も死ぬということだ。


これは魔城自体にも影響する。

魔城は、魔王が生まれた瞬間から共にあるものなのだ。

魔王がいる限り、魔城は決して朽ちはしない。


魔城は出来立てのものはそう簡単には見つからないように施されている。

その期間は一週間。

その間に魔王は、自然に生まれてくる魔物の配置を決める。

魔物の発生期間はその一週間を過ぎると二度と発生しなくなり、生まれてきた魔物は魔王が死なない限り生き返り続けるのだ。


魔王は、基本弱い魔物から低い階層に配置する。

そのレベルは魔獣には程遠いものばかりだが、なりたての勇者達には絶好の狩場だろう。


また、魔王が死ぬと魔結晶と呼ばれる結晶体を残す。

この魔結晶を、体内に取り込むと、全体的にステータスが上がる様なものになっている。

魔結晶の質は、魔王の力と、その年月で決まってくる。

なので古い魔城ほど、得られる魔結晶は高確率でやばいものなのだ。

しかし、それほど長い間存在しているのであれば、魔王が強いのも当然である。

この様に、魔城はなりたっている。


因みに、勇者が魔城で死んだ場合は、一番近くにある神殿で生き返る様にできていた。

同じ魔城で死ねる回数は3回までという制限はあるものの、魔王からしてみればずるいだろう。

しかし、この様なつくりになっているので変えられないのである。


……話を戻そう。

我は2000年前に魔王として生まれた。

魔王は何かしら一つか二つ、特異な能力を持つ。

我の能力は、【孤独】。

他能力における能力所有者への干渉その全てを無効化するというものだった。

その時からすでに魔王としては破格の力を所持していた。

だが、ペナルティとして魔物が一切発生しなかったのだ。

そのせいか、『何もせずに魔王のところへ行ける!』

などという勇者パーティが当時大量に来たものだ。

全て返り討ちにしてやったが……。



それでも我は【孤独】の魔城の魔王として現在まで生き続けている。


「「「「ぐわぁぁー!」」」」


「……ふむ、弱いな」


また、勇者含むパーティを倒した。


これで何度目だろう。


2000年だったが、我に強い、と思わせるものはそう数える程いなかった。


懐かしいな。と、かつての英雄達との名戦の思い出に浸っていた。


その時、脳内にステータスに関することを知らせる声が聞こえた。


『累計勇者討伐数:1,00,000人、累計入場者討数:5,186,374人、存在歴:2000年。特定の条件を達成。職業:魔王 から魔ノ神へ変更。』



「……は?」


この瞬間、訳のわからないまま我は【魔ノ神】になった。

読んでいただきありがとうございます!

気に入っていただけたら嬉しいです。

少し説明多めだったので、次はできるだけ会話を増やしたいなと思ってます!

更新は不定期ですが、それでもよければ、これからも読んでいただければ幸いです。

それではまた!

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